極上のどんでん返しを味わいたい人に!中山七里さんオススメ7選!

こんにちは、ブクログ通信です。

『このミステリーがすごい!』大賞受賞作の『さよならドビュッシー』で、衝撃のデビューを飾った中山七里さん。卓越した表現力と、読者を欺く見事などんでん返しが魅力の人気作家です。『さよならドビュッシー』をはじめとする「岬洋介シリーズ」や、『贖罪の奏鳴曲』に代表される「御子柴礼司シリーズ」など、多くの人気連作も生み出しています。作品はメディアミックス化が続き、今注目の作家の一人です。
ブクログから中山さんの代表作・オススメ作を7作紹介いたします。ブクログのみなさんから、高い評価を受けている作品、読みやすい作品、知名度のある作品を中心に集めました。ぜひ参考にしてくださいね。

経歴:中山七里(なかやま しちり)

1961年生まれ、岐阜県出身。男性。幼少の頃から読書が趣味で、高校時代から執筆を開始。花園大学文学部国文学科在学中に江戸川乱歩賞に応募したこともあった。
就職後は執筆から離れていたが、島田荘司を生で見た体験から執筆活動を再開。2009年、第8回『このミステリーがすごい!』大賞で『さよならドビュッシー』と『災厄の季節』の2作が最終選考にダブルエントリーされ、前者で大賞を獲得して48歳で小説家デビュー。後者も、「読みたい!」との声が続出したため、『連続殺人鬼カエル男』と改題し、2011年に文庫本として出版される事となった。
代表作に『さよならドビュッシー』などの「岬洋介シリーズ」、『贖罪の奏鳴曲』にはじまる「御子柴礼司シリーズ」。多くの作品が映画・テレビドラマ化されている。

中山七里さんの作品一覧

1.『さよならドビュッシー』美しい旋律と謎を味わう骨太ミステリー

2009年に第8回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、選考委員からも絶賛された作品です。中山さん初の単行本として刊行され、売り上げは25万部を突破し大きな注目を浴びました。2013年に映画化、2016年にテレビドラマ化されています。

中山七里さん『さよならドビュッシー (宝島社文庫)
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あらすじ

ピアニストを目指す女子高生の香月遥は、裕福な家で何不自由なく暮らしていた。ある日、遥は祖父・従妹と共に火事に巻き込まれ、全身やけどを負いつつもただ一人生き残る。逆境の中ピアニストになることを誓いリハビリに励む遥は、祖父の遺言により莫大な遺産を受け継ぐことになった。身の回りで次々と不吉な出来事が起こり、命の危険も感じる遥。ついには殺人事件に巻き込まれて―。

オススメのポイント!

まるでコンサート会場にいるかのように、ピアノの調べが頭の中に響いてくる作品です。クラシックは苦手という人も本作を通じて興味が湧いてくるでしょう。一見、逆境に挫けない主人公のシンデレラストーリーのように思えるのが本作の怖いところです。ページをめくるほどに物語の色合いは変化し、いつの間にか謎に絡め取られてしまいます。本作を読み終わるとき、きっと強い衝撃を受けるはずです。

してやられた。「このミス」大賞なのだからミステリーにスポットが当たっているはずなのに、ピアノコンクールを目指す過程が壮絶でひきこまれ、そちらがメインに。心をぐーっと持っていかれながらもバックグラウンドで起こってくる事故、事件にちゃんと伏線が張ってあったりもしたのね。ラストで畳み掛けるような謎解き&大どんでん返しにほんとビックリ。ショックを受けながらも主人公の心情はいかばかりだったのかと改めて物語の深さを思い知った。何て奥深い作品。感動でいっぱい。

ゆうゆさんのレビュー(2019年10月11日)

2.『連続殺人鬼 カエル男』にあなたもきっと騙される!

2009年の第8回『このミステリーがすごい!』大賞において、『さよならドビュッシー』と共に最終選考にダブルエントリーされた作品です。受賞は逃したものの、読者からの要望で出版が決定した異色の作品でもあります。2020年にテレビドラマ化予定です。

中山七里さん『連続殺人鬼 カエル男 (宝島社文庫)
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あらすじ

マンションの13階からぶらさげられた女性の全裸死体が発見された。そばには稚拙な犯行声明文が残され、謎の人物「カエル男」による連続殺人事件が始まる。警察の捜査もむなしく第2、第3の犠牲者が発見された。恐怖に駆られた市民は暴動を起こし、警察署内は混乱を極める。「カエル男」は誰なのか、警察は彼を捕まえることができるのか―。

オススメのポイント!

