『ペンギン・ハイウェイ』劇場アニメ公開前に要チェック!森見登美彦さん代表作7選!

映画「ペンギン・ハイウェイ」公開記念森見登美彦おすすめ7選

こんにちは、ブクログ通信です。

2018年8月17日、森見登美彦さんの『ペンギン・ハイウェイ』アニメ映画が公開されます。まだ日本では公開前ですが、カナダ・モントリオールにおける第22回ファンタジア国際映画祭にて、最優秀アニメーション賞にあたる今敏賞(長編部門)を受賞。公開前から高い評価がついている作品で、公開が楽しみですね。

2003年のデビュー以来実力作を刊行し続けており、熱心なファンも多い森見さん。けれどもまだ作品にふれたことがない方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回のブクログ通信では、森見さんの作品から7作のオススメ作をセレクトし、ご紹介いたします。

経歴:森見登美彦(もりみ とみひこ)さん

1979年奈良県生まれ。京都大学農学部卒、同大学院農学研究科修士課程修了。
2003年、『太陽の塔』で日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。2006年に『夜は短し歩けよ乙女』で本屋大賞2位、山本周五郎賞などを受賞し注目を集める。2010年『ペンギン・ハイウェイ』で2010年日本SF大賞、2014年『聖なる怠け者の冒険』で第2回京都本大賞、2017年『夜行』で第7回広島本大賞をそれぞれ受賞。
2010年に『四畳半神話大系』がTVアニメ化、2018年8月に『ペンギン・ハイウェイ』が劇場アニメ化された。
『きつねのはなし』『新釈 走れメロス 他四篇』など、京都を舞台にした作品が多い。

森見登美彦さんの作品一覧

1.『夜は短し歩けよ乙女』

2006年に単行本が発行され、第20回山本周五郎賞受賞、第137回直木賞候補、2007年本屋大賞第2位という評価を受けた作品です。2008年には文庫化され、さらに多くの読者に行き渡ることに。単行本・文庫本あわせミリオンセラーを記録した大ヒット作です。

森見登美彦さん『夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)
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あらすじ

「黒髪の乙女」に想いを寄せる「先輩」は、恋に恋焦がれつつ彼女の行き先を先回りして追い求める。下鴨神社、某有名大学学園祭、夜の先斗町(ぽんとちょう)。けれども先輩の想いに気づかない彼女は、彼をあざ笑うかのように「奇遇ですねえ!」と言うばかり。そして二人の周囲を取り囲む曲者たちと、不可思議な事件とは!?

オススメのポイント!

京都を舞台にした片思いの主人公による青春模様。登場人物全員がキャラ立ちしていて読み飽きない作品です。天然ながらも古風な「黒髪の乙女」に魅了されたかたも多いですね。大ベストセラーとなった本作は古風な表現・文章も入り混じり、一見とっつきにくそうなところもありますが、読み進めるうちにクセになってくるはずです。

2.『ペンギン・ハイウェイ』

2010年5月に単行本で発売され、同年の日本SF大賞を受賞しました。2012年11月文庫化されており、現在は2018年公開アニメ映画用の新カバーで流通しています。ブクログでも非常に人気が高い作品です。

森見登美彦さん『ペンギン・ハイウェイ (角川文庫)
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あらすじ

小学4年生のアオヤマくんは、研究が趣味。きちんとノートを取るし、たくさん本を読むし、大人に負けないほどいろいろなことを知っているつもりだった。けれども住んでいた郊外の町で突然ペンギンたちが現れる。彼らはどこから来たのか?近所の歯科医院のお姉さんの謎は?世界の不可思議へ立ち向かうアオヤマくんは、思いもよらぬ謎と、自分の感情に気付いていく―。

オススメのポイント!

日本SF大賞受賞作ですが、SF小説というだけでなく青春小説として楽しめるうえ、ところどころで森見ワールドが垣間見える贅沢な作品となっています。2018年のアニメ映画化の前に、ぜひアオヤマくんの一人称で語られる小説をお楽しみください。そしてアニメ映画特報はこちらです。

3.『太陽の塔』

2003年刊行。大学在学中に本作で第15回日本ファンタジーノベル大賞を受賞。森見さんのデビュー作にあたります。2006年6月に文庫化されました。

森見登美彦さん『太陽の塔
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あらすじ

三回生(大学三年生)の時に水尾さんという恋人ができて、楽しい日々を過ごしていた京大生・森川。しかし森川は水尾さんにフラれてしまい……彼女をさりげなく観察し、研究対象にしはじめた!森川の妄想的日常はどんどん膨らんで、行き先不明の疾走が始まっていく……!

オススメのポイント!

モテない大学生の行き詰まりがちな不器用さと、その葛藤。中二病とも形容されるような、あの思春期独特の感情と振る舞いが充満している作品です。そして京都を舞台にした一種の「京都本」でもあります。森見さんの世界観に入るための一冊目としてオススメです。なお、「モーニング・ツー」2018年6月22日号から『太陽の塔』コミック版が始まっています。要チェックですね!

