涙がこぼれる感動小説10選!一度読んだら忘れられない感動作を厳選!後編

こんにちは、ブクログ通信です。

前編の小説5選に引き続き後編でも涙がこぼれるほど感動する小説を5作品ご紹介します。ブクログユーザーから高い評価を得ている作品や泣けると評判の人気作、ブクログがおすすめする感動作品を中心に集めました。お家で過ごすひと時を、ぜひこちらの作品たちと共に過ごしてみてはいかがでしょうか。

6.『風が強く吹いている』駅伝はこんなにも面白い競技だった!

直木賞作家・三浦しをんさんによる箱根駅伝を舞台にした青春小説です。2006年に新潮社から発刊され、文庫化もされています。2007年にマンガ化、ラジオドラマ化され、2009年には舞台化されました。2009年10月に実写映画化もされています。2018年にテレビアニメ版も放映されました。

三浦しをんさん『風が強く吹いている
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あらすじ

暴力事件を起こし部活を辞めた天才ランナー・カケルと、陸上強豪校出身で脚に古傷を持つハイジ。2人の偶然の出会いが、寛政大学陸上競技部の新たな歴史の幕開けとなった。格安学生寮・竹青荘の個性豊かな住人たちとカケルは、ハイジの指揮のもと箱根駅伝出場を目指して走り出すことになるが——。

オススメのポイント!

箱根駅伝を扱った小説ということで、爽やかなスポーツ青春物語をイメージするかもしれません。しかし、三浦しをんさんの作品はただの青春小説にとどまらない面白さが魅力です。個性豊かな10人のメンバーと、それぞれの走る理由にぐいぐい惹き込まれること必至!感動の結末はぜひ自分の目で見届けてほしい名作です。

三浦しをんさんの作品一覧

駅伝の観客なら可能だけど、選手として自分が参加するのはありえない。けれど、この小説はそれを可能にしてくれた。駅伝を走る側からの景色、思い、苦しみ、身体の変化や痛みなど、読んでいるとまるで自分に起こったことのようだった。

ベル さんのレビュー

7.『幸福な食卓』哀しくても、ごはんを食べる日々は続いていく

2004年に刊行された作品で、第26回吉川英治文学新人賞受賞作です。2006年にマンガ版が出版され、2007年には映画版も公開されました。映画では女優の北乃きいさんが主演を務めています。映画の主題歌はMr.Childrenの「くるみ -for the Film- 幸福な食卓」で、こちらも大きな話題を集めました。

瀬尾まいこさん『幸福な食卓
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あらすじ

「父さんは今日で父さんをやめようと思う」、佐和子の父はある日そう宣言した。母は家を出ることになり、元天才児の兄は大学を辞めて農業を始めると言う——。ちょっと変わった家族の在り方に、戸惑い生きる佐和子。しかし同じ塾に通う大浦くんと出会ったことで、少しずつ佐和子の考え方も変わっていくのだった……。

オススメのポイント!

物語序盤から家族が「崩壊」するという斬新なストーリーに衝撃を受ける作品です。一見すると悲壮な物語のように思えます。しかし、瀬尾さんの描くちょっと変わった、それでいてとても温かい家族の姿が本書の魅力です。何気ない毎日や家族の大切さを改めて気づかせてくれる作品ですので、ぜひ一度手に取ってみてください。

瀬尾まいこさんの作品一覧

崩れてしまっても、間違ってしまっても、またやり直せばなんとかなる。家族で食卓を囲む習慣がそれぞれの背中を押すパワーになったのかなー。離れても、形が変わっても家族が自然に寄り添って支え合っている姿に愛情の深さを実感しました。私自身ももっと家族を大事にしようという気持ちが大きくなりました。人生の節目を迎えたときにまた読み返したい作品。

じゃむさんのレビュー

8.『きみのともだち』みんなではなく「きみ」に読んでほしい物語

みずみずしい感性で思春期の子供たちを描く作家・重松清さんによる短編小説集です。2005年に新潮社から刊行されました。2008年にWOWOW FILMSによって映画化されました。主要キャストを石橋杏奈さん、北浦愛さん、吉高由里子さんが務めています。

重松清さん『きみのともだち
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あらすじ

足の不自由な恵美ちゃんは、事故の原因を作った同級生を恨み周囲から孤立している。生まれつき病気がちな由香ちゃんは、入退院を繰り返していたので友達がいない。そんな2人はある事件をきっかけにクラスの中で浮いた存在になってしまうのだった——。学校の人気者、デキる転校生、八方美人……2人を取り巻く「みんな」の「ともだち」関係を通して、本当の友達とは何かを問いかける物語。

オススメのポイント!

