ブクログユーザーから高評価!どんでん返しが見事な小説5選!

こんにちは、ブクログ通信です。

ブクログのみなさんに人気の「どんでん返しが見事な」小説5作を紹介いたします。多数の作品の中から、ブクログユーザーから高い評価を受けている作品や、読みやすい作品、知名度の高い作品を中心に集めました。ぜひ参考にしてくださいね。

1.殊能将之『ハサミ男』美少女を殺害したのは誰だ!?メフィスト賞受賞のデビュー作

1999年に第13回メフィスト賞を受賞したデビュー作です。同年、「このミステリーがすごい!」第9位にランクインしています。2002年には文庫化され、2005年には豊川悦司さん・麻生久美子さん主演で映画化されました。デビュー作にして代表作でもある作品です。

殊能将之さん『ハサミ男
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あらすじ

舞台は2003年の東京。二人の女子高生が喉にハサミを突き立てられ、殺害される事件が起こり、マスコミは犯人を猟奇殺人犯「ハサミ男」と命名。一方のハサミ男は、三番目の犠牲者となる美少女に目をつけ、綿密な調査を行っていた。しかし、自分の手口に似せて殺された美少女の死体を発見することに……!なぜこの少女は殺されたのか、偽ハサミ男はいったい誰なのか。ハサミ男は調査に踏み出す。

オススメのポイント!

猟奇殺人犯が自分の模倣犯に先を越されるという設定にまず驚かされますが、後半にたたみかけるどんでん返しには一杯どころか何杯も食わされます。警察によるハサミ男の追跡と、ハサミ男による偽ハサミ男の追跡が交互に語られ、両者がときおり交差しながら真実に近づいていく描写にハラハラします。ラスト一行で読者をぞくりとさせる、神経の通った構成力には脱帽です。

殊能将之さんの作品一覧

脳天にハサミが突き刺さるほどの衝撃。二度目の読了ながら、忘れていたこの感覚。
未読かつネタバレを食らっていない幸せものは、今すぐ読むことをオススメします。

サラかえでさんのレビュー

2.歌野晶午『葉桜の季節に君を想うということ』2004年にミステリー賞を総なめした推理恋愛小説!

2003年発行。第57回推理作家協会賞、第4回本格ミステリ大賞を受賞したほか、このミステリーがすごい!2004年版で第1位、本格ミステリベスト10で第1位と、あらゆる賞を総なめにしました。2007年に文庫化しています。

歌野晶午さん『葉桜の季節に君を想うということ
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あらすじ

自称「何でもやってやろう屋」の成瀬将虎は、フィットネスクラブ仲間である久高愛子から相談を受ける。愛子は、轢き逃げに遭った身内が、悪徳商法業者に保険金をかけられて殺されたのではないかと考えており、その証拠を将虎に掴んでほしいというのだ。そんな折、将虎は、地下鉄で飛び込み自殺を図った女性・麻宮さくらを助け、いつしか恋に落ちる。保険金殺人と偶然から始まった恋愛が思わぬ結末を呼ぶ!

オススメのポイント!

嘘には『つくことで誰かを救う嘘』と、『誰かから何かを奪う嘘』の二種類があるということが、この本を読むとわかります。人生訓のような深みを帯びながらも説教くさくならないのは、主人公・将虎の波瀾万丈な生き様に読者が魅せられるからにほかなりません。そして何よりも、読むうちに読者自身がまんまと騙され、二度読みすると騙されたことが快感になっていきます。「小説」でしかなし得ない驚きを、ぜひ味わってみてください。

歌野晶午さんの作品一覧

この本を読んで、自分は本に騙されるのが好きなんだなぁ〜と再確認しました。
違和感を覚えぬ自分が悔しく、同時に一冊の本を最大限に楽しめる自分が誇らしいです。

あぐぐうぇさんのレビュー

3.綾辻行人『十角館の殺人』新本格ミステリーはここから始まった!

1987年刊行、1991年に文庫化し、2007年に新装改訂版として再文庫化。累計発行部数は100万部を超え、綾辻さんのデビュー作かつ代表作です。この作品から始まる「館シリーズ」は二作目の帯から「新本格」というキャッチフレーズがつくようになり、本作品をきっかけに本格ミステリ界では、「綾辻以降」という言葉が聞かれるようにもなるほど、業界にも衝撃を与えた一作となっています。

綾辻行人さん『十角館の殺人
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あらすじ

1985年9月、九州の孤島「角島」で、凄惨な四重殺人が起きた。その半年後、大分県K**大学のミステリ研究会に所属する七人の学生が角島を訪れ、島に唯一残る奇妙な建築物「十角館」で一週間を過ごす。有名な推理作家にちなんだニックネームを持つ七人は初めこそ小説の中に入りこんだような気分で楽しんでいたが、彼らを待ち受けていたのは恐ろしい連続殺人の罠だった……!

