【先行レビュー編】椰月美智子『明日の食卓』発売記念!夏のスペシャルレビューキャンペーン結果発表

アンケート編】に続き、ブクログのみなさんからのレビューを一挙ご紹介します。たくさんのレビューご応募ありがとうございました!

KADOKAWA/角川書店
発売日 : 2016-08-31

私の過去と良く似ているような気がします

なんかこの本を読んでいると私の過去と良く似ているような気がします。
だからすごく参考になりました。加奈さんはものすごく苦労しているんだと思いました。
それは離婚、夫が好きな人ができて出て行ったことそれは子供にとってもよくないことだと思いました。
でも子供も大きくなって立派だと思いました。

あやや  30代

「母親」の業を感じさせられる一冊

3つの家庭での通常の日常が入り混じって書かれている。
専業主婦で一人息子が自慢のあすみ、シングルマザーの加奈、やんちゃ盛りの二人の男の子を育てながら仕事を増やしていく留美子。
小学3年生の男の子と言うのは、子どもだけれども、親の範疇から逃れようともする時期。
そんな3世帯を描きながら、母親の呪縛から逃れられない3人の女性の物語。
3人の子育てをシングルでしたきたので、とても他人ごととは思えなかった。
きっと共感しながら読む人も多いと思う。
でも、母親じゃない1人の「人」としての時間や行動があってもいいんじゃないかと感じた。子どもや夫がいない所でも「母親」の肩書きがついて回り、1人の人としてより母として感じる事の方を優先してしまう…性なのかもしれません。
たまには母親も何もかも放り出してプチ家出をしていいんじゃないかなと思ってしまいました。
そんな「母親」の業を感じさせられる一冊でした。

guu-rin  50代

「一歩間違えれば」のその一歩は、ごくごく身近にあって、いつ当たり前の幸せな生活から踏み外してしまうか分からない

読んでいて怖かった。椰月さんが書かれている「一歩間違えれば」のその一歩は、ごくごく身近にあって、いつ当たり前の幸せな生活から踏み外してしまうか分からないのだと背中が寒くなるようだった。
子育てをしていて時々ハッとさせられるのは、子どもはいつまでも、自分が全て知っているわけではないということだ。
幼い頃は、子どもの全てを知り、一日中見守ることができていたが、大きくなるに連れて、自分の知らない子どもの姿、世界が増えていく。親として、そこを尊重できなければ、怖い将来が待っていそうだ。
全ての家庭に明るい未来がありますように!

空色のくじら  40代

今の幸せは絶妙なバランスの上に成り立っているだけなんだというリアルさ

同じ歳の子をもつ親として、始めのページで目を背けたくなりました。
でも、読み始めたら途中では止まれませんでした。ワクワク感とはほど遠い、この先この家庭は、この親子はどうなっていくんだろうという、ある意味ドキドキハラハラ不安定な恐ろしさ。
ちょっとしたきっかけでどの家庭でも起こりうる、今の幸せは絶妙なバランスの上に成り立っているだけなんだというリアルさが、砂上の楼閣を感じつつ、そうではいけない、家庭には特に親子には何よりも強い絆の礎があり、母親は子どもの為ならどんなにも強くなれる!無償の愛の強さに共感し、力をもらいました。
私も仕事をしていて、日々の生活に追われていっぱいいっぱいなので、留美子の夫に対する見方や考え方に思わず「うんうん」と共感!専業主婦やシングルマザー、子をもつ親ならば皆、どこかしらにはっとさせられる所があると思う。
作中の母親が「ごめんね」と心で謝っていると、同じように息子を想って謝っている、反省している自分がいました。
読後は、我が子が愛おしくて堪らなくて「○○、○○」と何度も名前を呼びながら、眠っている子を抱き寄せて、ずっと手を握ったまま眠りました。

こあら  40代

虐待になるかそうじゃないかの境目って本当に紙一枚の差

私は3歳になる娘が居ますが、産まれる前まではもっと今とは違った子育てを想像していました。
爽やかなと言うかにこやかなと言うか。
3組のイシバシ家、一番共感出来たのは二人兄弟のお母さん、留美子。
虐待になるかそうじゃないかの境目って本当に紙一枚の差だと私は思います。
その日のうちにリセット出来なかったイライラが積もりに積もって、プチんときてしまうのだろうなと。
あぁ、本当に世のお父さんもお母さんも毎日お疲れ様です、と声を大きくして言いたい。
終盤はかなり急ぎ足になっていた様に思え少し残念でした。
全体的にかなり引き込まれて読めていたので、3組のイシバシ家のその後がかなり気になってしまいました。

