森見登美彦からディック・ブルーナまで!サン・ジョルディの日におすすめの本(1)

今回、ブクログ通信ではサン・ジョルディの日にあわせて、Twitter上でみなさんから「贈りたい本、もらったことのある本」を募集しました。絵本から仏像案内の本まで、バラエティ豊かな作品がたくさん集まりました!

「サン・ジョルディの日」はこんな日です

スペインのカタルーニャ地方で、4月23日サン・ジョルディの日と呼ばれています。この日は本の日とも呼ばれ、男性は女性にバラを贈り、女性は男性に本を贈ったりします。
もちろん親子や友達同士、また恋人同士でも本を贈りあいます。

今回は「贈っても、もらってもうれしい、すてきな本」をご紹介します!

「贈りたい本・もらったことのある本」の募集でたくさん集まった本の中から、第一弾の今回は「贈っても、もらってもうれしい、すてきな本」をご紹介します。第二弾の次回は「プレゼントとしては変化球かもしれないけれど、絶対におもしろい本」をまとめてご紹介しますので、そちらもお楽しみに!

では、さっそくご紹介します!

読むうちに黒髪の乙女に恋してしまう。 森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』

黒髪の乙女に恋した先輩が、夜の先斗町、下鴨神社の古本市など、京都のいたるところへ出向き、乙女との「偶然の出会い」を演出する。はたして先輩の想いは乙女に届くのでしょうか。読み進めるうちに、読者のわたしたちも、乙女の登場を心待ちにしていることに気付く、不思議な手触りの作品です。

しあわせな読後感を味わえる、森博嗣の異色作。 『銀河不動産の超越』

銀河不動産で働くことになった高橋は、周りに流されてゆるゆると生きる男の子。不動産屋につどう奇妙な客とやりとりをしながら、幸福をつかむために必要なことを知っていく。森作品としては異色の、やさしくあたたかい物語です。

最強の恋愛小説集。 三浦しをん『きみはポラリス』

様々な形があるのに、恋を恋とわかるのはなぜでしょう。感情の宇宙に放たれる、様々な色の光がここにあります。まぶしく切ない恋愛小説集です。

人とのふれあいで人生が変わる。 原田マハ『生きるぼくら』

引きこもっていた「人生」の生活は、あるとき母がいなくなったことで大きく変わります。4年引きこもっていた家を出て、一通の年賀状を頼りに、マーサばあちゃんのいる蓼科に向かった「人生」。そこで出会ったのは人の愛と、米づくりでした。作中に出てくるおいしいおにぎりの描写に、なんだかおなかもすいてくる一冊です。

みんな違っていいんだよ。 ディック・ブルーナ『うさこちゃんと たれみみくん』

惜しくも今年亡くなったディック・ブルーナですが、その魂は絵本に宿っています。片耳がたれている転校生のことを、みんなが「たれみみくん」と呼ぶのがなんだかとっても気になるミッフィー。「たれみみくん」って呼ばれるの、いやじゃないの?と、ダ―ンに尋ねるミッフィーの言葉に、普段、人を傷つけていることに無自覚なのではないかとはっとさせられます。

どんなにページをめくっても美しい。 『世界の美しい本』

海野さんが監修する、世界の文化を美しく紹介するシリーズの中でも特に、華やかで美しい一冊です。世界一美しいと言われる装飾写本『ケルズの書』、ウィリアム・モリスの「美しい本」、アール・ヌーヴォーからアールデコ期の書籍まで、資料としてもビジュアルブックとしても楽しめます。

どこかで暮らしている人のことを想像するだけで、なんだかちょっとうれしい。 エラ・フランシス・サンダース『翻訳できない世界のことば』

日本でいう「わびさび」のように、その国の文化にもとづいた、固有の言葉があります。この本では、他の国では翻訳できない言葉を世界中から集めて、解説とイラストで紹介してくれます。この本の言葉を手掛かりに、わたしたちは行ったことのない国で生活する人々の姿を、ありありと想像することができるのです。

うつくしく楽しい、初めての「あいうえお」。 安野光雅『あいうえおの本』

小さなお子さまはもちろん、大人もきっと楽しめる、初めての「あいうえお」の本。ひらがなの一文字から繰り広げられる言葉の世界。文字を覚えることで、世界が広がっていくということを絵本を通じて見せてくれる作品です。

おわりに

たくさんすてきな本がありましたね!
日本ではまだあまり身近ではないサン・ジョルディの日ですが、プレゼントをするひとつのきっかけとして使ってみてもいいかもしれません。
明日、「サン・ジョルディの日に贈りたい、もらったことのある本」の第二弾も公開予定です。今度はどんな本が出てくるのでしょうか。引き続きお楽しみに!

ここに挙げきれなかった、みなさんから寄せられた本も一緒に、twitterのモーメントにまとめました!ぜひこちらも見てみてくださいね。