障碍者による犯罪、精神鑑定、被害者の人権など、日本の司法が抱える問題に鋭く切り込んだ社会派ミステリー作品でとても読みごたえがあります。真犯人へ一歩ずつ近づいていく展開に心拍数は上がりっぱなしでスリル満点です。日本社会の在り方について考えさせられる作品でもあり、多くの人に読んでほしい作品だといえます。

中山七里さんは好んで何冊も読んできたけど、これは初期の傑作。『さよならドビュッシー』と同時に「このミス大賞」に応募され、最終選考に2作品同時に残ったという逸話付き。途中に散りばめられた描写から犯人を自分の中でも予想するけど、最後に大どんでん返しを食らわされる。これ、最近の作品よりもむしろ衝撃度大きくないか?というくらいに巧妙だ。ただ、残虐描写多目で、その手が好きじゃない人にはキツいのかもしれない。背後のテーマも重いけど、テーマ性より圧倒的なリーダビリティで大満足な一冊。

Taka@東南アジア暮らしさんのレビュー(2018年12月16日)

3.『贖罪の奏鳴曲』人気シリーズ第1作!一気読みすること必至

2011年に発行された、中山さん初のリーガル・サスペンス作品です。少年法の是非を問う内容や、障害者を持つ家族の知られざる実態を描いたことなどから話題となりました。メディアからの注目度も高く、2015年にWOWOWにて、2019年12月にはフジテレビ系列にて連続テレビドラマ化されています。

中山七里さん『贖罪の奏鳴曲 (講談社文庫)
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あらすじ

ある日、全裸の男性の死体が発見された。埼玉県警捜査一課の渡瀬と古手川和也は、死体の不審な点に気が付く。一方、悪辣弁護士として有名な御子柴礼司は、保険金目的の殺人事件で容疑者弁護を請け負っていた。やがて渡瀬らは弁護士・御子柴礼司を容疑者として疑うようになるが、御子柴には鉄壁のアリバイがあってー。

オススメのポイント!

この作品の醍醐味は悪辣弁護士・御子柴という存在です。恐ろしい過去を持ちながらも法の知識を蓄え、高い報酬と引き換えにどんな弁護も請け負う御子柴の生きざまには考えさせられることが多くあります。人間の恐ろしさ、美しさを嫌というほど見せつけられる傑作です。

『死体に触れるのは、これが二度目だった』衝撃のスタートと、続く驚くべき展開が待っている。一気読み必至の一冊です。御子柴礼司は、弁護士であるが、多額の報酬を要求する悪辣弁護士であった。今回、保険金殺人事件の再審の弁護で、誰もが有罪で揺るがない結果を、見事な論理展開で揺さぶりをかけます。二転三転する真実、本当の真犯人とは、誰なのか?

machinobuさんのレビュー(2019年8月15日)

4.『おやすみラフマニノフ』行間から音楽があふれ出すクラシックミステリー第2弾

2010年に発行された、『さよならドビュッシー』の続編で「岬洋介シリーズ」第2弾です。音楽大学のオーケストラを舞台に、プロを目指す学生たちの人間模様と葛藤を描いています。臨場感のある演奏シーンが絶賛され、多くの著名人からも熱く支持されている作品です。

中山七里さん『おやすみラフマニノフ (『このミス』大賞シリーズ)
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あらすじ

音大生の城戸晶は学内オーケストラの第一ヴァイオリンの主席奏者だ。プロへの足掛かりとなる定期演奏会を成功させるべく日々練習に励んでいる。しかし、時価2億円のチェロが保管室から盗み出され、学生たちの周囲でも不可解な出来事が起こり始めた。臨時講師の岬洋介と共に、晶は事件に巻き込まれていくー。

オススメのポイント!

中山さんの作品の中でも屈指の人気を誇るキャラクター・岬洋介が活躍する作品です。音大が舞台なので音大生たちの青春群像劇のような一面も楽しめます。夢を追う情熱、現実の厳しさ、音楽を志す者を待ち受ける道のりの険しさと栄光を疑似体験できる作品です。

「さよならドビュッシー」に続いての中山七里作品。岬洋介が探偵役の第2弾、今回は音大が舞台のミステリー。推理小説というより、青春音楽小説といっては、作者に失礼か。相変わらずの演奏時の、臨場感溢れる、豊饒な言葉の連続に、あたかもコンサート会場に居るかのような錯覚を、起こさせてくれる。未聴のラフマニノフを、聞いてみたくさせる。CDショップへ行こう(笑)

hongoh-遊民さんのレビュー(2013年8月2日)

5.『いつまでもショパン』ピアノ対テロリスト、その結末は?