愛理  20代

「あるあるー!」と思いつつも、この家族の行く末が気になってハラハラ

いつもブクログにはお世話になっています。椰月さんの『消えてなくなっても』がとても印象に残っていたので、今回のサンプル本当選はとてもうれしかったです。作品の先が気になって2日で読了しました。2日目はほぼ半日以上座りっぱなしでおしりが痛くなってしまいました。読んでいる間ドキドキしっ放しでした。
 私が一番感情移入してしまったのが石橋加奈の母子家庭でした。夜中に絵具を買いに行くシーンで涙が出ました。加奈の状況は昭和の自分の子供時代を思い出しました。(うちも加奈と同じような状態でした)。けど加奈は明るく勇を正面から励まし抱きしめることが出来る母親なので安心できました。
 次に私が共感したのが石橋留美子宅です。好きで結婚した豊との関係がぎくしゃくし始めて71ページのお茶を「ご自分で~」のやりとりはわが家でも実際にあったシチュエーションでしたので、「あるあるー!」と思いつつも、この家族の行く末が気になってハラハラしました。
 石橋あすみ家も介護が絡んでくるので他人事とは思えず、うちの子供も認知症になった祖母との関係が難しく優と同じように「汚い」とか「一緒に居間にいたくない」とか訴えていたので、わが家と似ていると思いました。けどあすみはお嬢さん的なタフさがあって、太一が泣くシーンでは何でも受け止められる安定したママだなぁ~と感じました。その分スナガミ先生が登場した時は少し驚きでした。やはり何かにすがらないとやってられないよね…と。
 算数や計算と違い正解がない子育て。うちもどこも不安でいっぱいです。がっちりした船頭が不在で父親や母親が船頭を押し付け合ったり奪い合ったりしながら舟は進んで行きます。揺れがやまない吊り橋や小舟に家族がぎゅうぎゅうと乗っているようなそんな感じ。
 物語の結末では涙は出ませんでした。かわりに読んでいる途中で数回泣きました。絵具のところ、給食費泥棒のシーン、177ページや223ページの留美子の心のつぶやき、頭にみそ汁のわかめがかかったシーンは泣きました。結末はただただ驚きしかありませんでした。不意打ちでボーっとしました。
 つらい内容でしたが内容にぐいぐい引っ張られて読了しました。椰月さんの作品を他にも読んでみたいと思います。素敵なサンプル本ありがとうございました。

まっきー  20代

乳幼児~児童の年代の子どもを育てている母親には読み進めることに抵抗を感じるほど生々しい母親の心の動き

これは、今まさに乳幼児~児童の年代の子どもを育てている母親には読み進めることに抵抗を感じるほど生々しい母親の心の動きが書かれている。

子育ては穏やかでもなければシナリオ通りに進むものでもない。この上ない幸せを感じる心の一瞬あとに正反対の感情に支配される、一見矛盾した、しかし多くの母親が経験しているであろう現実。周囲から見えている姿と家庭の内側の姿のギャップ。それが生々しく描かれているため、読みながら現実の自分の置かれた境遇との共通部分を見出しながら、なりえたかもしれない自分を想像してしまう。

紹介文にある「どこにでもある家庭の光と闇」。誇張ではない“闇”の部分を抱えながら精一杯子どもを育てているお母さんたち全てが、優しい愛で包まれるよう祈らずにはいられない。

Vivi634  30代

嫌な事から目が離せないようにこの一冊も一気に読み進めてしまいました

10ページ読まないうちにこのキャンペーンに応募したことを少々後悔しました
それはあまりに自分の気持ちそのもので、子育てはポジティブな事ばかりではなく負の部分もたくさんあります
子育ての勉強なんて学校では教えてくれないどころか、毎日がハプニングの連続だし、理性ではわかっても情の部分で理解を超えた事もやらかしてくれます そこに先生やらママ友情報が加わればどうして良いかわからない自分のオンパレード状態だしパニックにもなります
でも嫌な事から目が離せないようにこの一冊も一気に読み進めてしまいました
女性ばかりが子育て、介護などを負担しなければならないのでしょう?
この3人のような女性が一人でも日本からいなくなるような世の中になる事を希望します

のの  20代

ああ、子供を虐待するっていうのはこういうことなのか、と・・・

最初の1ページで度肝を抜かれました。ああ、子供を虐待するっていうのはこういうことなのか、と・・・。
話しを聞いてくれる、ほんの少し助けてくれる。・・・そういうことが、お母さんにとってものすごく支えになるんだろうなあ。