4.『四畳半神話大系』

2004年12月に単行本発売、2008年3月に文庫化されています。2010年には『ノイタミナ』にてテレビアニメ化され、更に知名度を広げた人気作です。

森見登美彦さん『四畳半神話大系 (角川文庫)
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あらすじ

京都大学3回生の男子学生の「私」は、薔薇色のキャンパスライフを夢見ながらも無意義な2年間を過ごしてしまった。入学時に選んだサークルで小津と出会って生まれた不毛な日々。小津と出会わなければ理想の黒髪の乙女と出会って薔薇色の人生を送っていたに違いない……もしあの時違うサークルを選んでいたならば……。

オススメのポイント!

各章を読み進めていけばすぐに分かりますが、主人公の「私」がもし1回生であのサークルに入っていれば……という、人生のifストーリーが描かれる作品です。舞台設定は『太陽の塔』に近いところがありますが、「もしあの時こうしていたら」という思春期に考えがちな物語を楽しめます。終章、ifストーリーの行方にもびっくりの名作です。

2010年放送のテレビアニメも非常に素晴らしい完成度で、2010年度文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞、東京国際アニメフェア2011・第10回東京アニメアワードでもテレビ部門優秀作品賞をそれぞれ受賞しています。

5.『有頂天家族』

3部作となる予定の「たぬきシリーズ」第1部にあたります。2007年9月に単行本刊行、2010年8月に文庫化。なお続編第2部にあたる『有頂天家族 二代目の帰朝』も2015年2月に単行本が発売されており、2017年4月に文庫化。第1部、第2部はそれぞれ2013年、2017年にテレビアニメ化もされています。

森見登美彦さん『有頂天家族 (幻冬舎文庫)
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あらすじ

人に化けた狸と天狗が人間に紛れて暮らしている街、京都。狸の名門、下鴨家の三男・矢三郎は「面白きことは良きことなり!」が口癖。しかし矢三郎の父であり狸界の頭領でもあった「偽右衛門」総一郎は、「金曜倶楽部」の人間達に狸鍋にされ、帰らぬ狸となってしまう。宿敵・夷川家が幅を利かせるようになった京都の街で、下鴨家と夷川家、天狗も人間も巻き込んでの一大騒動が起こる―。

オススメのポイント!

本作も舞台は京都。けれども主人公は、なんと狸!狸社会の大騒動に天狗と、天狗の術を教え込まれた人間が絡んで、青春・恋愛・冒険活劇とあらゆる要素がごった煮になった贅沢な一作です。2作目の続編も刊行されていますが、本作は3作目まで続くそうで、ぜひ今のうちに読み込んでおきたいですね。TVアニメ版もオススメです。

6.『きつねのはなし』

2006年10月に単行本刊行、2009年6月に文庫化された短編集です。他の作品とはうってかわって、京都が怪しく不穏な陰をもつ街として描かれています。

森見登美彦さん『きつねのはなし (新潮文庫)
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あらすじ

不可思議な雰囲気をたたえた魅力的な女性、ナツメが店主を務める古道具店・芳蓮堂。そこでアルバイトしていた武藤は、風呂敷包みを託され奇妙な屋敷を訪れる。「知り合いから妙なケモノをもらってね」。天城の要求に応じてはいけないとナツメから忠告を受けていたにも関わらず、武藤は心の隙を突かれたかのように、古い狐の面を渡してしまった。そして、妙な出来事が降りかかる……(収録作「きつねのはなし」から)。

オススメのポイント!

様々な妖かしの気配が充満した、怪しさと裏腹な京都の鬱々とした街並みの描写。明るくエネルギーに溢れた他作品と比べ、薄暗く、うだるような湿度。森見さんのイメージが覆されること間違いなしで、この異なる作風に驚くかたもいるかもしれません。確かな筆力に裏打ちされた短編集ですので、ホラー好きなかたもぜひ!

7.『宵山万華鏡』

2009年7月に単行本発行、2012年6月に文庫化されました。有名な京都・祇園祭を舞台にした連作短編集です。『きつねのはなし』と同じく、この作品も京都は妖しさをたたえた町として描かれています。

森見登美彦さん『宵山万華鏡 (集英社文庫)
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あらすじ

京都、祇園祭の宵山にて。まつりの夜に、現実と妖かしの世界が入り乱れ。幼い姉妹、ヘタレ大学生達、怪しげな骨董屋、失踪事件に巻き込まれた過去をもつ叔父と姪。みなそれぞれの事情を抱えて、宵山へと迷い込んでいく……!万華鏡のように廻り続ける宵山で起こる、摩訶不思議な逸話たち。

オススメのポイント!

舞台となる京都・祇園祭の宵山の賑やかさ、騒がしさとともに、妖しげな存在がいたるところに現れて、読み手の好奇心や恐怖心をかきたてます。現実世界と幻想世界のあわいで起きる出来事を見るにつれ、思わず祇園祭を観に行きたくなってしまいます。森見ワールドの持つ全ての要素が詰まっていて、贅沢な一冊となっています。


森見さんの作品は京都+青春小説が多いのでそのイメージがついて回りますが、けしてそれだけではない作家です。幅広い作風をぜひお楽しみくださいね。どうか最初の一冊目が良い出会いでありますように!

参考リンク

この門をくぐる者は一切の高望みを捨てよ – 森見登美彦さんはてなダイアリー
森見登美彦さん Twitter