東野圭吾さんオススメ5選!〜初めて読む人にもおすすめの人気シリーズ代表作〜

こんにちは、ブクログ通信です。
1998年に刊行された『秘密』が日本推理作家協会賞に選ばれ、作家として注目を集めた東野圭吾さん。2006年には『容疑者Xの献身』が直木賞と本格ミステリ大賞を受賞し、名実ともに人気作家の一人となりました。
毎年のように作品が映画化・舞台化され、東野さんの作品には高い注目が集まっています。
ブクログから東野さんのオススメ人気シリーズ代表作を5作紹介いたします。東野さんの作品を初めて読む人にもおすすめのものばかりです。ぜひ参考にしてくださいね。

『東野圭吾(ひがしの けいご)さんの経歴を見る』

東野圭吾さんの作品一覧

1.天才物理学者が活躍する「ガリレオシリーズ」より『探偵ガリレオ』

1998年に刊行され、2007年に福山雅治さん主演でテレビドラマ化されました。東野さんの代表作として知られるガリレオシリーズの第一作です。天才物理学者・湯川学が学生時代の友人で刑事の草薙俊平から依頼を受け、不可解な事件を科学的に解き明かしていきます。湯川学の個性的な人物像、科学技術を取り入れた斬新なトリックが人気を集めている作品です。

東野圭吾さん『探偵ガリレオ (文春文庫)
ブクログでレビューを見る

あらすじ

突然、燃え上がった若者の頭、心臓だけ腐った男の死体、池に浮んだデスマスク、幽体離脱した少年……警視庁捜査一課の草薙俊平が、説明のつかない難事件にぶつかったとき、必ず訪ねる友人がいる。帝都大学理工学部物理学科助教授・湯川学、常識を超えた犯罪と謎に天才科学者が挑む。累計1300万部突破、大人気ミステリー・シリーズの第一作。

オススメのポイント!

「科学技術を駆使したトリックは使用しない」という推理小説の定石を破り、大きく注目を集めた名作です。緻密な伏線回収、登場人物の魅力あふれるキャラクター、爽快な謎解きなど、東野さんの筆力をたっぷり味わうことができます。今作は短編集なので、短時間でサクサク読めるのも魅力です。

ミステリーサスペンスで不謹慎かと思いますが、科学実験を見ているかのような面白さがありました。個人的に理系出身なので、今まで習ったことのある単語が、こう活用されることにワクワク感がありました。小説版とドラマ版は異なりますが、別々のものとして、全然楽しめました。ガリレオシリーズ第1作目で、お手軽に読める作品で、科学の分野で、こうも多くのことが思いつくのは、すごいなと思いました。

robin1101さんのレビュー

2.人間味あふれる刑事が魅力!「加賀恭一郎シリーズ」より『赤い指』

2006年に刊行された、加賀恭一郎シリーズの第7作です。シリーズの中でも登場人物たちの転機となる作品とされています。東野さんの直木賞受賞後の書き下ろし長編小説ということで大きな注目を集めました。オリコンの本ランキングにおいて、文庫部門で7週連続首位を記録しています。2010年に阿部寛さん主演でドラマ化されました。

東野圭吾さん『赤い指 (講談社文庫)
ブクログでレビューを見る

あらすじ

少女の遺体が住宅街で発見された。捜査上に浮かんだ平凡な家族。一体どんな悪夢が彼等を狂わせたのか。「この家には、隠されている真実がある。それはこの家の中で、彼等自身の手によって明かされなければならない。」刑事・加賀恭一郎の謎めいた言葉の意味は?家族のあり方を問う直木賞受賞後第一作。

オススメのポイント!

この作品のテーマは「家族」です。ある事件をめぐり浮き彫りになる、いくつかの家族の姿が東野さんならではの筆致で鮮やかに描き出されます。家族という言葉の持つ、温かさや明るさといったイメージとは真逆の作品です。しかし、だからこそ胸に迫る作品でもあります。重く苦しい雰囲気の物語ですが、東野さんの作品の醍醐味が味わえる一冊です。

家族の形って、ほんとにいろいろあるんだと思わせられました。
冷たくて愛情が全くないように見えて、実は深い深い心の底で繋がっていたり、繋がっているように見えて、実はちりぢりばらばらだったり・・・・。
お互いの距離のとり方、むずかしいですね。私の生き方はこれでいいんだろうか、ということまで考えさせられた一冊でした。

コタピさんのレビュー

3.ホテルの裏側にドラマあり!「マスカレード」シリーズより『マスカレード・ホテル』

高級ホテルを舞台に事件と人間ドラマが巻き起こる「マスカレード」シリーズの第1作です。『小説すばる』に連載された後、2011年に発刊されました。2019年に木村拓哉さん主演で映画化され、2020年1月にはスペシャルドラマも放映されています。宝塚歌劇団花組により舞台化もされました。

東野圭吾さん『マスカレード・ホテル
ブクログでレビューを見る

あらすじ

都内で起きた不可解な連続殺人事件。次の犯行現場としてあるホテルが浮上、ターゲットも容疑者も不明のまま、警察は潜入捜査を決定する。東野圭吾の最高に華麗な長編ミステリ!「マスカレード」シリーズ第一作。

オススメのポイント!

