家族と青春をテーマに、数々の名作を記す―瀬尾まいこさんおすすめ・代表作5選!

瀬尾まいこさんおすすめ代表作5選

こんにちは、ブクログ通信です。

2018年の作品『そして、バトンは渡された』2019年本屋大賞ノミネートを果たしたことも記憶に新しい、瀬尾まいこさん。これまでも大活躍を続けてきましたが、ますます注目が集まってきています。瀬尾さんの作品の多くは、家族を描いた小説、あるいは青春小説です。3月8日には、最新刊となる『傑作はまだ』が発売です。

ブクログから、今後の活躍が楽しみな瀬尾さんの代表作・オススメ作を5作紹介いたします。多数の作品の中から、ブクログユーザーから高い評価を受けている作品、読みやすい作品、知名度のある作品を中心に集めました。ぜひ参考にしてくださいね。

(2019年2月28日更新)

経歴:瀬尾まいこ(せお まいこ)

1974年生まれ、大阪府出身。中学校国語講師を務めた後、2005年に教員採用試験合格、2011年に退職するまで中学校で国語教諭として勤務する傍らで執筆活動を行っていた。
2001年『卵の緒』で第7回坊っちゃん文学賞大賞を受賞し、これが翌年単行本デビュー作となる。2005年『幸福な食卓』で第26回吉川英治文学新人賞、2008年『戸村飯店 青春100連発』で坪田譲治文学賞をそれぞれ受賞。
これまでの著作で、代表作『幸福な食卓』、そして『天国はまだ遠く』『僕らのごはんは明日で待ってる』が映画化されている。近刊『そして、バトンは渡された』は第31回山本周五郎賞候補となり、2018年「本の雑誌が選ぶ上半期ベストテン」1位、「キノベス2019」1位に。さらに2019年本屋大賞にノミネートされた。

瀬尾まいこさんの作品一覧

1.『幸福な食卓』 吉川英治文学新人賞受賞作!

2004年に刊行された作品で、2007年に文庫化されています。第26回吉川英治文学新人賞受賞作で、恩田陸さんの名作『夜のピクニック』との同時受賞でした。2006年にコミックが刊行され、2007年に映画化されました。

瀬尾まいこさん『幸福な食卓 (講談社文庫)
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あらすじ

切なさの分だけ家族はたしかにつながっていく。

佐和子の家族はちょっとヘン。父を辞めると宣言した父、家出中なのに料理を届けに来る母、元天才児の兄。そして佐和子には、心の中で次第にその存在が大きくなるボーイフレンド大浦君がいて……。それぞれ切なさを抱えながら、つながり合い再生していく家族の姿を温かく描く。

オススメのポイント!

瀬尾さんの作品の中で一番読まれている作品のひとつです。テーマは家族。主人公・佐和子の家族は不思議なキャラクターだらけ。唐突に「父さんは今日で父さんをやめようと思う」という宣言をする父、家出しているにもかかわらず自宅にご飯を届けにくる母、天才なのにいきなり農業をはじめる兄……。とても不可思議なコミュニケーションが行われもするけれど、「家族」であることに変わりはない。一度読めば、知らず知らずに抱いていた家族像が揺さぶられていることに気付くはずです。もしかしたら、家族との向き合い方も少し変わるかもしれません。

好きな本を聞かれたら、これをあげると思う。よく考えたらわりと重たい問題を抱えた家族の話なのだが、全く重く感じさせず、いい意味で淡々としているのに温かみのある文。バラバラなようでバラバラじゃない家族の話が進んでいくなかで、日常って永遠じゃないんだよなと思い知らされる。最後の章、泣いた。ちなみに映画化もされていて、これもまた良作。

daifuku.iさんのレビュー

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2. 『そして、バトンは渡された』 高い評価を受ける家族小説

2018年刊行の作品です。第31回山本周五郎賞候補、2019年本屋大賞ノミネート、『ダ・ヴィンチ』2018年5月号「今月のプラチナ本」「本の雑誌が選ぶ上半期ベストテン」1位(2018年度)、「キノベス2019」1位に選ばれています。ブクログでも人気が高く、第6回ブクログ大賞にノミネートされました。

瀬尾まいこさん『そして、バトンは渡された
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あらすじ

森宮優子、十七歳。継父継母が変われば名字も変わる。だけどいつでも両親を愛し、愛されていた。この著者にしか描けない優しい物語。
「私には父親が三人、母親が二人いる。 家族の形態は、十七年間で七回も変わった。でも、全然不幸ではないのだ。」 身近な人が愛おしくなる、著者会心の感動作。

オススメのポイント!

この作品も瀬尾さんの一大テーマ、「家族」について描かれた作品です。父と母とがその時々で変わっていくなかでも、確かにその時々が「家族」だったし、家族だったことはこれからも変わらない。家族の定義は簡単なものではないこと、そして愛しさや幸福のありかはどこなのか、非常に大事なことを示してくれる一冊です。

自分の子どもの親は、自分しかいない。自分が育てることが子どもにとって一番幸せなんだと信じて子育てをしてきた。でも、本当にそうだったんだろうか、、、この物語を読んでいたら、なんだか自信がなくなってきてしまった。
父親が三人に母親が二人・・・次々と大切なバトンを渡すかのように、主人公の優子は親から次の親へと保護者が変わってきた。血の繋がりなんてなくても、いやないからこそ相手を気遣い自分を客観視し親子の愛情を作り上げていく。実際の子どもはこんなに思慮深くもなければ良い子でもないし、親だってこんなに常に全身全霊で子どもを愛しているわけではないけれど誰かが誰かを大切に思う気持ちはやっぱり素敵だ。
読んでいる間ずっと幸せを感じていられる物語でした。

