第6回ブクログ大賞発表!辻村深月『かがみの孤城』、前野ウルド浩太郎『バッタを倒しにアフリカへ』ほか全7作品!

2018年10月1日~10月22日まで、読書好きのみなさんから投票を募集していた第6回ブクログ大賞。投票の集計が終わり、ついに大賞受賞作が決定いたしました!

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「ブクログ大賞」とは

「ブクログ大賞」は、インターネット上の一般読者の声を反映させることを目的に2010年3月に設立された小説、マンガ等の書籍賞です。本大賞では、「小説」「マンガ」「ビジネス書」「エッセイ・ノンフィクション」「人文・自然科学書」「海外小説」の6部門のノミネート作品から一般投票により、それぞれ大賞1作品を決定したほか、全ジャンルの書籍から好きな作品を自由に投票できる「フリー投票部門」1作品の受賞作品を決定いたしました。

第6回ブクログ大賞受賞作品

小説部門大賞『かがみの孤城』著者:辻村深月さん(ポプラ社)

すでに7冠を獲得している本作ですが、ブクログでの評価もかなり高い作品です。今、学校という場所になじめず苦しんでいる子どもや、子どもの頃の苦い記憶を持つ大人はもちろん、昔子どもだったことを忘れている大人にも、読んでいただきたい作品です。このあたたかい物語が、人から人の手へとバトンのように受け渡されていくことに胸が熱くなります。投票の際にみなさんから寄せられたコメントも印象的な作品でした。あらためて、受賞おめでとうございます!

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マンガ部門大賞『アルスラーン戦記』 漫画:荒川弘さん原作:田中芳樹さん(講談社)

ブクログでも人気が高い荒川弘さんが、『銀の匙』以来のブクログ大賞マンガ部門で大賞を受賞しました!田中芳樹さんの手になる名作『アルスラーン戦記』は、荒川さんによって『別冊少年マガジン』2013年8月号に漫画化されました。以来今にいたるまで続く連載は、作品に新たな息を吹き込んだといえるでしょう。魅力的な登場人物たちの活き活きとした描写に思わず魅せられてしまいます。

ブクログ大賞でも、荒川さんの描写に魅了された熱いコメントが並びました。おめでとうございます!

荒川弘さん、田中芳樹さんのコメントは後日公開予定です!

ビジネス書部門大賞『エンジニアリング組織論への招待~不確実性に向き合う思考と組織のリファクタリング』 著者:広木大地さん(技術評論社)

「不確実性」をメインテーマとして話題の一冊『エンジニアリング組織論への招待』が、話題になったビジネス書たちを押しのけブクログ大賞ビジネス書部門で大賞を受賞しました!著者は多数の会社への技術組織のアドバイザリーを務める広木大地さんです。
タイトルからエンジニア向けの本という印象を持たれますが、不確実な時代においての組織やプロジェクトのマネジメントについて書かれています。内容も論理的かつ体系的に書かれており、読者からも賞賛のレビューが多く集まっています。受賞、おめでとうございます!

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エッセイ・ノンフィクション部門大賞『バッタを倒しにアフリカへ』 著者:前野ウルド浩太郎さん(光文社)

前野ウルド浩太郎さんによる学術的な逸話満載のエッセイ・ノンフィクション作が、圧倒的な支持を受けて大賞を受賞しました!虫取り網を構えながら妙な闘気を発しているウルドさんの姿が記される表紙は、大きな注目を集めました。そして何より驚きの逸話満載の中身は、いまなお多くの読み手に深い感銘を与えています。
ウルドさんのフィールドワーク、そして全力の研究生活が多くの読者に認められたともいえます。おめでとうございます!

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人文・自然科学部門大賞『宇宙に命はあるのか 人類が旅した一千億分の八』著者:小野雅裕さん(SBクリエイティブ)

今年の人文・自然科学部門大賞は、人気コミック『宇宙兄弟』監修協力を務め、NASAジェット推進研究所で技術開発に従事する著者がおくる、「宇宙」と「科学技術」と「想像力」をめぐる人類の物語。わたしたちはどこから来て、どこへ行くのか。宇宙探査の「過去」と「今」と「未来」。その本質を「イマジネーションの感染」として読み解く本著は力強いメッセージにあふれています。科学技術が悪用されてディストピアへ転げ落ちるような、ありきたりな悲観論は片鱗もありません。その悪用するものすらをも利用して、空へ、天へ、その先へ、ただただ突き進もうとする「想像力」たち。人類が手に入れた「科学技術」とは、このワクワクするような「想像力」のことだったと改めて気づかされます。またその「力」は人間誰しもが持っているものであることにも改めて驚きます。読了後もそのワクワクする「想像」が止まりません。中高生に是非読んでほしい心に何かが灯ること請け合いの『宇宙に命はあるのか 人類が旅した一千億分の八』。受賞、おめでとうございます!

