ブクログ大賞人文書部門ノミネート作品をご紹介! スティーヴン・ワインバーグ『科学の発見』

ブクログ大賞が始まりました!
みなさんの投票で決まるブクログ大賞ですが、「ノミネートされている作品、読んだことないし投票しづらいなあ」と思われている方がいらっしゃるかもしれません。
前回は『おもしろい!進化のふしぎ ざんねんないきもの事典』をご紹介しました。さて、今回は本格的な科学史の書、スティーヴン・ワインバーグさんの『科学の発見』をご紹介します!ぜひ内容紹介とユーザーレビューなどを見て参考にしてください。

そもそも、ブクログ大賞のノミネート作品って、どうやって選んでいるの?

2016年5月1日から2017年4月30日の期間に発売された日本語刊行書籍の中から、ブクログでの登録数・評価数をもとに各部門のノミネート作品を選出しています。

ブクログ大賞人文書部門ノミネート作品 スティーヴン・ワインバーグさん『科学の発見』


ブクログの登録者数:388人 ★3.82評価

内容紹介

ギリシャの「科学」はポエムにすぎない。ノーベル物理学賞を受賞した著者が、容赦なく現代の科学者の目で過去を裁くことで現れてくるのは、「観察・実験・実証をもとにした科学」が成立するまでの歴史。

\ おすすめのレビュー!/

著者は1979年のノーベル物理学賞受賞者(「素粒子間に働く弱い相互作用と電磁相互作用を統一した相互作用についての理論(=ワインバーグ・サラム理論)への貢献」)。
その著者自らが「不遜な歴史書」と呼ぶ本書は、科学の発展についての考察であり、大学の教養学部生向けに行った講義が元になっている。
2015年に出版されると、本書は欧米で大きな物議を醸した。現代の基準で過去を裁くという歴史学の禁忌を破ったためである。
著者の筆は容赦がなく、プラトン、アリストテレス、デカルト、ベーコンといった過去の偉人たちを厳しく批判している。
ただ、著者の目的は、過去の人々の誤りを糾弾することではなく、科学的思考にはどういう要素が必要であるが、それがどのように発展してきたのかを考察することにある。
過去の歴史を振り返ることで、自然を科学的に探究するとはどういうことかが浮かび上がってくるのだ。

本書で特筆すべき点の1つは、歴史的発見の科学的・数学的背景をまとめた「テクニカルノート」が付いていることだろう。ピタゴラスの定理や、天体の運動、重力加速度、光の屈折といった課題に対して、どのように証明されてきたかがまとめられている。元々が教養学部生向けであるため、使用されている物理や数学の知識は高校卒程度で、比較的噛み砕かれた解説となっている。

ぽんきちさんのレビュー

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次回は人文書ノミネート作品のラスト! ユヴァル・ノア・ハラリさんの『サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福』をご紹介いたします。どうかお楽しみに!