初恋を思い出す、胸キュン必至な恋愛小説10選!前編〜甘酸っぱく、ときにほろ苦い恋物語〜

こんにちは、ブクログ通信です。

初恋は甘酸っぱく、ときにほろ苦い思い出として今も胸に残っているという人は多いのではないでしょうか。誰かを好きになると、何気ない日常に胸がキュンとしたり、切なくなったりしますよね。現在恋をしている人も、しばらく恋をしていない人も、読書ならではの恋愛体験をしてみませんか?

ブクログから胸キュン必至なオススメ恋愛小説を10作品、前編5作品、後編5作品で紹介いたします。ブクログのみなさんから高い評価を受けている作品を中心に、人気作や映像化作品などを集めました。どの作品も甘酸っぱい初恋の気持ちを思い出させる名作ばかりです。恋愛小説を読みたい気分の日には、ぜひチェックしてみてくださいね。

1.『百瀬、こっちを向いて』 切なさ100%の、偽りの関係で始まった恋

百瀬、こっちを向いて。 (祥伝社文庫)
中田永一さん『百瀬、こっちを向いて。 (祥伝社文庫)
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あらすじ

「人間レベル2」の僕は、教室の片隅で薄暗い電球のように生きている。目立たず、騒がず、誰にも迷惑をかけてはいけないと思っていた。ある日、崇拝する先輩に頼まれ百瀬という美少女と付き合っているふりをすることになる。冴えない僕と、勝気な百瀬。偽の関係で始まった2人だったけど、いつしかある感情が芽生えて——。表題作他3篇を含む、爽やかな恋愛短編集。

オススメのポイント!

表題作『百瀬、こっちを向いて。』は甘酸っぱさもほろ苦さもせつなさも、初恋を取り巻く感情を全部入れ込んだようなラブ・ストーリーです。学生時代ならではの、もどかしく不安定な恋が鮮やかに描かれています。きっと誰もが、自分の初恋や学生時代好きだった人のことを思い出し、身悶えしてしまうはず。表題作以外の物語もどれも純度が高く、胸キュン度の強めのラブ・ストーリーとなっています。表題作は2014年に映画化され、百瀬役を早見あかりさんが好演したことで話題となりました。

中田永一さんの作品一覧

どの作品も読み進めるうちになんとなく結末が想像出来るものの、それがつまらないのではなくかえって安心感を与えてくれる様な、読み手の感情をいい意味で裏切らず、
切なくて甘酸っぱい、でもホロリとくる様な、それでいて読後はとても爽やかな気持ちになれる一冊でした。
表題作の「百瀬、こっちを向いて。」
このフレーズがとても優しく感じられて、読後とても好きになりました。

yumiさんのレビュー

2.『トーキョー・クロスロード』坪田譲治文学賞受賞作!都会の真ん中で交錯する恋模様

トーキョー・クロスロード (ポプラ文庫ピュアフル)
濱野京子さん『トーキョー・クロスロード (ポプラ文庫ピュアフル)
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あらすじ

女子高生の森下栞は、学校では優等生で通っている。そんな栞の趣味は、休日に変装してダーツが当たった山の手線の駅に降りてみることだ。別人になりすまし、見知らぬ街に降りるスリルを楽しんでいた栞は、ある日、中学の同級生・耕也と再会する。なぜか縁の切れない耕也のことが少しずつ気になっていく栞だったが、なかなか素直になれなくて——。東京のさまざまな景色の中で淡く描かれる、ある高校生の恋模様。

オススメのポイント!

女子高生のとある恋を描いた小説ですが、誰もが自分の青春時代を思い出すような甘く切なくほろ苦い空気感が魅力の作品です。優等生という周囲からのイメージを維持しつつも、誰も知らない本当の自分でありたいと葛藤する栞の姿に、高校生の頃の自分を重ねてしまう人も少なくないはず。高校生の不器用で不格好な恋模様は胸キュン必至です。第25回坪田譲治文学賞受賞作。新海誠監督による解説もみどころの1つです。

濱野京子さんの作品一覧

そこはかとなく悲しい、孤独感。言えなくて伝えられなくて自分の中だけに閉じ込めてしまう想い。わかるような気がする。主人公と年齢が近いからこそこう思ったのかもしれない。何度も胸がきゅうっとなるような切なさやもどかしさに共感した。出会いは一期一会かもしれないけれど、やはり縁というものは存在しているのかもしれない。とても頼りない繋がりに思えるそれが大きな引力になっているのかもしれない。そんなことを考えさせられた作品でした。

玲来さんのレビュー

3.『黄色い目の魚』 恋と闘志と、不安定な未来と。純度高めの青春恋物語

黄色い目の魚 (新潮文庫)
佐藤多佳子さん『黄色い目の魚 (新潮文庫)
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あらすじ

絵を見ることが大好きで、イラストレーターの叔父にしか心を許していない村田みのり。絵を描くことは好きだが、絵に対して真剣になれないサッカー部員の木島悟。2人は、海辺の高校で出会った。悟は美術の授業のデッサンをしたとき以来、気づけばみのりを目で追っている。でも、これは恋じゃない。友情でもない。少しずつ近づいていく2人の距離は、なんと名付ければいいのか——。

オススメのポイント!

