『蜜蜂と遠雷』が実写映画化!ノスタルジアの魔術師、恩田陸さんおすすめ作7選!

こんにちは、ブクログ通信です。

今回は幅広い層の読者から親しまれる恩田陸さんの代表作・おすすめ作を7作品紹介します。多数の作品の中から、ブクログのみなさんから特に人気のある作品や、読みやすい作品を中心に集めました。ぜひ参考にしてみてくださいね。

1992年『六番目の小夜子』でデビューした恩田さん。2005年『夜のピクニック』、2017年『蜜蜂と遠雷』が史上初となる2度の本屋大賞、そして『蜜蜂と遠雷』は本屋大賞のほかに第156回直木賞、第5回ブクログ大賞を受賞し、実写映画化もされています。

経歴:恩田陸(おんだ りく)

1964年、青森県生まれ。1987年早稲田大学教育学部卒業後、生命保険会社のOLとして働き、2年後に過重労働で入院。復帰半年後、作家活動を開始。1991年、退職後に書き終え『六番目の小夜子』が第3回日本ファンタジーノベル大賞最終候補作となり、翌年刊行をもってデビュー。多作のため作家活動のかたわら、不動産会社に再就職。はじめの頃は出版社に営業活動を行うこともあった。その後、作家活動が安定し1997年専業作家となる。『夜のピクニック』で、2004年第26回吉川英治文学新人賞、2005年第2回本屋大賞受賞。2007年『中庭の出来事』で、第20回山本周五郎賞を受賞する。同年、江戸川乱歩賞選考委員に就任。2017年『蜜蜂と遠雷』で第156回直木賞、本屋大賞のダブル受賞。同作家2度目の本屋大賞受賞は、史上初である。そして第5回ブクログ大賞小説部門を受賞。2019年10月4日から、映画『蜜蜂と遠雷』が全国公開中。同日『蜜蜂と遠雷』のスピンオフ小説となる『祝祭と予感』も発売された。

恩田陸さんの作品一覧

1.『夜のピクニック』いつまでも色褪せることない不朽の名作

『小説新潮』に2002年11月号から2004年5月号に連載され、2004年に書籍化。第2回本屋大賞、第26回吉川英治文学新人賞を受賞しました。2006年には映画化され、2016年には音楽劇としても上演されました。

恩田陸さん『夜のピクニック (新潮文庫)
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あらすじ

高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」は、全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通す、北高の伝統行事。貴子は、3年間誰にも言えなかった秘密を清算するため、密かな誓いを胸に抱いて「歩行祭」にのぞむ。親友たちと学校生活の思い出や卒業後の夢などを語らいつつ、貴子は小さな賭けに胸を焦がしていた。

オススメのポイント!

恩田さんご自身が通っていた茨城県立水戸第一高等学校の伝統行事「歩く会」がモデルになっています。貴子の視点に立ち、「歩行祭」に参加して青春時代を振り返ってみてはいかがでしょうか。貴子がゴールまで歩ききる頃、爽やかな風が吹き抜けるような、そんな一冊です。

歩行祭という年に一度、朝8時から翌朝8時まで歩くという、高校行事。
ただ歩くだけだから、色んな考え事をするのにちょうど良さそうだ。

この本は、一日のお祭りのお話だけど、考えてみれば、高校3年間も人生においてのお祭りかもしれない。楽しい高校生活を送りながら、その中で勉強をしたり、恋愛をしたり、でも常に心の中では、卒業後の進路を考え続けている。高校卒業がゴールではなく、あくまでの通過点なのだ。恋愛してても、その恋愛にはいつかは終わりが来るだろうと思って恋愛している人が大半だろうし、友達とワイワイ遊んでても、それがずっと続くことじゃないと、理解している。
だから、高校生活の3年間は、とてもキラキラして楽しいものなのかもしれない。後から振り返った時、お祭りの楽しかった思い出のように、いい思い出に溢れているんだろう。

True Colorsさんのレビュー(2019年2月1日)

2.『蜜蜂と遠雷』史上初の直木賞、本屋大賞をW受賞した青春群像劇

恩田さんの代表作と言える本作は、2016年に刊行、2019年に文庫化されました。本作で第156回直木賞、2017年本屋大賞、第5回ブクログ大賞を受賞。2019年10月4日から実写映画も公開中です。

恩田陸さん『蜜蜂と遠雷
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あらすじ

ピアノコンクールを舞台に、数多の天才たちが繰り広げる、競争という名の自らとの闘い。人間の才能と運命、そして音楽を描ききった青春群像小説。

オススメのポイント!