読む前に犯人が何となくわかってしまっていたので、面白さ半減でしたが、自分とまったく環境も立場も違う母親の考えていることが少しわかったような気がしました。

もろもろ全体で、本当のブクログで星をつけるとしたら3つかな。
(まったくネタバレを起こさないように感想を書くのって、難しいですね。)

みつき  40代

これはもしかしたら私の物語だったのかもしれない、ということが頭から離れなかった

面白い、ということが出来ないくらい胸にきた。作者が書かれたように、これはもしかしたら私の物語だったのかもしれない、ということが頭から離れなかった。登場人物の一人である留美子が言うように、その留美子も含めてどの母親の気持ちも私が知っているものだった。子供が親よりも長生きする、それだけで十分に親孝行でそれ以上は欲張りだという加奈の言葉を私は親として貸して貰おうと思う。いつか自分の言葉になるように、せめて近づくように子供と関わりたい。母になってからこの小説を読めて本当によかった。

秋月  20代

この本は、現実の親たちに立ち止まり考えるきっかけを与えてくれると思う

つくづく思う。
子どもは、親の所有物ではないということ。
つい、「子どもだから」と思いがちだけど子どもはひとつの人格であって、親が思うよりもずっと多くの事を考えている。親を押し付けてはいけないと思う。
悲しいことだけど、三人の親たちがふっ、と自分を取り戻したのは同じような境遇の家庭の事件を見たから。きっとそれだけ追い詰められていたからからだと思う。だけど、気がつけた事は幸せなことなんだと、そしてこの本は、現実の親たちに立ち止まり考えるきっかけを与えてくれると思う。

らん  40代

母親たちもきっと共感できるかと思いますが、男性たちにもぜひ読んで欲しい

ショッキングな冒頭から、3組のイシバシユウくんと母親の生活が描かれ、いったいどの家庭が・・・とドキドキしながら読み進めることになります。どの家庭もそれぞれ個性ありながら、母子の状況は大なり小なりあるあるが詰め込まれており、それだけに追い込まれた状況になっていくときに、自分だったらどうするだろうと考えてキリキリ胃が痛む思いで読み続けていきました。
私自身、身近で一歩違えばうちがあの親子だったかもしれない、という事件を体験しており、あの母子と私たちの違いはどこにあったのかとすごく考えることがあったので辛かったです。
普通の親子の日常がこういう形で小説になるのかということに感動しました。
母親たちもきっと共感できるかと思いますが、男性たちにもぜひ読んで欲しいです。

ゆたぽん  50代

子育て中の親ならば誰もが心に抱く言葉にできない思い

同じ名前の8歳の息子を持つ3人の母親の日々。どこにでもいる、自分と同じ存在の女性たち。
出てくる人物や出来事がとてもリアルでした。一通りではない行動。少しのきっかけで天使にも悪魔にもなる人間。日々に追われて余裕のない大人たち。ただ今を一生懸命生きる子どもたち。噛み合わない思い。
カッとなって子どもを殺めてしまうニュースを見て、そこにいるのは信じられないほど冷酷な赤の他人ではなく、ちょっと間が違った自分かもしれないと想像することがあります。
子育て中の親ならば誰もが心に抱く言葉にできない思いを、整然と文字にされて初めて、あぁ、そうそう、そういうことかと認識することができました。

ユーカリ  30代

子を持つ親ならいつ誰の身に訪れてもおかしくはない

読んでいて内容が重かったし終始辛かったです。でもそう感じるのはちょっとした気持ちのすれ違いや運命のいたずらで起こる、子を持つ親ならいつ誰の身に訪れてもおかしくはない事だからだと思い当たり愕然としました。イシバシユウという8歳の男の子を持つ3人の母親。あすみは専業主婦で心配症。留美子はライターという仕事に目覚めながらも二足のわらじを履いて頑張る母親。加奈はシングルマザーで働きづめだけど一番にユウのことを考える優しく前向きな母親。3つの家族にそれぞれ不穏な空気が漂い始めそれぞれが追い詰められていく様子に胸が締め付けられます。どの母親も凄くリアルに描かれていて自分と重なり過ぎました。同時に現実の自分との境界線が無くなるくらいのめり込みページをめくる手が止められませんでした。一体この3人の母親はどうなってしまうのだろうという思いと共に迎えた結末は驚きでしたが希望の見えるエンディングでホッとしました。椰月さんが実際に子育てで感じた思いが下敷きになっているとのこととても説得力があって共感できました。発売前に読ませていただきありがとうございました。

