小川糸さんオススメ5選!〜料理の描写が魅力的な本屋大賞ノミネート作家〜

こんにちは、ブクログ通信です。

2017年に『ツバキ文具店』、2018年には続編となる『キラキラ共和国』で2年続けて本屋大賞にノミネートされ、小説だけでなく絵本や日記エッセイなども手がける小川糸さん。『食堂かたつむり』は82万部を超えるベストセラーとなり、映画化も果たしました。大賞発表前ですが、2020年の本屋大賞には最新作である『ライオンのおやつ』がノミネートされています。
ブクログから小川さんの代表作・オススメ作を5作紹介いたします。多数の作品の中から、ブクログユーザーから高い評価を受けている作品、読みやすい作品、知名度のある作品を中心に集めました。ぜひ参考にしてくださいね。

『経歴:小川糸(おがわ いと)』

1.『食堂かたつむり』世界で文学賞を受賞したベストセラー小説

2008年に刊行され、同年「第7回輝く!ブランチBOOK大賞」の新人賞を受賞。2010年には柴咲コウさん主演で映画公開されました。2011年にはイタリアの本屋大賞にあたるバンカレッラ賞の料理部門賞を受賞。2013年には女性が著者の優れた料理本から選ばれる、フランスのウジェニー・ブラジエ小説賞を受賞。小川糸さんの代表作と言える作品です。

小川糸さん『([お]5-1)食堂かたつむり (ポプラ文庫)
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あらすじ

同棲していた恋人に家財道具一式を持ち逃げされた倫子は、そのショックから声が出なくなってしまう。祖母から受け継いだぬか床のほか、あらゆるものを失った倫子はふるさとへ戻った。そして、折り合いの悪い「おかん」に頭を下げ、物置小屋と開店資金を借りて食堂を開くことを決める。メニューもなく、一日一組限定でオープンする食堂かたつむりには、噂を聞きつけた人々が徐々に来店するようになっていくがー。

オススメのポイント!

料理の描写がどれも秀逸で、「食べてみたい!」と思わせる作品です。食べるものを通して自分が今、生かされていることや、生きるとはどういうことなのかを考えさせられる場面も多く、ただの料理小説で終わらないところも魅力でしょう。小川さんの作品に通底している「生きる」ことや「家族愛」を感じる一作です。

食べ物への真摯な姿勢 料理に対する厳しさ 食べる人への愛情 溢れるほどの想いが詰まったお話でした。自分料理がほんっとに苦手なのですが 誰かに食べてもらいたいという想いが湧き上がってきたら料理上手になれるのかなとw自分の心も解きほぐしてもらいに 食堂かたつむりにいきたいです。

タナトスさんのレビュー

2.『つるかめ助産院』妊婦さん=命を「育む人」!命の尊さを描いた感動物語

2010年に発表。2012年には文庫化され、同年8月から10月にかけてNHK総合「ドラマ10」枠でドラマ化。仲里依紗さんが主演を務め、主題歌にはポルノグラフィティの楽曲が使用されました。

小川糸さん『つるかめ助産院 (集英社文庫)
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あらすじ

失踪した夫を探すため、まりあは二人の思い出の地である、ハートの形をした南の島を訪れる。しかし、島で出会った助産院を営む女性・鶴田亀子から想定していなかった妊娠を告げられ、戸惑ってしまう。つるかめ助産院に集う個性豊かな仲間たちに見守られながら、まりあは過去の苦しみと向き合い、孤独だった自分と決別していく。

オススメのポイント!

出産という「生」の神秘をテーマに扱った作品でありながら、書き口がやわらかいのでとても読みやすい小説です。産む場所は自分で決める、パパイヤは木から採ってくるといった、つるかめ助産院の自由さに憧れを抱く人も多いでしょう。生い立ちに苦しめられたり、大きな悩みを抱えているのは自分だけではなく、生まれてきたことをよかったと思える一冊です。

登場人物がみんな素敵!
みんなそれぞれに辛い過去がある。
でとみんなで美味しいご飯をしっかり食べて、朝は浜で体を動かして日光浴して、1日よく働いて。。
そうしていると、身体も心も元気になるんだろうなぁ。

マミピグさんのレビュー

3.『あつあつを召し上がれ』忘れられない味がある!運命の食卓を描く7つの短編集

隔月刊誌『旅』での連載を経て、2011年に刊行。2014年に文庫化。小川さんの初の短編小説集です。通勤通学でも読みやすい分量のため、読書時間が多く取れない方や、小川さんの本を初めて手に取る方にも読んでもらいたい一冊です。

小川糸さん『あつあつを召し上がれ (新潮文庫)
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あらすじ

認知症が進み食事を口にしないバーバが食べたいといったもの。四十九日に、秋田生まれの父にとってのソウルフードであるきりたんぽを作る母娘。10年以上交際を続けた恋人との別れの旅行で食べた松茸の朝食。食卓を通して描かれる人間ドラマに、時に切なく、時に胸が熱くなる7つの短編。

オススメのポイント!