2013年に発行された、「岬洋介シリーズ」の第3作です。シリーズ初の海外を舞台に、岬洋介の音楽家としての才能と探偵としての資質がいかんなく発揮されています。ショパン・コンクールの内情をつぶさに描き、テロと音楽という斬新な対比も見どころです。

中山七里さん『いつまでもショパン (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
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あらすじ

ピアニストとして優れた素質を持ちながらも、難聴を患うピアニストの岬洋介。ショパン・コンクールに出場するためポーランドに向かった岬は、会場で発生した殺人事件に巻き込まれてしまう。会場周辺ではテロも多発していた。岬は事件解決のため動き出すー。

オススメのポイント!

近年、世界的な問題となっている「テロ」と音楽を、意外な形で融合させた点が興味深い作品です。ショパンをはじめとする作曲家や数々の名曲を通じて、戦争の虚しさや暴力の悲しさを浮き彫りにしています。コンクールの描写と演奏シーンは圧巻で、壮大な映画を見たかのような読後感を味わえるはずです。

演奏している曲の解説の疾走感に圧倒されます。その曲がどのようなメロディなのか知らないのが残念。。。今度聴いてみようかなぁ。
コンクールの行方と、テロの犯人は誰なのかの謎。並行して進む展開で、どんどん続きを読みたくなる感じでした。

理想を追い続ける限り人は変わっていける。

もっと自分を好きになるべきです。

tomofuさんのレビュー(2019年6月24日)

6.『ヒポクラテスの誓い』法医学者の信念に心が揺さぶられること必至!

月刊小説誌『小説NON』に2014年2月号から11号まで連載され、加筆・訂正を経て単行本化されました。第5回日本医療小説大賞最終候補作となった、法医学ミステリーです。2016年にWOWOWにて北川景子さん主演でテレビドラマ化されています。

中山七里さん『ヒポクラテスの誓い
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あらすじ

浦和医大の研修医・栂野真琴は単位不足を補うため法医学教室へと足を踏み入れた。腕は一流だが人格に問題ありの光崎藤次郎教授、「死体好き」な外国人准教授のキャシーに導かれ、次第に法医学にのめりこむ真琴。遺体解剖を通じて、死者の隠された事実を明らかにしていくー。

オススメのポイント!

何の事件性もないと思われていた遺体から、意外な真実を解き明かしていく展開にぐっと引き込まれます。主人公を取り巻く人物のアクの強さと固い信念に、きっと心打たれるはず。普段なかなか注目を浴びることのない法医学の神髄に触れられるミステリーです。

ううん、面白い!解剖がテーマの本はこの本が初めてだけど、すごく面白かった。シリーズになってくれたら間違いなく読み続ける作品。

山崎ビスコさんのレビュー(2016年5月9日)

7.『総理にされた男』替え玉で国を背負った男の悲喜劇

2013年10月から2014年12月にかけて、NHKのウェブマガジンに掲載された作品です。2015年に単行本として発行されました。素人目線から政治をわかりやすく描いている点、社会問題とリンクする内容に大きな注目が集まった作品でもあります。

中山七里さん『総理にされた男 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
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あらすじ

売れない役者くずれの加納慎策は、総理大臣・真垣統一郎にそっくりな容姿を活かしてものまね芸人として人気が急騰。ある日、首相官邸に呼び出され総理の「替え玉」を依頼される。慎策は国民全員を相手にした一世一代の大芝居を打つことを決意したー。

オススメのポイント!

政治に関しては全くのド素人である慎策がどうやって総理大臣のフリをこなしていくのか、という点が見どころです。読者は慎策と共に政治を学び、国政の在り方や日本の法における問題なども知ることができます。慎策が予想の斜め上を行く決断をし、官僚や政治家の思惑を突き破っていく姿も痛快です。

とても勇気付けられるそんな本です
ストーリーもなかなか愉快で、
家族とあまり上手くいかない主人公が大学を出て、就職したもののすぐに辞めてしまいフリーターになってしまう。しかし、その後、母親の病気をきっかけに、一念発起!立派な社会人に成長していく話。
とてもうまく行き過ぎてる部分があるとも感じたが、読んでいて気分がよくなるいい本だと感じた

マッチさんのレビュー(2019年1月9日)

中山さんは社会的テーマを扱うことの多いミステリー作家です。まだ中山さんの作品を読んだことがない人は人気シリーズか、扱うテーマはどんなものか、という観点で選んでみてはいかがでしょうか。ぜひ上記7作をきっかけに、中山さんの作品世界に触れてみてくださいね。