青春小説から推理小説まで多才な活躍!誉田哲也さんおすすめ5選!

誉田哲也さんおすすめ代表作5選 青春小説から警察小説まで

こんにちは、ブクログ通信です。

累計400万部を突破した誉田哲也さんの大ベストセラー警察小説『ストロベリーナイト』が2019年4月から再ドラマ化!キャスト・スタッフ一新のうえで「ストロベリーナイト・サーガ」として再映像化・新シリーズ化されることになり、話題を集めています。かつては竹内結子さんが主演し、スペシャルドラマ化(2010年)、連続ドラマ化(2012年)、そして映画化(2013年)もされた大ヒットシリーズ「姫川玲子シリーズ」が新しく生まれ変わるのです。楽しみですね!

これを記念して、ブクログから誉田さんの代表作・オススメ作を5作紹介いたします。多数の作品の中から、ブクログユーザーから高い評価を受けている作品、読みやすい作品、知名度のある作品を中心に集めました。誉田さんといえば警察小説!という評価もありますが、青春小説にもすばらしい作品が多いです。ぜひ参考にしてくださいね。

経歴:誉田哲也(ほんだ てつや)

1969年、東京都生まれの小説家。学習院中・高等科を経て学習院大学経済学部経営学科卒業。卒業後にミュージシャンを目指していたが、椎名林檎の存在で断念。格闘技ライターを経て作家活動に入る。
2002年、『妖(あやかし)の華』でムー伝奇ノベル大賞優秀賞を獲得しデビュー。2003年『アクセス』でホラーサスペンス大賞特別賞を受賞。
代表作は、映画化もされた『武士道シックスティーン』に始まる「武士道シリーズ」に、ドラマ化・映画化された「姫川玲子シリーズ」。ほか、『ジウ』シリーズ、魚住久江シリーズ『ドルチェ』『ドンナ ビアンカ』や、『ケモノの城』『プラージュ』などがある。

誉田哲也さんの作品一覧

1.『武士道シックスティーン』 高い評価を受ける家族小説

2007年刊行の作品で、「武士道シリーズ」記念すべき一作目となります。2009年、第24回坪田譲治文学賞にノミネートされました。2010年の映画化に合わせ、同年文庫本化されています。

誉田哲也さん『武士道シックスティーン (文春文庫)
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あらすじ

武蔵を心の師とする剣道エリートの香織は、中学最後の大会で、無名選手の早苗に負けてしまう。敗北の悔しさを片時も忘れられない香織と、勝利にこだわらず「お気楽不動心」の早苗。相反する二人が、同じ高校に進学し、剣道部で再会を果たすが…。青春を剣道にかける女子二人の傑作エンターテインメント。

オススメのポイント!

剣道オタクの香織と、マイペースな早苗。この凸凹コンビの二人が切磋琢磨する姿が描かれる青春小説。青春小説が好きなかたなら、まずこちらから。主人公ふたりの視点が入れ替わりながら進む物語に、いつのまにか引き込まれてしまうはず。まったく相容れない二人が共に成長していく姿に心惹かれます。

攻撃的な戦い方と、日本舞踊仕立ての柔和な戦い方をする剣道女子の青春小説誉田哲也と聞いたらストロベリーナイトやジウなど警察小説のイメージが強いけどスポ根やってます。対極にあるふたり、磯山のキャラクターが武士っていうよりも、中二病感あって最初はやや引いてました。だんだん読むうちにタイトルの意味が理解できるようになってきて二人が成長して支え合う姿は、良いです。

ikedazuさんのレビュー

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2.『幸せの条件』 農業に取り組む女性を描いた青春&社会派小説

2012年に刊行され、2015年に文庫化。

誉田哲也さん『幸せの条件 (中公文庫)
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あらすじ

恋も仕事も中途半端、片山製作所勤務の「役立たずOL」梢恵に、ある日まさかの社命が下された-単身長野に赴き、新燃料・バイオエタノール用のコメを作れる農家を探してこい。行く先々で断られ、なりゆきで農業見習いを始めた24歳に勝算はあるか!?働くこと、生きることの意味を問う、『ジウ』シリーズ著者による新境地。

オススメのポイント!

農業がテーマということで、誉田さんの作品の中では異色の部類になるでしょう。けれども綿密な取材を経て書かれた本作は、農業、原発、震災などをテーマに日本の諸問題と誠実に向き合う社会派小説でもあり、一人の女性がさまざまな苦難に取り組む青春小説でもあります。さわやかな気持ちになれる、隠れた名作です。

著者が、リサイクルライフに興味を持ったのが、この作品を書く動機だとか。さらに、3.11の震災と原発事故が、著者の背中を押したそうだ。減反、高齢化、待ったなしの農業問題に焦点を当て、その魅力(もちろん過酷な条件は都会に比べるべくもないが)や必要性を描いた一方で、食料自給率についての政府のまやかしを、登場人物に批判させている。そして、福島第一原発は、東京電力の施設であり、関東の人がその恩恵を享受しているのに、被害を受け農地を奪われたのは東北の人々だと、訴える。
(中略)
「あなたが会社に必要とされていないのではなく、あなたにこの会社が必要ではないのだ。あなたのいるべき場所は他にあるはずだ。」―登場人物の言葉。
もっと、広く読まれるべき作品の一つといえよう。

hongoh-遊民さんのレビュー

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3.『増山超能力師事務所』TVドラマ化・映画化もされた連作短編集

2013年刊行、2016年に文庫化されました。2017年ドラマ化、同作がスピンオフで映画化され、2018年に映画公開されています。

誉田哲也さん『増山超能力師事務所 (文春文庫)
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あらすじ

信頼と実績の当事務所が超能力でお悩み解決!超能力が事業認定された日本で、能力も見た目も凸凹な所員たちが、浮気調査や人探しなど悩み解決に奔走。笑いとほろ苦の連作短編集。

オススメのポイント!