思春期ならではの心の揺れや繊細な友達関係を思い出させる作品です。恵美ちゃんと由香ちゃんの友情、クラスメイトたちの姿を通して、今一度「友達って何?」と考えてしまうはず。作中ではいくつもの「ともだち」が描かれ、時に切なく時に痛々しい気持ちにもさせられます。心にじんわりと響く名作です。

重松清さんの作品一覧

みな幼少期、中学校時代、人間関係で悩むことがあると思う。この小説では色々な悩みを抱える登場人物がそれぞれ主役となり、小説が書かれている。全てがハッピーエンドではなかったが、心にじんわり響く文章は非常に読み応えがあった。色々な友だち関係が出てきたが、二人ぼっちで幸せだった、
恵美ちゃんと由香ちゃんのような関係が1番いいなと思った。

Danielさんのレビュー

9.『夏の庭―The Friends』きらめく夏の思い出が胸を打つ有名作品

1992年に刊行されて以来、根強い人気を誇る湯本香樹実さん作の小説です。1993年に日本児童文学者協会新人賞と児童文芸新人賞を受賞しました。海外でも十か国以上で翻訳出版されており、1997年にボストン・グローブ=ホーン・ブック賞とミルドレッド・バチェルダー賞をダブル受賞しています。1994年に日本で映画化され、故・三國連太郎がキーパーソンとなる役を務め話題を集めました。

湯本香樹実さん『夏の庭―The Friends
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あらすじ

小学6年生の「僕」は、とあるきっかけで「死」について考えるようになる。友達の河辺の提案で、一人暮らしのおじいさんが死ぬところを見届けようということになった「僕」は、もう一人の友達・山下を誘った。おじいさんの暮らしを見張るうちに、少しずつおじいさんと仲良くなる3人。おじいさんの過去や別れた奥さんの話を聞いて、何とかおじいさんを喜ばせたいと思った3人はあることを思いついて——。

オススメのポイント!

本書は児童文学として知られていますが、内容は大人でも十分に楽しめる作品です。ひと夏を共に過ごすことになるおじいさんと子供たちの様子がみずみずしく描かれ、じんわりと心に染み入る物語となっています。「僕」を通して描かれる出会いと別れに、切なくも明るい気持ちになれる作品です。思わず涙がこぼれるシーンがあるので、ぜひおうちでゆっくり読むことをおすすめします。

湯本香樹実さんの作品一覧

久しぶりに本を読んで涙が出た。
しかし、読み終わったあとは爽やかで、「読んでよかった」と思えた一冊だった。
図書館で借りた本だが、また読み返したいと思う。
小6の娘にも勧めたい。

sachioさんのレビュー

10.『アルジャーノンに花束を』60年以上経っても色褪せない不朽の名作

1959年に中編小説として発表された後、1966年に長編小説として改作されました。1960年にヒューゴー賞短編小説部門を受賞、改作後の1967年にネビュラ賞を受賞しています。1968年にアメリカで映画化されて以降、カナダ・フランスなど複数の地域で映像化されています。日本では2002年と2015年にテレビドラマ化され、2015年版では山下智久さんが主演を務めたことで大きな話題となりました。

ダニエル・キイスさん『アルジャーノンに花束を
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あらすじ

知的障害を持つ青年・チャーリィの知能は6歳児並みだった。ある日、チャーリィは大学教授のアリスから知能を高める脳手術を受けるようすすめられる。手術は成功し、チャーリィの知能は日に日に高まっていくのだった。天才となったチャーリィは、それまで気づかずにいた現実の残酷さを知る。やがて、手術の実験台となったハツカネズミの「アルジャーノン」に異変が起こりチャーリィにも不安の影が近づいて——。

オススメのポイント!

本作はSF作品でありながら人間ドラマでもあります。主人公の一人称で語られているため、まるでチャーリィ自身になったかのような臨場感を味わえる作品です。時間の経過と共に変化するチャーリィの心模様が胸に迫り、結末へ向けて大きな感動が待っています。最後の一文で、きっとみなさんも泣いてしまうはず。ハンカチを用意してお読み下さい。

ダニエル・キイスさんの作品一覧

中学生以来の再読。当時も多少は感動した気がするけど、今回の刺さり具合とは程遠い。チャーリイ・ゴードンの苦悩が、何故だか自分の事かのように感じられて読み進めるのが苦しい事多々。肝心の感想が、もう色々な気持ちが沸き起こってとても私の語彙力では言い表すことができない。人間の尊厳とは、何か。そんな問いが、読了後に浮かんできた。一生のうちに、こんな気持ちにさせられる本と出会えることって何回あるんだろう。再読するチャンスがあって本当に良かった。小尾芙佐さんの邦訳もこの作品の素晴らしさに寄与していると思いました。

ぴこぽこさんのレビュー

一度読んだら忘れられない涙がこぼれる感動小説10選。嬉しい気持ちになって涙が出たり、切なさに涙がこぼれたり……。今回の後編にご紹介した5作品も、どれも涙腺を刺激する名作ばかりです。心に響く物語たちと共に、思いっきり泣いてみませんか?