涙がこぼれる感動小説10選!一度読んだら忘れられない感動作を厳選!前編

こんにちは、ブクログ通信です。

大人になると、思いっきり泣ける機会は少なくなりますよね。泣きたいときでも我慢してしまったり、周囲の目が気になって感情を表現できなったりと、大人だからこその不自由さを感じたことがある人も多いかと思います。しかし、ときには思いっきり泣いて気持ちを発散することも大切です。

前編では涙がこぼれるほど感動する小説を5作品ご紹介します。ブクログユーザーから高い評価を得ている作品や泣けると評判の人気作、ブクログがおすすめする感動作品を中心に集めました。家で過ごすひと時を、ぜひこちらの作品たちと共に過ごしてみてはいかがでしょうか。

1.『かがみの孤城』きっと、あなたの忘れられない物語になる

直木賞作家の辻村深月さんの長編小説です。2017年に刊行され、翌2018年の本屋大賞を受賞しました。辻村さんの持ち味である繊細な心理描写が光る名作として、刊行後すぐに大きな注目を集めました。2019年にマンガ化されています。

辻村深月さん『かがみの孤城
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あらすじ

中学生のこころは、学校に行けなくなり家に閉じこもる日々を送っていた。ある日、こころの目の前で突然部屋の鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先でこころが目にしたのは、まるでお城のような不思議な建物。そこには、こころと同じような境遇の中学生7人がいたのだった。城の中で、こころ達にはある課題が出されるのだったが——。

オススメのポイント!

本作は、ファンタジーのようでありミステリのようであり、群像劇のようでもある、さまざまな「カオ」を持った作品です。読み進めるうちに、本作に対するイメージはどんどん変わっていきます。読後には、きっと「読んで良かった」と思えるはず。感動するお話を読みたいときは、ぜひ本作を手に取ってみてください。

辻村深月さんの作品一覧

中学生のあの頃、この本に出会っていたら、、と思わずにはいられない。帯の「あなたを助けたい」の一文に物語のすべてが詰まっている。どうか一人でも多くの子供の手にこの物語が届きますように。目の前の世界が唯一であると絶望を感じたあの頃。そんな時期を乗り越え大人になった私たちの心にもきっと温かく広がる物語。やっぱり私は辻村深月さんの物語が本当に好きだ。いやそれにしても、もっとじっくり読みたかったのに、一気に読んでしまった。後日ゆっくり丁寧に読み直したい。

aaaiiiaaa713さんのレビュー

2.『ナミヤ雑貨店の奇蹟』疲れた心にそっと寄り添ってくれる物語

大人気作家・東野圭吾さんによる、心に響く長編小説です。2012年に角川書店より刊行され、第7回中央公論文芸賞を受賞しました。2013年から2017年の間に3度舞台化され、2017年には日本と中国で映画化もされています。日本での映画版は山田涼介さんが主演を務めました。

東野圭吾さん『ナミヤ雑貨店の奇蹟
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あらすじ

悪事を働いた少年3人が偶然足を踏み入れたのは、あらゆる悩み相談に乗る不思議な雑貨店だった。廃業したはずの雑貨店に悩み相談の手紙が届いた。少年たちは勢いで悩み相談に乗ることを決め、不在の店主に代わって謎めいた手紙交換を始めるのだった。時空を超えた手紙によって、少年たちと雑貨店の不思議な共通点が明らかになっていく——。

オススメのポイント!

本作の魅力は、「不思議な雑貨店」と「手紙」です。近年はメールやSNSで人とやり取りすることが増えていますが、本作では「手紙」でのやり取りが重要な意味を持ちます。手紙を書く楽しさ、返事を待つもどかしさなど、アナログなやり取りならではの魅力を疑似体験できる作品です。出会いと別れの切なさ、人と人とのつながりの温かみを感じられる作品でもあります。

東野圭吾さんの作品一覧

短編のようで少しずつ繋がっている感じ、とてもよかったです。
最後に全部が繋がってスッとする。
さすが東野圭吾さんって感じ。
どの話も心があったかくなるような、読んで満足って思える本でした。

ask♔✧˖°さんのレビュー

3.『旅猫リポート』猫好きは号泣必至。猫好きでなくても号泣必至。

『図書館戦争』『三匹のおっさん』などで知られる人気作家・有川浩さんによる、心に響く長編小説です。2012年に文芸春秋社から刊行されました。第34回吉川英治文学新人賞および第26回山本周五郎賞の候補作に選ばれています。2014年には絵本化もされました。

有川浩さん『旅猫リポート
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あらすじ

子供の頃から引越しを繰り返してきたサトルの相棒は猫のナナ。とある理由でナナを手放さなければならなくなってしまったサトルは、ナナの引き取り手を探すため懐かしい人々を訪ねる旅に出る。それはサトルの生きてきた道を行く先々で再確認する旅でもあった——。波乱万丈な過去の秘密を抱えたサトルと相棒のナナの最後の旅の物語。

オススメのポイント!