好きなものにまっすぐに向き合うことができない悟の葛藤と、自分らしく生きることが難しいみのりの不器用さに、もどかしく切ない気持ちになること間違いなしの青春小説です。自分のことで精一杯だった2人が、互いを知り少しずつ心通わせていく様子に、きっと誰もが胸がキュンとなるはず。心の奥をひっかくような繊細でみずみずしい描写によって、人を好きになることの楽しさ、哀しさが巧みに描き出されている秀逸な恋愛小説でもあります。かつて青春時代を過ごした人も、これから青春という人も、ぜひ一度手に取ってほしい感動作です。

佐藤多佳子さんの作品一覧

これは私が一番大好きな作品です。何回も読み直してボロボロになりました(笑)似てるようでどっか違う2人。生き辛さをかんじながらも、お互いに影響をし合い、惹かれあい、大人になっていく2人がとても愛おしく思いました。みのりのような友達を、木村のような恋人を青春時代に欲しかったなと思う作品でした。本当に素敵な作品です。全力でお勧めします。

zombiさんのレビュー

4.『夜は短し歩けよ乙女』 山本周五郎賞受賞作!森見登美彦さんが贈る珠玉の恋物語


夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)
森見登美彦さん『夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)
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あらすじ

「黒髪の乙女」に恋をした「先輩」は、何とかして彼女の目に留まろうと、京都の町を縦横無尽に駆け回る。夜の先斗町、下鴨神社の古本市、大学の学園祭……彼女の姿を追い求め、「先輩」は今日も町を行く。しかし、そんな想いに気が付かない「黒髪の乙女」はこう言うばかりなのだった——「奇遇ですねえ!」。そんな2人の周りには、個性的な友人たちと珍妙な事件の数々が待ち受けているのだった……。

オススメのポイント!

京都の町を舞台に巻き起こる、ファンタジックなラブコメディ小説です。森見登美彦さんならではの、夢とも現実ともつかない世界観が魅力で、登場人物が個性豊かで惹き込まれます。特にヒロインの「黒髪の乙女」は一見不思議な雰囲気の女の子ですが、純粋で無邪気で時にしたたかという、なんとも魅了的な人物です。「先輩」の回りくどい恋がどんな結末を迎えるのか、胸キュンしたりハラハラしたりしながら楽しめるのが本作の醍醐味でもあります。山本周五郎賞を受賞、本屋大賞では第2位にも選ばれた注目作品です。

森見登美彦さんの作品一覧

読み終わって、とても寂しい気持ちになりました。
本を読み進めながら、この本をずっと読んでいたい、読み終えたくない、と強く思うようになっていったからです。黒髪の少女の可愛らしい口調や、物語に出てくるキャラクターたちの個性にどんどん魅了されていきました。
しまいには、先輩と一緒に、黒髪の少女に恋してしまう勢いでハマっていきました。
先輩の恋を応援しながら読み進めていくと本当に楽しかったです。
このお話に展開されてゆく世界がとても魅力的でした。文字だけで、その景色がどれほど美しいものなのか、彼らにどんな印象を与えているのかがはっきりわかり、ゾクゾク、ドキドキしながら読み進めることができました。

受験生Darrenさんのレビュー

5.『クジラの彼』 甘酸っぱい恋の気持ちをたっぷり味わいたい人に!

クジラの彼 (角川文庫)
有川浩さん『クジラの彼 (角川文庫)
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あらすじ

聡子のもとにメールが届いた。2か月ぶりの彼からのメールだ。「元気ですか?浮上したら漁火がきれいだったので送ります」——こんなそっけない文面を送ってきたのは、「クジラの彼」こと冬原だった。冬原は潜水艦乗りだから、いつ出かけていつ帰ってくるかはわからない。聡子と冬原の間には、いつも7つの海が横たわっている。表題作『クジラの彼』ほか5つの短編を収めた、自衛隊員との恋愛小説短編集。

オススメのポイント!

ラブ・ストーリーの名手として知られる有川浩さんが贈る、激甘胸キュン短編集です。とにかくキュンキュンしたい!甘酸っぱい恋模様を疑似体験したい!といったときにおすすめの1冊だといえます。本作には6つの短編が収められていますが、どの作品でも自衛隊員との簡単にはいかない恋模様が胸キュン要素多めに描かれているのが魅力です。「会いたいけど会えない」「次にいつ会えるかわからない」といった切ない気持ち、久しぶりに会えた時の幸福な気持ち、人を好きになる楽しさが味わえます。

有川浩さんの作品一覧

すごくホッコリしていた様で、すごく緊張した様で、なんだか一緒になって恋愛した気分になっちゃいました。人を好きになると色んな感情が絡み合います、それを本でここまで直に感じたのは初めてです。

ktaropiacereさんのレビュー

楽しい胸キュン、切ない胸キュン、恋にはさまざまな気持ちが付きものです。ここでご紹介した作品は恋愛中の複雑な気持ちを疑似体験させてくれる傑作ばかりなので、ぜひ気になる1冊を探してみてくださいね!後編5作品もキュンキュンする小説が目白押しです。おたのしみに!