物語の登場人物ひとりひとりの心情に焦点を当てて描かれ、思わず感情移入してしまいます。美しい旋律が聴こえてくるかのような臨場感溢れる演奏シーンに引き込まれます。幼い頃からクラシックに慣れ親しんできた恩田さんご自身が11年の歳月をかけ取材を重ね、書きあげた作品です。

国際ピアノコンクールに挑む4人の若者たちの熱い闘いが描かれる。

自分の世界とは全く縁のないピアニストの物語に、はじめは戸惑いましたが、ページをめくるごとに音楽の世界に入り込んでいくようでした。

個性ある4人の若者にそれぞれ魅力があり、どの人物を応援していくこうか迷いながらもそれを楽しみながら読みました。

本という全く音が感じられない媒体から音の息吹が感じられる表現に引き込まれました。

コンクールの一観客として、4人の若者たちの音楽という生き方を見届けていきたいと思います。

風太郎さんのレビュー(2019年5月5日)

3.『ドミノ』見知らぬ者同士のドタバタコメディ

2001年に刊行、2004年に文庫化されました。ブクログでの登録数・評価も高い作品です。

恩田陸さん『ドミノ (角川文庫)
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あらすじ

一億円の契約書を持つ生命保険のオフィス。下剤を盛られた子役の麻里花。推理力を競い合う大学生。別れを画策する青年実業家。昼下がりの東京駅、見知らぬ者同士がすれ違うその一瞬、運命のドミノが倒れてゆく。些細な出来事がきっかけとなり、大騒動に発展していくドタバタパニックコメディ。

オススメのポイント!

一度倒れたドミノは物語が収束するまで止まらない―。伏線が回収されるまでのスピード感溢れる展開に、ページをめくる手が止まりません。恩田さんの小説の中でも異彩を放つ隠れた名作とブクログのみなさんにも人気です。

タイトルの通り、展開はドミノが次々に倒れていくよう。

冒頭に記載された登場人物の多さに戸惑い、読み始めは本編と登場人物紹介を行ったり来たり。

展開が進んでいくにつれて、違った場所から倒れてきたドミノが一か所に集まってくるドキドキ感。

最後のドミノが倒れる瞬間は圧巻です。

naoyukiさんのレビュー(2014年2月13日)

4.『小説以外』 恩田さんの魅力溢れるエッセイ集

2005年刊行、2008年文庫化されました。恩田さんの世界を一望できる貴重なエッセイ集ということで人気を博した作品です。

恩田陸さん『小説以外 (新潮文庫)
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あらすじ

本好きが嵩じて作家になった恩田さんがこれまでどのような作品を愛読してきたのか。その読書の秘密や、偏愛する料理、食べ物、映画、音楽にまつわる話、転校が多かった少女時代の思い出などデビューから14年間の全エッセイを収録。

オススメのポイント!

忙しいOL時代の合間を縫って読書をしたり、小説を書き始める恩田さんの姿が綴られています。本当にやりたいことを貫く恩田さんの姿に励まされたというファンの声も。

恩田陸は不思議な人だ。
物語の支配者である彼女と、飾り気のない彼女の差がありすぎる。
けれど、やっぱり、どこか一貫性もあって。
それは現実に対する悲観的な姿勢だとか、どこか冷めた目線だとか。

小説の延長上で、やっぱり「恩田陸」が好きだなあという気持ちと、
ただの人間としての「くまがいななえ」さんが好きだなあという気持ち。
一回お酒を一緒に飲みたいなぁとおもうひとです。たのしいだろうなぁ。

7*7さんのレビュー(2008年12月5日)

5.『六番目の小夜子』 記念すべきデビュー作、学園ホラー・ミステリー

1992年に新潮文庫より出版された、記念すべき恩田さんのデビュー作。1998年に大幅加筆修正され単行本として刊行、2001年に再文庫化しました。2000年にはNHKでテレビドラマ化もされました。

恩田陸さん『六番目の小夜子 (新潮文庫)
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あらすじ

とある地方の高校に転校してきた謎めいた美少女・津村沙世子。その高校には十数年間も、奇妙なしきたりが受け継がれていた。三年に一度、「サヨコ」と呼ばれる生徒が見えざる手によって選ばれる。そして今年は「六番目のサヨコ」が誕生する年だった―。現状を打破しようともがく少年・少女時代を漆黒の恐怖で包み込んだホラーミステリー小説。

オススメのポイント!