小川さんは7編すべてに通じるテーマを「最後の食卓」とインタビューで語っています。恋人からプロポーズされたり、大切な人が亡くなったときであっても、人はかならずご飯を食べます。人生の節目に食べたご飯の味がいつまでも忘れられない、ということは誰しも一度は経験があるのではないかと思います。読みながら、自分にとっての忘れられない味を思い出してみるのはいかがでしょうか。

温かい物語だった。番外編まで温かくて、主人公は本当に訪れる人たちがどんな人でも精一杯もてなすというのがとても伝わってくる。お店を営業する人は当たり前なのかもしれないけれど、その当たり前のことが伝わってくるのがひたすらに温かいと感じた。終盤の母親とのやり取りは見事に涙ぐんだ。いい意味でずるいなと、読んで良かったなとそう思える一冊だった。

naokinaokaさんのレビュー

4.『ツバキ文具店』NHKドラマ化した本屋大賞ノミネート作

季刊文芸誌「GINGER L.」での連載を経て、2016年刊行。2017年の本屋大賞にノミネートされ、第4位受賞。同年4月から5月にかけ、NHKラジオ第1「新日曜名作座」でラジオドラマ化。同4月から6月にかけ、NHK総合「ドラマ10」にてテレビドラマ化。テレビドラマではタイトルを『ツバキ文具店~鎌倉代書屋物語~』とし、多部未華子さんが主演、主題歌を絢香さんが務めました。2018年文庫化。

小川糸さん『ツバキ文具店 (幻冬舎文庫)
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あらすじ

鎌倉で文具店を営むかたわら、江戸時代から続くとされる代書屋の11代目として手紙の代書を請け負うポッポちゃんこと雨宮鳩子。鳩子のもとには借金の断り状や絶縁状、天国からの手紙など、無理難題が次々と舞い込む。依頼者が自分では伝えきれない想いに寄り添いながら代書するなかで、鳩子自身も仲違いしたまま死に別れた祖母への想いに気づいていく。

オススメのポイント!

お隣に住むバーバラ婦人や、いつも着物姿で歩いている男爵など、会ってみたくなるような人物がたくさん登場し、鎌倉の町を賑やかに彩ります。代書仕事では紙や筆記具にこだわっており、文房具好きにはたまりません。文庫版のページ下部にあるパラパラ漫画も魅力。続編である『キラキラ共和国』や、『ツバキ文具店』に登場する料理をめぐるエッセイ『ツバキ文具店の鎌倉案内』もあわせて一読ください。

久々に「すごく素敵な本に出会った」と心から思った。
読み終わった後、自然と「ありがとう」という言葉が口から零れた。
読めば読むほど、自然と心が温かく、柔らかくなる物語でした。
鎌倉に住むポッポちゃんと、それを囲む人々か温かくて優しい。陽だまりに包まれているような幸せな気持ちになりました。

せんばあさんのレビュー

5.『ライオンのおやつ』真骨頂!「死」に向き合う、本屋大賞ノミネート作

2019年に刊行。業界・世間ともに注目度を高めている書店員・新井見枝香さんが個人的に推したい本を選出する「新井賞」の2019年下半期作品に選ばれました。現在、2020年本屋大賞にノミネートされ、発表待ちです。発売より2ヶ月と経たずに6万部、2020年1月現在で12万部を突破し、話題の一作となっています。

小川糸さん『ライオンのおやつ
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あらすじ

齢33歳にして余命宣告を受けた雫は、瀬戸内の島にあるホスピス「ライオンの家」を終の棲家に決める。ライオンの家では毎週日曜日、「おやつの時間」が開かれている。そこで出されるのは、入居者がもう一度食べたい思い出のおやつだった。雫はリクエストを出したいと思いながらも、なかなか「最後に食べたいおやつ」を選べずにいて……。

オススメのポイント!

『つるかめ助産院』が「生」の神秘を扱った作品であるならば、『ライオンのおやつ』は「死」の神秘に真正面から向き合った作品です。生と死とは対極ではなく、背中合わせであり、どちらからドアを開けるかの違いであるという、小川さんの死生観が色濃く表れています。「死」に対するイメージががらりと変わり、今あることに大きな感謝を覚えます。

瀬戸内海に浮かぶ小島。四方を美しく穏やかな海に囲まれ、レモン畑や葡萄畑が沢山ある。空気はどこまでも澄んでおり、太陽の陽が優しい。ライオンの家と言う名のホスピス。主人公の若い女性は末期癌。全て後始末してやって来た、小川糸さんの繊細で優しい文章。まるでこの穏やかな瀬戸内海の小島にいるかのようで心地よい。後半は迂闊にもカフェでボロボロ泣いてしまった。しかし読後の胸に去来するのは切なさや悲しみと言うよりむしろ「受け止めた」と言う穏やかな気持ち。誰にでも等しく訪れる死。願わくば自分も静かに受け止めて旅立って行きたい。

kanegon69さんのレビュー

小川さんの作品にはいつも人のあたたかさを感じる料理が登場します。出産や死など、人生の中で避けては通れないテーマが書かれているため、読む人を選びません。上記5作を参考に、小川さんの作品を手に取ってみてくださいね。