にゃんこさんのレビュー

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3.『図書館の神様』学校を舞台にした青春小説

2003年刊行、2009年に文庫化された瀬尾さんのデビュー第二作目にあたる作品です。

瀬尾まいこさん『図書館の神様 (ちくま文庫)
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あらすじ

思い描いていた未来をあきらめて赴任した高校で、驚いたことに「私」は文芸部の顧問になった。……「垣内君って、どうして文芸部なの?」「文学が好きだからです」「まさか」!……清く正しくまっすぐな青春を送ってきた「私」には、思いがけないことばかり。不思議な出会いから、傷ついた心を回復していく再生の物語。ほかに、単行本未収録の短篇「雲行き」を収録。

オススメのポイント!

家族小説だけでなく、青春小説もおすすめです。瀬尾さんの青春小説の中で一風変わっているのが本作。一生徒との出会いから教師が様々な気付きを与えられ、自身の過去を受け止め、さまざまな呪縛から解き放たれていきます。ありきたりでささいでありつつ、大事な日常こそが人の悩みや自責を解消するのかもしれません。自分の人生を省みてしまうような物語です。

高校を舞台とした、爽やかなヒューマン・ストーリー。主人公は清く正しい青春をバレーボールに捧げ、やがて挫折し、臨時教師として赴任した学校で文芸部の顧問となる。
特別な人の、特別なお話ではない。大きな出来事が起きるわけでもない。それでも、何かが揺れ動き、心が、人生が動き出す。日々の生活の中で、人は、他者と出逢い、関わり、心触れ合い、傷つき、再生する。きっと、日常の至る所に、神様はいる。
そう感じさせてくれる、ささやかで温かい小品。

更さんのレビュー

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4.『戸村飯店 青春100連発』 大阪下町を舞台にした青春小説

2008年刊行の作品で、同年に坪田譲治文学賞を受賞。2012年に文庫化されました。

瀬尾まいこさん『戸村飯店 青春100連発 (文春文庫)
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あらすじ

大阪の超庶民的中華料理店、戸村飯店の2人息子。要領も見た目もいい兄、ヘイスケと、ボケがうまく単純な性格の弟、コウスケ。家族や兄弟でも、折り合いが悪かったり波長が違ったり。ヘイスケは高校卒業後、東京に行く。大阪と東京で兄弟が自分をみつめ直す、温かな笑いに満ちた傑作青春小説。坪田譲治文学賞受賞作。

オススメのポイント!

青春小説でもあり、そして瀬尾さんが大事にしている「家族」というテーマを描いた小説といえます。その両方のテーマが織り込まれている一方、大阪をよく知る人であれば読みどころがたくさん!大阪出身の瀬尾さんが描く、活き活きとした大阪の姿に魅せられます。兄弟の関西弁の軽妙なやりとりに、思わず感心してしまいますよ。

大阪の庶民的中華料理店の二人息子が、自分自身を見つめ直して新しい道を歩き始める青春小説。
阪神タイガースに吉本新喜劇と大阪色いっぱい。大阪人同士の掛け合いも面白い。優等生に見られがちの兄の知られざる苦悩と、単純で豪快と評価されている弟の閉塞感。明るいタッチで見逃しそうだが、実に奥が深い。二人の息子を温かく見守る父親の存在もグッとくる。
タイトルは、おそらくあの名作ビデオ「吉本新喜劇ギャグ100連発」からきてるのでしょう。タイトルも奥が深い!

iyoharuka13さんのレビュー

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5.『ありがとう、さようなら』 教師時代のことを中心に書いたエッセイ

2007年刊行のエッセイ集で、2010年に文庫化されました。

瀬尾まいこさん『ありがとう、さようなら (MF文庫ダ・ヴィンチ)
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あらすじ

学校嫌いだった私。それなのに、ずっと教師になりたかった。 嫌いな鯖を克服しようとがんばったり、走るのが苦手なのに駅伝大会に出場したり、生徒に結婚の心配をされたり、鍵をなくしてあたふたしたり……。 瀬尾まいこが作家デビュー直後から3年半にわたって「せんせい」として書き綴ったエッセイ、待望の文庫化!

オススメのポイント!

瀬尾さんは小説だけでなくエッセイも書いています。執筆活動のかたわら中学校国語教師もこなしていた兼業作家時代のことが描かれているのが本作です。生徒と学校を愛している瀬尾さんの姿が何より素晴らしく、その姿に答えるかのように振舞う中学生たちも素敵です。瀬尾さんによれば学校は、ありがとうとさようならが目まぐるしく襲ってくる場。こんな素敵な学校に通ってみたいと思わせるエッセイです。描かれた体験の数々が、瀬尾さんの作品世界と繋がっていることも見逃せない一作です。

久しぶりにエッセイを読んだ。「幸福な食卓」ですっかり瀬尾さんのとりこになってしまい、その瀬尾さんの教師時代のエッセイ。最近中学生のいじめ、自殺問題をニュースで見るたびに心が痛んでいたけど、このエッセイの中の中学生は 素直でほっこりしてて温かくて、一気に心を和ませてくれた。読みながらも くすっと笑えて、ぽろっと泣かされて 素敵なエッセイでした。

nobo0803さんのレビュー

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いかがでしたでしょうか?瀬尾さんの作品はここに挙げた作品以外にもまだまだ多くの作品があります。最初の一冊に迷ったら、ぜひ評価の高い上記5作を選んでみてくださいね。