超能力が世間に認められて国家資格となった世界。人助けをモットーにする増山圭太郎と、彼が所長を務める「増山超能力探偵所」の面々が織り成す事件の数々。けれども超能力は万能ではなく制約があるため、ほどほどの能力になってしまう……という妙な現実味が面白いところ。

超能力ものといえば、特殊な能力を持った主人公や登場人物が何かしら人知を超えた、もの凄い力を行使するというイメージだが、本書は少し違う。もちろん超能力なので特殊な力だし、単純な物理法則では解決できないのだが、なんというか、「そこまで特別なことはできない」のである。
また、超能力者が、それをひた隠しにするようなことはせず、むしろ超能力に対する認知や研究も進んでいる。超能力もきちんと努力しないと上達せず、例えば建築士のような資格があったりする、という世界観。設定が上手いと思う。
本書は超能力を活かした仕事、「超能力師」が、探偵としてさまざまな事件を解決する物語である。基本的に登場人物に悪人はおらず、読みやすくて面白い。

honeycombさんのレビュー

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4.『ストロベリーナイト』 再映像化される名作シリーズ第一弾

2006年、単行本で刊行。本作に始まる一連の続編は、主人公・警視庁捜査一課・殺人犯捜査係主任の姫川玲子の名をとって「姫川玲子シリーズ」と呼ばれています。2008年に文庫化。その後2010年にスペシャルドラマが放送されたのを皮切りに、2012年連続ドラマ化、そして2013年に映画化されました。2007年には第9回大藪春彦賞候補に選ばれています。

誉田哲也さん『ストロベリーナイト (光文社文庫)
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あらすじ

溜め池近くの植え込みから、ビニールシートに包まれた男の惨殺死体が発見された。警視庁捜査一課の警部補・姫川玲子は、これが単独の殺人事件で終わらないことに気づく。捜査で浮上した謎の言葉「ストロベリーナイト」が意味するものは?クセ者揃いの刑事たちとともに悪戦苦闘の末、辿り着いたのは、あまりにも衝撃的な事実だった。

オススメのポイント!

さまざまなメディアミックスもあって、誉田さんの作品の中でもっとも知られている作品といえるでしょう。男性以上にタフで強い女性主人公が難事件に取り組み、解決していく姿は爽快感にあふれています。ただし刺激的なシーンが至るところで描かれているため、そういうシーンが苦手ながらストーリーを楽しみたいかたはTVのスペシャルドラマ、そして連続TVドラマから入るほうがいいかもしれません。

誉田哲也の描く女性刑事、姫川玲子が活躍する三部作からなるクライムサスペンスシリーズの第一弾。一件の遺体遺棄事件から連続猟奇殺人事件へと発展するサスペンス、警察内の階級社会や複雑に絡み合う刑事達の群像と事件の意外性を緻密に描きながら、感動的なエピソードと陰惨な犯行描写という真逆のディテールギャップも見事。畳み掛けるスピーディーな展開は章毎に止める事が出来ず、読んでいる時間を忘れさせる。玲子のライバル「ガンテツ」こと勝俣の超アウトロー、玲子にぞっこんな関西弁の井岡巡査長など、魅力的なキャラクターも愉しい。

まえすとろさんのレビュー

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5.『ジウ―警視庁特殊犯捜査係』 ドラマ化もされた、スリリングな展開が魅力の警察小説

2005年刊行の作品で、2008年に文庫化されました。2011年にドラマ化したことをきっかけに、広く読まれる有名シリーズとなっています。

誉田哲也さん『ジウ〈1〉―警視庁特殊犯捜査係 (中公文庫)
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あらすじ

都内の住宅地で人質篭城事件が発生した。所轄署や機動隊とともに警視庁捜査一課特殊犯捜査係が出動し、門倉美咲巡査は差し入れ役として犯人のもとへ向かうが-!?篭城事件と未解決の児童誘拐事件を結ぶ少年、その背後で蠢動する巨大な事件とは?ハイスピード、未會有のスケールで描く新・警察小説。

オススメのポイント!

この作品も、対照的な女性主人公二人による物語です。心優しく涙もろい門倉美咲、そして筋肉オタクで格闘能力に長ける伊崎基子。この二人が籠城事件、そして未解決の児童誘拐事件を追い、事件の黒幕に迫ります。この作品も過激な描写があり、苦手な人はTVドラマから入るのがおすすめです。

なお『国境事変』『歌舞伎町セブン』など『ジウ』の登場人物が登場するシリーズ作となっていますので、これらの作品を読む前に『ジウ』を読んでおきましょう!

誉田哲也とは、さも恐ろしい作家だ。惨い場面を、これでもか、これでもか、と突きつけてくる。犯罪小説を書くがために生まれてきたのか。そうとしか思えない。同著者は他に、『ストロベリーナイト』を始めとした『姫川玲子』シリーズも世に送り出している。姫川シリーズを“子どものためのグリム童話”と例えるなら、同書は“大人のためのグリム童話”といったところだろうか。

姫川シリーズを面白いと感じるならば、きっと同書ではそれ以上の満足を否、恐怖を感じることだろう。

bochibochi73さんのレビュー

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いかがでしたでしょうか?誉田さんの作品はさまざまなシリーズがあり、有名シリーズは1作目から読むのがオススメです。ぜひ上記5作を出発点に、誉田さんの作品を読み進めてみてくださいね。