東野さん得意のミステリであり、近年人気の「お仕事小説」でもあります。連続殺人事件解決のため、刑事とホテルマンたちがプライドをかけてぶつかり合う姿が見どころです。都内の一流ホテルが舞台というのも面白く、ホテルの裏側がリアリティたっぷりに描かれている点にも注目してみてください。一気読みしたくなる作品なので、時間がある時に読むことをおすすめします。

グングン物語に引き込まれ、最後まで一気読みでした。
容疑者もターゲットもわからない殺人事件が起きようとしている超一流ホテルが舞台。サービスのあり方、クレーマー対応の事例が描かれ、フロントに配属された刑事が、ホテルマンとして成長していく過程が丁寧に描かれています。人と人の交流も暖かく描かれ、次第に緊張感が高まり、映像を見ているようです。推理の方は意外性があり、予想外な出来事や犯人像。読後感、爽やかな1冊でした。

Seiichi Sakuraiさんのレビュー

4.天下一大五郎シリーズ『名探偵の掟』

1996年に単行本、1999年に文庫版が刊行されました。頭脳明晰、容姿端麗、神出鬼没な名探偵・天下一大五郎を主人公としたシリーズ第1作目です。吉川英治文学新人賞候補となり、惜しくも受賞は逃しましたが東野さんの出世作として広く知られることになりました。ミステリの「暗黙の了解」をことごとく破り、推理小説界を揶揄する内容であることから注目を集めた作品です。2009年に松田翔太さん主演でテレビドラマ化されました。

東野圭吾さん『名探偵の掟 (講談社文庫)
ブクログでレビューを見る

あらすじ

完全密室、時刻表トリック、バラバラ死体に童謡殺人。フーダニットからハウダニットまで、12の難事件に挑む名探偵・天下一大五郎。すべてのトリックを鮮やかに解き明かした名探偵が辿り着いた、恐るべき「ミステリ界の謎」とは?本格推理の様々な“お約束”を破った新感覚ミステリ。

オススメのポイント!

かなり型破りな作品であり、普通の推理小説だと思って読むと良くも悪くも衝撃を受ける作品です。登場人物が自由気ままに動き回り、作品世界さえ飛び出してしまいます。作品と現実の境目が曖昧になっていく何ともユニークな小説なので、ぜひ一度読んでみてください。

所謂本格ミステリーと呼ばれる作品のお約束について小説の中の人物が小説を抜け出してあれこれと述べるという異色の構成。
違う見方をするとミステリー小説の書き方や書く上での注意点を書いているような感じもしました。
そして東野圭吾が如何にミステリーというものに深い愛情を持っているかが伝わってくる作品でした。

カモノハシさんのレビュー

5.スキー場シリーズ『白銀ジャック』

2010年10月に刊行され、発売後1ヵ月で100万部を突破した人気作です。翌2011年に単行本化、2013年にはコミック化されました。2014年に渡辺謙さん主演でテレビドラマ化されています。このスキー場シリーズは、「スキー場が舞台」「共通の人物が登場する」といった点が特徴です。東野さんはスキー・スノーボード好きとしても知られており、本作は雪山やウインタースポーツへの愛情も深く感じられる作品です。

東野圭吾さん『白銀ジャック (実業之日本社文庫)
ブクログでレビューを見る

あらすじ

「我々は、いつ、どこからでも爆破できる」。年の瀬のスキー場に脅迫状が届いた。警察に通報できない状況を嘲笑うかのように繰り返される、山中でのトリッキーな身代金奪取。雪上を乗っ取った犯人の動機は金目当てか、それとも復讐か。すべての鍵は、一年前に血に染まった禁断のゲレンデにあり。今、犯人との命を賭けたレースが始まる。圧倒的な疾走感で読者を翻弄する、痛快サスペンス。

オススメのポイント!

雪山好きの東野さんならではの、臨場感あふれる描写が魅力の一冊です。ドキドキハラハラのサスペンスと白銀世界の美しい風景描写、スキー・スノーボードの疾走感を味わえます。スピーディな展開で、ページをめくる手が止まらなくなること必至です。東野さんの作品の中では比較的ライトな物語なので、軽いミステリを読みたいという人にもおすすめします。

スキー場を人質にするという壮大な発想。犯人同士の化かし合い。その裏で展開する人間模様。面白過ぎて、一気に読んでしまいました。ラストの急展開は目が離せません。

schumaさんのレビュー

東野さんの作品は、理系出身ならではのトリックを使った重厚なミステリが持ち味です。映像化作品も多いので、併せて楽しんでみてはいかがでしょうか。まだ東野さんの作品を読んだことがない人は、ぜひ一冊手に取ってみてくださいね。