祝・本屋大賞受賞!辻村深月さんの代表作・おすすめ本5選を読む!

祝・本屋大賞!辻村深月さんおすすめ・受賞作・代表作5選

こんにちは、ブクログ通信です。

2018年、大活躍を続ける辻村深月さん。『青空と逃げる』『家族シアター』と書籍を続々と刊行し続け、昨年刊行の『かがみの孤城』2018年本屋大賞を受賞しました。

まだ辻村さんの書籍にふれたことがない方も多いかもしれません。今回のブクログ通信では、まだ辻村さんの作品を読んだことがない方向けに、辻村さんの入門書としておすすめの5作品を紹介いたします!一気に読み進めてしまう青春小説や、読みやすい短編作を中心に集めました。

経歴:辻村 深月(つじむら みづき)

1980年山梨県生まれ。千葉大学教育学部卒業後、2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。2011年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、2012年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、2017年『かがみの孤城』で「ダ・ヴィンチ ブックオブザイヤー」1位、王様のブランチBOOK大賞、啓文堂書店文芸書大賞をそれぞれ受賞。本屋大賞ノミネート作も数多く、2018年に『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。
他の代表作に『子どもたちは夜と遊ぶ』『凍りのくじら』『ぼくのメジャースプーン』『スロウハイツの神様』『名前探しの放課後』『ハケンアニメ!』『朝が来る』など。新作の度に期待を大きく上回る作品を刊行し続け、幅広い読者からの熱い支持を得ている。

辻村深月さんの作品一覧

1.『かがみの孤城』 本屋大賞受賞作は、はじめて読む辻村作品としてもオススメ!

2018年本屋大賞を受賞した『かがみの孤城』は、まだ辻村さんの作品を読んだことがない方でも読みやすい作品です。

辻村深月さん『かがみの孤城
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あらすじ

学校での居場所をなくし、自宅に閉じこもっていた中学一年生の少女、こころ。ある日自室で突然部屋の鏡が光り始め、その鏡をくぐり抜けた先には城のような不思議な建物があった。そこで現れたのはオオカミの面を被った少女、そして6人の男女。互いの様子からすぐに分かったのは、みんな学校に行っていないであろうこと。オオカミの面の少女は言う。「願いの部屋の鍵を探してその部屋に入れば、その人の願いが一つかなう」。集まった男女は、相互に協力と諍いを繰り返しながら、それぞれの境遇と本音を知ることになる─。

オススメのポイント!

主人公たちの成長物語であると同時に、SFやミステリ要素もあり、さらには「いじめ」「不登校」というテーマも含んでいる、辻村さんの魅力すべてが詰まった贅沢な一冊になっています。本屋大賞だけでなく、「2017年啓文堂書店文芸書大賞」「『ダ・ヴィンチ』ブックオブザイヤー1位」、王様のブランチBOOK大賞、「キノベス!2018」4位など、様々な賞を受賞しました。

2.『島はぼくらと』 辻村さんの魅力が詰まった正統派の青春小説!

非常に読みやすく、青春小説好きのかたにとってオススメの作品です。評価・内容も折り紙つきで、第11回本屋大賞にノミネートされ、第3位を獲得しています。正統派の青春小説ながら、地方特有の問題や、人それぞれが抱える「故郷」の問題とも真剣に向き合いつつ、すべてを肯定していくスケールの大きな作品です。

辻村深月さん『島はぼくらと (講談社文庫)
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あらすじ

人口3000人ほど、瀬戸内海に浮かぶ小さな島、冴島。そこに、4人の高校生がいた。女三代で暮らす明るい少女、朱里。網元の一人娘で、美人で醒めていながら、強い意志を持つ衣花。父のロハスで東京から引っ越してきた源樹。熱心な演劇部員ながら、島の環境のせいで思うように練習できない新。
島に高校はなく、同級の4人はフェリーで本土の高校に行き来する。島の暮らしに強い不満があるわけではない仲良しの4人だが、高校卒業後にどんな進路を取るか、島の外に出るのか、意識せざるをえない。そんなある日、4人は「幻の脚本」を探しにきたという、島外からやってきた見知らぬ青年に声をかけられる―。

オススメのポイント!