オススメのポイント!

殺人事件の起きた島が舞台になっており、初めから物々しい空気が漂っています。なぜこれらの事件は起きてしまったのか、犯人は誰なのか。どの登場人物も等しく疑わしいのですが、たった一文が全てを覆し、急展開を迎えます。犯人捜しが得意なミステリファンにこそ読んでほしい、推理小説ファンが避けては通れない一作です。

綾辻行人さんの作品一覧

何度も新鮮な気持ちで読めるミステリって貴重だと思う。
真っ向から読者に勝負してくる。
ぐんぐんストレートで攻めてくる本格ミステリ。

地球っこさんのレビュー

4.道尾秀介『カラスの親指 by rule of CROW’s thumb』直木賞作家が描く推理小説!あなたは何回騙される!?

2007年、小説誌『メフィスト』に初出、2008年に単行本として刊行。2011年に文庫化。著者が初めて直木賞(第140回)の候補に選ばれた際の作品であり、第30回吉川英治文学新人賞候補、第62回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)を受賞しています。また、2012年には阿部寛さん主演で映画化もされました。

道尾秀介さん『カラスの親指 by rule of CROW’s thumb
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あらすじ

家族を失い詐欺で生計を立てているタケは、相棒であるテツと寝食をともにしている。ある日、スリに失敗した少女・まひろを見かねて救い出したことがきっかけで、まひろとその姉・やひろ、やひろの恋人・貫太郎を同居させることに。共同生活は不思議と穏やかに過ぎていたが、過去の暗い影が徐々に彼らを追い詰めていく。立ち向かう五人の仕掛ける大がかりなペテンとその結末は——。

オススメのポイント!

マトリョーシカのように何重にも仕掛けがあり、騙されるたびにだんだんと気持ちよくなる、爽やかさを持った作品です。詐欺という社会悪的な職業を扱ってはいますが、登場人物たちのヒューマンドラマがきちんと描かれているため、最後には人のあたたかさで胸がいっぱいになります。いったい自分はどこから騙されていたのか?二度読み必至のどんでん返しが待ち受けています。

道尾秀介さんの作品一覧

物語として面白い。ヒューマンドラマとして面白い。ミステリーとして面白い。登場人物のドラマが面白い。心地よく騙されるってあるんだなあと思える一冊。偽物の物語だって人の為になることがある。

nasunonasuoさんのレビュー

5.我孫子武丸『殺戮にいたる病』サイコ・キラーの毒牙にかかった女性たちの共通項は——

1992年に刊行され、1994年、1996年にそれぞれ文庫化。2017年には新装版として再文庫化されました。1992年にこのミステリーがすごい!にノミネートされ、我孫子さんの代表作として知られています。

我孫子武丸さん『殺戮にいたる病
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あらすじ

永遠の愛をつかむため、蒲生稔は東京の繁華街で殺人を繰り返した。被害者の一人である島木敏子の妹・かおるは、元刑事である樋口とともに犯人捜しを始める。敏子とよく似た顔立ちをしているかおるは、姉に扮し、犯人の囮となることを決意するが……。殺戮の描写や犯人が性的倒錯に陥った過去が生々しい、重厚感のある推理小説。

オススメのポイント!

「エピローグ」という章から始まるこの作品は、犯人が誰かを推理することもなく、名前までわかっており、逮捕されることまで決まっているにも関わらず、最後には唖然とさせられます。ミスリードされたまま築きあげた世界が読者の中で崩壊するとき、そこにはある種の深い快感が与えられます。

我孫子武丸さんの作品一覧

一気に読んでも疲れないほど虜にさせられる。
そして、最後の衝撃!最後の一文で見事に雷が落ちた!
初めて「もう一度読まなければ!」と思った。
細部に散りばめられた伏線(もはや伏線どころじゃない)を2度目ならではの別視点で読む爽快感。

カエルとカバさんのレビュー

さまざまな推理小説があるなかで、今回は特にどんでん返しが見事な小説5作を紹介しました。上記5作を出発点に、叙述トリックやギミックが効いた推理小説を読み進めてみてはいかがでしょうか。