こみっくま  40代

どこにでもある出来事から、『あたりまえ』が崩れていく

冒頭、少年ユウに加えられる、一方的な暴行。そして、3人のユウと3人の母の、あたりまえの日常。
どこにでもある出来事から、『あたりまえ』が崩れていく。悲劇に向かっているのはどの「ユウ」、どの母なのか…

親による子への虐待のニュースは辛い。けれど、我が子の寝顔を見ながら、今日の自分を思い返し、心底情けない気持になった事がない親はいないと思う。
親になった事がなくても、想像してみて欲しい。可愛いから、大切だから…その瞬間まで手のひらに包んでいた小さな生き物に、突然本気で噛みつかれたら。痛みに悲鳴をあげ、反射的に振り落としてしまった事を、誰が責められる?

明日、うちの子は何をするのか。早く身体も心も強く育たないと危ないぞ。
私もまた、ただの精一杯の親として、怒りながら祈る。

yo-5h1n  40代

読んでいて自分の日々の生活が常に点検されているようだった

子どもに対し、感情が先走ってしまう、手が出てしまう。一歩間違えば自分もそうだったかもしれない。本書の紹介文を読んで、どきっとしない親がいるだろうか。いや、普通はそんなことないのかもしれない。ふたつの相反する思いが胸に去来し、家庭というブラックボックスにぞっとする。家庭内の真実は、どんなに親しく付き合っている家庭同士でも、もしかしたら夫婦の間でさえ、見えないのかもしれない。
就学前後の兄妹を育てている、多分よくある家庭の母として、本書に出てくるどの母親にも共感でき、そしてどの母親とも違うと感じた。こんなにうまくいかないよとか、あるいはこんなことがまさか我が家にと、読んでいて自分の日々の生活が常に点検されているようだった。
どのエピソードも実感を持って思い浮かべることができ、自分の過去や未来と隣り合って思える。物語の結末は決して結末ではなく、終わりがないように思える日々の一部である。こういった本に触れることで、共感、反省、あらゆる意味で救われる人が多数いることと思う。

H.I  30代

どこかで何かが少し悪い方向にずれたら…簡単に他人事とは言い切れないものを感じました

虐待、虐待と騒がれる世の中です。子どもに手をあげることをいいとは思いませんが、私自身手がでてしまったことがあります。怒りの感情を抑えられず、言葉でぶつけたこども少なからずあります。どこかで何かが少し悪い方向にずれたら…簡単に他人事とは言い切れないものを感じました。
「子殺し」なんとも衝撃的な物語でしたが、身につまされる物語でした。
現在、上の子が高校生になり反抗期がひと段落し、続いて下の子が中学生になり反抗期にさしかかり…。2人目の余裕みたいなものを感じ、かわす技も身につけた私。思うようにならないのがあたりまえ、我が子も自分とは違うひとりの人間なんだからとようやく心底思えるようになりました。

M  40代

自分がその母親になって擬似体験してる感覚

登場する家族、自分がその母親になって擬似体験してる感覚で読み進めてあっという間に読み終えました。3人の母親に共感する部分も多く自分ならどうする?と自問しながら先が気になりましたが読後はすっきりした気分になりました。著者の実体験をもとにしてあるとのことでやはり体験したから語れる描写があるから説得力があるんだと納得させられました。

なみへい  40代

「普通に暮らしていくってすごい事だな」と思ったのを思い出しました

すごくリアルでした。子どもがいないと「そんな大袈裟な…」って思うかもしれないけれど。ほんとこれが現実。
読み始め、あまりに日常生活に近く、「うわぁ。本の中でまで見たくない」と思う感もありましたが、文章が読みやすいのもあり、親に共感するのもあり、結局一気に読んでしまいました。
もっと子どもが小さい頃、可愛くもあり厄介でもある我が子を前に、「普通に暮らしていくってすごい事だな」と思ったのを思い出しました。
子育てって、本当に一人ひとりが偉業です。そう思わなきゃやってられない!
これを読んで、 「大変だけどひとりじゃない。明日も頑張ろう」と思える人が一人でも多くなればいいなと思います。
もちろん、私もその一人。

たろー  40代

子育てで悩んでいる方、子育てに疲れている方、そんな方にぜひ読んでほしい

この小説に出てくる3家族は、決して大げさに面白おかしく描いているわけではなく、あるニュースの事件を描いているわけでもなく、とてもリアルでどこにでもある、家族のお話だと思いました。