主人公のサトルとナナの絆の深さに感動必至です。また、2人が旅する中で目にする美しい風景や優しい人々との出会いも、本作の魅力の一つだといえます。2人と一緒に旅している気持ちになれるので、なかなか外出できないときにもおすすめの作品です。互いを想い合う2人のやり取りに心が暖かくなること間違いなしです。ぜひ手に取ってみてください。

有川浩さんの作品一覧

『旅猫リポート』 2018年福士蒼汰さん主演で映画化

 一人と一匹が旅をしながら出会う美しい景色と、かつて知り合った懐かしい人々。限りある人生の中で、大好きなものとともに過ごす日々。たどる思い出。素敵だった。

HNGSKさんのレビュー

4.『そして、星の輝く夜がくる』2つの震災を経験した教師の熱い物語

企業買収の世界を描いた『ハゲタカ』で鮮烈なデビューを果たした真山仁さんによる長編小説です。2015年に講談社から発刊されました。阪神・淡路大震災と東日本大震災をテーマに据えた物語でもあり、刊行後すぐから大きな話題を集めた作品です。

真山仁さん『そして、星の輝く夜がくる
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あらすじ

小野寺徹平は、東日本大震災で被災した東北の小学校に応援教師として赴任した。自身も阪神・淡路大震災で被災経験を持つ小野寺は、震災の爪痕が生々しく残る地で被災地が抱える問題と向き合うことになるのだった。6篇の物語を通して描かれる、被災地の厳しい現実とは——。

オススメのポイント!

2011年の3月11日を通して、今一度自分や大切な人のことを深く考える契機になる作品です。本作はフィクションですが、かなりリアルな描写によって被災地の生々しい様子が伝わってきます。テレビや新聞を通しては知ることのできない被災地の子供たちや学校の様子、被災地が抱える問題について考えさせられる注目すべき作品です。

真山仁さんの作品一覧

自分の被災体験を乗り越え、新たな場所で被災者達と向き合う小野寺先生。
色々な報道を見てはいても、実際に暮らす人、子供達の内情にはここまで気づけませんでした。
当事者であった方たちは、乗り越えたのではなく、その時の感情や思い出を否定せず折り合って生きている。
だからこそ、当事者ではなかった自分達は、忘れてはいけないのだと思います。

taikoさんのレビュー

5.『世界から猫が消えたなら』命と猫、あなたはどちらを選びますか?

LINE上で連載され、2012年にマガジンハウスから単行本化された作品です。2013年にラジオドラマ化、2015年にマンガ化されています。2016年には佐藤健さん主演で映画化されました。中国・台湾・韓国でも翻訳され出版されています。

川村元気さん『世界から猫が消えたなら
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あらすじ

ある日、郵便局員の「僕」のもとに姿かたちがそっくりな「悪魔」がやって来た。悪魔は「僕」の余命がわずかであることを告げ、寿命を1日延ばす代わりに世界から何か一つ消し去ることを提案する。悪魔と取引し、電話や映画など身の回りの物を消すことで1日生き延びる「僕」。数日後、悪魔から猫を消すことを提案された「僕」は飼い猫の「キャベツ」のためにある決断をして——。

オススメのポイント!

「世界から猫がいなくなったとしたら」という設定がユニークな作品です。自分だったらどうするか、猫だけでなく電話や映画がこの世界から消えてしまったらどんな世界になるか、想像が膨らみます。また、猫の「キャベツ」のキャラクターがとてもいい味を出しているので、ぜひ注目してみてください。

川村元気さんの作品一覧

世界から1つ何かを消すと1日寿命を延ばすことができるというお話。
世界から電話が消えたなら
世界から映画が、時計が、猫が、僕が消えたなら。
考えたこともなかったのでとても新鮮でおもしろかった。
電話や時計のない世界ってどんなのだろうと
想像すると不思議な気持ちになった。

nogisanさんのレビュー

一度読んだら忘れられない感動作10選は後編に続きます。嬉しい気持ちになって涙が出たり、切なさに涙がこぼれたり……。今回ご紹介した5作品は、どれも涙腺を刺激する名作ばかりです。心に響く物語たちと共に、思いっきり泣いてみませんか?