島を行き来する様々な人々が織り成す美しい物語に魅せられ、登場人物達の煌めく青春が、ただただ眩しくなるような作品です。青春小説でありつつ、4人の若者の成長物語に「幻の脚本」というミステリ要素が付け加わります。さらには「故郷」に縛られ、あるいはそれを持つことができず、人生の選択肢が狭まったり、あるいは戻る場所を見失ったりする人々の姿も描かれます。青春小説でありつつも、大きなテーマのもと別様の広さと深さも立ち上がってくる、オススメの作品です。辻村さんのポジティブな魅力が一冊で楽しめます。

3.『凍りのくじら』 ブクログで最も多くの人が登録している作品

辻村さんの作品全体を見渡すことができて読みやすい作品が『凍りのくじら』。ブクログで1万人を超えるユーザーさん達から本棚登録されており、評価も非常に高い、第27回吉川英治文学新人賞候補作。

辻村深月さん『凍りのくじら (講談社文庫)
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あらすじ

『ドラえもん』の藤子・F・不二雄を「先生」と呼んで敬愛していた写真家、芦沢光が失踪してから5年。彼の娘、芦沢理帆子は父と同じように藤子・F・不二雄に親しみ、「『少し不思議な物語』のSF」という言に影響を受けて自分を取り巻く人や対象の個性に、「すこし・○○○」と命名していくようになった。どんな相手にも合わせられてしまうがゆえに、居場所がしっくりこない自分のありようにも、「少し・不在」と名づけている。そんな理帆子はある日、「写真を撮らせてほしい」と言う青年、別所あきらに出会った―。

オススメのポイント!

学生時代の多感さ、繊細な心持ちを思い出させてくれるような作品です。『凍りのくじら』主人公の理帆子は、辻村さんの他作品にも登場していきます。辻村さんの作品世界は登場人物がリンクするかたちで繋がっていることがあり、それぞれの作品の繋がりを見ていくのも楽しみの一つ。辻村作品の世界観を眺めるためにオススメの作品です。

4.『鍵のない夢を見る』 直木賞受賞作!黒辻村の魅力を知る短編連作集

青春小説じゃなくて、ダークな作品のほうが好き、というかた向けに。第147回直木三十五賞受賞作、『鍵のない夢を見る』は「犯罪」というテーマを扱い、人間の本性、本質をあぶり出そうとする短編連作集になります。「長編より短編が好き」「あまり長い文章を読む時間がない」「青春小説は苦手で、純文学や深いテーマの作品が好き」という方々にオススメしたい作品です。

辻村深月さん『鍵のない夢を見る
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あらすじ

普通の町でありきたりの日常を送る普通の女性5人。彼女たちが犯罪に至りついてしまう短編集。仁志野町(にしのちょう)の泥棒。石蕗(つわぶき)南地区の放火。美弥谷(みやたに)団地の逃亡者。芹葉(せりば)大学の夢と殺人。君本家の誘拐。「普通」「ありきたり」「平凡」な地方都市の中にも、奈落への穴は現実の至る所に空いている―。

オススメのポイント!

普通の日常を送っていても、異常な日常への道は案外短いものだということを思い知らされる作品です。2012年7月に第147回直木三十五賞を受賞した作品で、非常に高い評価を受けました。辻村さんが描く作品は、その作品テーマや登場人物たちのポジティブさ、ネガティブさによって「白辻村」「黒辻村」と分類されることがあります。この作品は、れっきとした「黒辻村」。黒辻村作品には人間の本質を抉り出そうとする作品が多く見受けられます。明るい話が好きな方は黒辻村が苦手かもしれませんが、読んでみたらハマった、という方も多いです!

5.『ツナグ』死者と生者の出会いから教えられる人生の価値と苦しみ―連作短編小説

最後に紹介する『ツナグ』は、第32回吉川英治文学新人賞受賞作として非常に高い評価を受けただけでなく、ブクログユーザーからの登録数も多く評価も高い連作短編集です。

辻村深月さん『ツナグ (新潮文庫)
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あらすじ

死者との再会を一生に一度だけ叶えてくれる「使者」がいる。その使者は多くの人々に力を貸す。突然死したアイドルにかつて助けられ、会いたいと願うOL。母に癌を告げられないまま亡くしてしまった息子。親友への劣等感と嫉妬心に苛まれてしまった女子高生、行方不明の婚約者を待つ会社員。生者と死者が出会うとき、多くの物語が生まれ、始まっていく―。

オススメのポイント!

残された生者は喪失感、後悔、罪の意識といった苦悩と相対しながらどう生きるのか?読み手にも、多くのことを教えてくれる作品です。生きるための勇気と指針をもらったような気さえする読後感で、多くの人々に評価されました。2012年10月6日に映画化されており、松坂桃李さんが「使者」役を務めたのですが、第36回日本アカデミー賞新人俳優賞、第22回日本映画批評家大賞主演男優賞をそれぞれ受賞。映画も高い評価を受けていますね。

なお、続編『ツナグ2』が新潮社の『yom yom』で連載されていました。続編はいつ単行本になるのでしょうか?非常に楽しみですね。

ここで挙げた5作以外の作品でも、辻村作品入門にふさわしいものはまだまだあります。辻村さんは敷居が低い作家の一人で、未読の場合読み進めるのが難しいような作品はほとんどありません。明るいストーリー、暗いストーリーどちらが好きかというご自身の好みから、白辻村作・黒辻村作と選んでいけば大丈夫。

ぜひ辻村さんの作品を実際にご覧くださいね。最初の一冊が良い出会いでありますように!