自分が子育てをする前は、虐待や虐待死する親がいることが信じられず、人ではないとさえ思っていました。
でも実際子育てをするようになり、虐待を正当化するつもりは全くありませんが、子育ての難しさや母親にかかる負担の大きさを強く実感します。
また母親は女で、男の子という生物と根本的に違うので、なぜ?なぜ?と思うことも多々あります。

私は、加奈さんの母親としての生き方に、とても力をもらいました。あんなふうに凛とした母親になりたいです。

子育てで悩んでいる方、子育てに疲れている方、そんな方にぜひ読んでほしいと思いました。
決してあなただけじゃない、みんな同じような悩みを抱えて、子育てしているんだ、と。

ありしあ  40代

ありふれた日常と、犯罪がおきる境界はどこにあるのか

小学生の元気な男の子、いしばしゆう君。
同姓同名の三人のいしばしゆう君の母親目線で、三者三様の子育てを中心とした日常がつづられている。そして、どの家族も一所懸命生きているのに、それぞれに問題がおきてしまう。
ありふれた日常と、犯罪がおきる境界はどこにあるのか、現代社会の問題を描いた作品。
個人的には、それぞれの家族について、もっと掘り下げて描いて欲しかった。

なみごん  40代

それぞれの母親が私のママともで、まるで相談を受けているような感覚に

私もヤンチャ坊主を育てる母です。この作品のあらすじを読んだ時は、きっと3家族のすべてに共感できるだろうと思っていました。そして読み進めみると、まるでそれぞれの母親が私のママともで、まるで相談を受けているような感覚になりました。心の中で、彼女達に励ましたり一緒に葛藤したりしながらあっという間に読み終えてしまいました。中でも私が一番感情移入したのは加奈です。タフで健気で愛情豊で、加奈は私の憧れの母親像です。どうか、彼女が犯人じゃありませんように!!と祈るような気持で読んでいました。読み終えた後、決してハッピーエンドとは言えないのだけど、どこか爽やかで「また明日から、子育てがんばろう。」という気持ちになりました。

みうもん  30代

誰でも、子どもはかわいい、けれどもそう思えない時もあるのではないのでしょうか

 とてもおもしろく一気読みしてしまいました。子どもを持つ親なら、きっと共感できる話だと思います。誰でも、子どもはかわいい、けれどもそう思えない時もあるのではないのでしょうか。
 この作品には、出来のいい男の子(優)を持つ専業主婦のあゆみ、元気いっぱいの2人の男の子(巧巳・悠宇)を持つフリーランスで働く留美子、母親思いの男の子(勇)を持つシングルマザーの加奈、といった3人の母親が出てきます。その3人の中で私が特に共感したのは留美子です。うちの子は、巧巳や悠宇ほどやんちゃではないけれども、それでもすぐ喧嘩するし毎日が戦争です。なのに、留美子の夫も私の夫も、自分のできる範囲でしか手伝ってくれません。この夫の態度が引き金となり、留美子は子どもに手をあげてしまいます。虐待には、子どもに対する怒りだけではなく、それ以外のものに対する怒りがきっかけとなるのだと思いました。
 最後は驚きのラストなのですが、納得できないものが残りました。

なめちゃん  40代

この物語に出てくるお母さん達に誰もがなりうるとおもいます。

読み始めてから止まらなくなり、一気に読んでしまいました。
私も男の子を2人育てていますが、改めて子育ての難しさを実感しました。自分が同じような体験をするかもしれないと。
この物語に出てくるお母さん達に誰もがなりうるとおもいます。
子育てには休みがありません。毎日が戦いです。特に男の子は、自分とは違う性別のため、どうしていいかわからず、悩むことも多いです。
でも、その戦いの中に喜びや楽しさがあります。
それに気がつけるかどうかが、分かれ道なのかなと感じました。

ほーむるーむ  30代

「自分かもしれなかった。」という最後の言葉が、同じ8歳の子を持つ親として心に突き刺さり、涙が溢れて止まらなかった

 8歳の”ユウ”を息子に持つ、3人のそれぞれの母親の、それぞれの大変だけど幸せにありふれた生活。それがちょっとした些細なきっかけで崩れていく。「自分かもしれなかった。」という最後の言葉が、同じ8歳の子を持つ親として心に突き刺さり、涙が溢れて止まらなかった。

まゆ  20代

改めてまして、沢山のレビューありがとうございました!