小野雅裕さん受賞コメントはこちら!

海外小説部門大賞『13・67』著者:陳浩基さん 訳:天野健太郎さん(文藝春秋)

今年のブクログ大賞海外小説部門を制したのは、陳浩基さん著/天野健太郎さん訳『13・67』!「華文ミステリーと言ったって単なる海外ミステリーだろう」くらいに侮るなかれ。国際都市香港を舞台に2013年から1967年へと時間を遡るリバースクロノロジー(逆・年代記)の6編の連作中編は警察小説の形を借りながら「本格派」と「社会派」を美しく融合させたとんでもない怪作です。各話が本格ミステリとして良質な「謎解き」を仕込みながら、香港の戦後史をたどることで、波乱に満ちた「香港人の人生」を滲ませた良質な「香港文学」を読むようでもあります。多くのブクログレビュアも絶賛をおくった本作、華文ミステリー食わず嫌いな人も是非手に取ってみてください。この度は受賞おめでとうございます。

陳浩基さん、担当編集者荒俣勝利さんの受賞コメントはこちら!

フリー部門大賞『ボクたちはみんな大人になれなかった』著者:燃え殻さん(新潮社)

「大人」として忙殺されているボクが、17年前に別れた元カノにFacebookの友達申請を送ってしまったことから呼び起こされる「あのとき」の記憶。ていねいにつづられる記憶から読者に共有されるのは、胸をかきむしりたくなるような感情です。誰の心の中にも、昇華できない「あのとき」はあり、それに蓋をして生きています。けれど、燃え殻さんの言葉を目で追っているうちに「あのとき」の感情が「あのとき」のまま生々しく胸によみがえってくるようです。忘れたくて、忘れたくなかった感情を呼び起こしてくれる作品でした。受賞、おめでとうございます!

燃え殻さん受賞コメントはこちら!

第6回ブクログ大賞運営より

ブクログ大賞を受賞されたみなさん、おめでとうございます!また奮って投票してくださったみなさん、ご協力いただき本当にありがとうございました。
今回受賞された辻村深月さん、荒川弘さん、広木大地さん、前野ウルド浩太郎さん、小野雅裕さん、陳浩基さん、燃え殻さんについては、ロングインタビューの公開を予定しています。公開時にまたお知らせいたしますので、ぜひお楽しみください。

また今回惜しくも受賞を逃した作品も、ブクログで高く評価されていることには変わりありません。どれもすばらしい作品ですので、受賞作以外の作品もぜひこれをきっかけにお手に取っていただければうれしいです。
最後になりましたが、今回、快くご対応いただいた著者のみなさん、関係者のみなさん、本当にありがとうございました。

第7回ブクログ大賞をお楽しみに!

「ブクログ大賞」選考基準

「小説」「マンガ」「ビジネス書」「エッセイ・ノンフィクション」「人文・自然科学」「海外小説」部門は、2017年5月1日~2018年7月31日の15か月間に発売された書籍を対象に、ブクログユーザーの登録数・評価数をもとにノミネート作品を選出しました。(※「マンガ」部門は2017年5月1日~2018年7月31日の15か月間で発売された作品(9巻以下)が対象)「フリー投票部門」はジャンル・発売年月日を問わず、投票者が2017年5月1日~2018年7月31日の間に読まれた書籍を投票いただき、選出いたしました。
 各部門大賞は、ノミネート作への読者投票によって決まりました。ブクログ大賞公式サイトおよびTwitterとブクログの投票フォームのいずれかから、ノミネート作品への1人1票ずつの投票によって、各ジャンル票数最上位を対象選出いたしました。

第6回ブクログ大賞 投票概要

投票期間: 2018年10月1日(月)~22日(月)
投票方法:
・Twitterにてハッシュタグ「#第5回ブクログ大賞」をつけて投票
・ブクログ大賞公式サイトから投票
発表:2018年11月12日(月)