青春時代のどこか暗くも希望を掴もうとする感覚に、共感してしまう人もいるのではないでしょうか。名作が数多くある恩田さんですが、真っ先にこのデビュー作を思い浮かべる人も多いようです。

非現実的なんだけど、自分の通っていた高校に似ているなぁなんて思いながら、読み進めていきました。気味の悪さと怖さで、どうなっちゃうの?と思いながらでしたが、高校生というキラキラした時間、同じメンバーが集まって同じことをしたとしても、けっして同じ気持ちにはなれないであろう特別な時間に思いを馳せていました。サヨコのことに、こだわる。大切にされるけれどもタブー視もされる、なんともいえない感じが高校生活にぴったりなのかな。こんな秘密に出会いたかった、なんて思います。そして、春の暖かい風が吹き、一気に爽やかな読後感です。

harukaze21さんのレビュー(2017年8月2日)

6.『光の帝国 常野物語』 映像化もされた名作、シリーズ第一弾

「常野物語」シリーズ第一作。現在まで『光の帝国』『蒲公英草紙』『エンド・ゲーム』が刊行されています。『光の帝国』は1997年に刊行され、2001年にNHKでテレビドラマ化されました。

恩田陸さん『光の帝国 常野物語 (集英社文庫)
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あらすじ

膨大な書物を暗記するちから、遠くの出来事を知るちから、近い将来を見通すちから―常野の一族にはそれぞれ不思議な能力があった。穏やかで知的で、権力への志向を持たず、ふつうの人々の中に埋もれてひっそりと暮らす彼らは、何のために存在し、どこへ帰っていこうとしているのか。不思議な優しさと淡い哀しみに満ちた、常野一族をめぐる連作短編集。

オススメのポイント!

不思議な力を持つ「常野一族」に、感情移入するとの声がブクログのレビューに多数寄せられています。常野一族の優しく健気な生き方に涙する方も。非日常でありながら、どこか現実味のあるファンタジーというところも、世界観に入りやすいポイントではないでしょうか。心が温まる一冊です。

中学生のころに恩田陸さんにはまったきっかけの本。恩田陸さんの本で一番好き。不思議な能力を持つ「常野」の一族をめぐる連作短編集。何度も読み返していて、毎回新鮮な感動がある。章ごとにテーマも雰囲気もがらっと変わり、感動する話も、不気味だったり怖かったり悲しい話もある。一つ一つの話は短いですが、まだまだたくさんの物語が後ろにあると感じさせてくれる広がりがあり想像力を刺激してくれる。
東北の故郷から様々な土地に散らばった彼らには、社会に溶け込み日常を生きる者もいれば、力によって悩んだり不自由な生き方を強いられる者もいる。中には、どうしようもない悲劇もあるが、最後の話では、離れても家族のような不思議な繋がりを持っている彼らの姿がとても優しい筆致で描かれ、切なくも暖かい気持ちに包んでくれる。

R_endooさんのレビュー(2016年1月11日)

7.『ネバーランド』 少年たちの7日間を描いた青春小説

2000年に刊行、2003年に文庫化。2001年テレビドラマ化もされました。

恩田陸さん『ネバーランド (集英社文庫)
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あらすじ

伝統ある男子校で寮生活をおくる少年たち。冬休みを迎え、その多くが帰省していく中、居残りを決めた4人の少年。イブの晩の「告白」ゲームをきっかけに事件が起き、それぞれが隠していた「秘密」が明らかに。驚きと感動に満ちた7日間を描いた感動の青春ストーリー。

オススメのポイント!

寮生活や、こんな学生時代が良かったと憧れる読者さんの声多数。個性豊かな4人の少年たちが過去やトラウマを告白し、絆を深めていく描写に心打たれます。「ノスタルジアの魔術師」という異名を持つ恩田陸さんならではの、どこか懐かしくも瑞々しさに溢れた世界観に浸れる一冊。

初めてこの作品を読んだとき彼らと同じ高校生で、ドラマも見てたし、寮生活っていいなぁと憧れてました。
四人が揃いも揃ってトラウマを抱えていて、それがわりにえげつない。これぞ青春!という感じはしないですが、大人にはない子供独特の不安定さを描ききっていて、どんなに大人びた言動をしようが彼らは高校生なんだなぁと思わされました。まさにネバーランドですね。
現代の高校生はコミュニケーションツールが多様だけど、作品中の時代の中ではスマホはおろかケータイやパソコンも出てこない。全て直の会話によってコミュニケーションがとられていて、それぞれの目の届かないところで、言い方は悪いけど“抜け駆け”されることはほとんどない。みんな平等にお友達。それが閉鎖的な空間で行われる告白ゲームに静かな凄みを感じさせます。恩田作品にはかかせない、まるで百物語でもしているかのような雰囲気でした。美国がわりとしょっちゅう怯えてますが、気持ちは分からなくもない。
あと、なんとなくこの4人は高校を出たらバラバラになって何年も会わなくなって、それでも同窓会とかで顔を合わせたら月日の流れなんてまるでなかったかのように高校時代に戻れるんじゃないかなと思いました。やっぱり読み終わると、寮生活っていいなと思います。

takosukeさんのレビュー(2018年9月2日)


恩田さんの名品はたくさんありますが、様々なジャンルがあって迷ってしまう方はぜひ上記7作を出発点に、恩田さんの作品を読み進めてみてくださいね。