妖怪・人間を魅力的に描く、畠中恵さんおすすめ・代表作5選!

畠中恵さん代表作・オススメ小説5選

こんにちは、ブクログ通信です。

『しゃばけ』シリーズで大変有名な畠中恵さん。2019年2月に「まんまこと」シリーズ第七弾の『かわたれどき』を刊行。6月14日にも『まことの華姫』文庫化が決まっています。これからも多くの作品が刊行され、ますますの活躍が期待される作家の一人です。

この機会に、ブクログから畠中さんの代表作・オススメ作を5作紹介いたします。畠中さんといえばやはり『しゃばけ』シリーズですが、シリーズをより楽しむための作品、そして読みやすい作品、知名度のある作品を集めているので、ぜひ参考にしてくださいね。

(2019年5月23日最終更新)

経歴:畠中 恵(はたけなか めぐみ)

1959年高知県生まれ。名古屋造形芸術短期大学(現・名古屋造形大学)ビジュアルデザインコース・イラスト科卒業後、漫画家アシスタントと書店員を経て、漫画家デビュー。そして故・都筑道夫の創作講座を受講。『しゃばけ』が第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞し、本作でデビュー、作家となる。
『しゃばけ』シリーズが代表作で、『しゃばけ』『ぬしさまは』はNHKラジオドラマ化された。2011年、『ちょちょら』で第24回山本周五郎賞候補。2016年『しゃばけ』シリーズで第1回吉川英治文庫賞を受賞。

畠中恵さんの作品一覧

1.『しゃばけ』 畠中さんのデビュー作・代表作・人気シリーズ第一作!

2001年に単行本が刊行され、同年第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞。畠中さんのデビュー作で、シリーズ化され、大人気作となりました。

畠中恵さん『しゃばけ しゃばけシリーズ1 (新潮文庫)
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あらすじ

江戸有数の大店、薬種問屋の若だんな一太郎は、一粒種で両親から可愛がられているけれど、めっぽう身体が弱く外出もままならない。そんな彼を、身の周りにいる犬神や白沢といった妖(あやかし)たちがいつも守っており、家族同然の付き合いだ。ある夜、外出した一太郎は人殺しを目撃。妖の助けを借りて犯人探しに乗り出す矢先、犯人の刃が一太郎を襲う。「洒落っ気いっぱい、近来の出色」と高い評価を受けた第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作!

オススメのポイント!

時代小説でありながら、魅力的な妖怪が次々と登場するファンタジー要素、登場人物たちの強さと弱さが両方あらわになる人情要素、そして殺人事件が起こるミステリー要素と、さまざまな要素を楽しめる作品です。シリーズどの作品も読んだことがないかたは、ぜひ一作目から読んでみてくださいね。

なお2007年にはNEWS手越祐也さん主演でテレビドラマ化されており、2008年には「うそうそ」を元に続編も作られました。

しゃばけシリーズ第1弾 しゃばけ [DVD]
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2.『しゃばけ読本』 長大人気シリーズを見通すために有用な一冊

2007年に単行本が刊行されており、今は文庫で入手可能です。しゃばけシリーズ9作目、『ゆんでめて』までのナビゲートガイドとなります。

畠中恵さん『しゃばけ読本 (新潮文庫)
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書籍内容

大人気しゃばけシリーズのナビゲートブック。物語や登場人物の解説はもちろん、戯作者&絵師の創作秘話、美麗イラストギャラリーなど、ファン必携の一冊。一太郎と鳴家の初めての出会いを描く、絵本『みぃつけた』も特別収録です。

オススメのポイント!

『しゃばけ』シリーズも10作を超え、まだ読んだことのないかたには見通しがつきにくい部分が出てきます。登場人物やストーリーの整理に便利ですし、新刊を読むため読む巻数をショートカットすることもできます(最初から読み進めるのがオススメですけれど)。特に、お馴染みの挿画と逸話が満載のイラストブック『みぃつけた』が読めるのがオススメのポイントです。

3.『つくもがみ貸します』 アニメ化も決定!

2007年に発表されました。2013年にシリーズ化。売上部数・人気ともに、『しゃばけ』に次ぐシリーズとなっています。

畠中恵さん『つくもがみ貸します (角川文庫)
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あらすじ

江戸は深川、お紅と清次の姉弟二人で切り盛りする小さな古道具屋兼損料屋、「出雲屋」。鍋、釜、布団、ふんどしと何でも貸し出す出雲屋ながら、その中には生まれて百年を経てつくもがみ(付喪神)という妖怪に化した古道具も。いたずら好きな妖怪たちは、あらゆるところで風聞を聞きつけてかしましく騒ぎ立てる。彼らの声を聞き取るお紅と清次は、お紅が想いを寄せながらも行方知れずとなっていた佐太郎のことを知る。

オススメのポイント!

『しゃばけ』シリーズとは異なり、出てくる妖怪たちは善良ではなく、プライドも高く、人間たちにも完全に懐くわけではない、いたずら好きな存在です。より人間側の感情の機微、ドラマ性が強く出てくる作品となっています。大人のドラマ、時代小説が好きな方には、このシリーズがオススメです。
続編『つくもがみ、遊ぼうよ』が刊行されています。『小説 野性時代』2018年6月号から、最新作『つくもがみ笑います』が連載中です。

2018年7月22日からNHK総合にてテレビアニメも放送開始!こちらから作品世界に入るのもオススメです。原作と見比べてみたいですね。

4.『つくも神さん、お茶ください』 畠中さんの趣味と思い出が詰まった初エッセイ集!

2009年に発表された、畠中さんの初エッセイ集です。

畠中恵さん『つくも神さん、お茶ください (新潮文庫)
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内容紹介

遅咲きで作家になったデビュー秘話。妖たちとの出会い。本、映画、創作の苦労……。そして小説の師匠、都筑道夫さんの思い出。作家の素顔とは。盛りだくさんの初エッセイ集。

オススメのポイント!

デビュー秘話や、つれづれに記される畠中さんの好みが興味深いエッセイ集。なんと畠中さんは、作家になるまでエッセイそのものを書いたことがない、という衝撃の事実が明かされます。そのせいかまだこなれていない部分も見受けられますが、次第に小説で見せるあの巧みな筆致がエッセイにも活かされてくる、その過程が分かるところが非常に面白いですね。

5.『まんまこと』 悪友三人組が人情と愛情のもつれを紐解く!

畠中恵さん『まんまこと (文春文庫) まんまことシリーズ 1
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あらすじ

玄関で揉めごとの裁定をする、神田の町名主跡取りとして生まれたお気楽気質の麻之助。そこに女好きの悪友・清十郎が「念者のふりをしてくれ」と言ってきた。嫁入り前の娘にできた、子供の父親にされそうだというのだが……同心見習い・堅物の吉五郎も加わって、悪友三人組が人情のもつれを紐解いていく。

オススメのポイント!

『しゃばけ』『つくもがみ、貸します』と同じ江戸時代が舞台ながらも、二作とは異なって妖怪が一切出ない作品が『まんまこと』シリーズです。古名主の息子、麻之助と親友の清十郎、吉五郎の三人組の青春時代短編小説です。他のシリーズよりも恋愛要素が強いのが特徴です。江戸時代の恋愛模様に興味があるかたにオススメの作品です。


畠中さんの作品を紹介いたしました。主に江戸時代を舞台にした小説を紹介いたしましたが、明治時代を舞台にした作品や、現代劇もあります。気になる方は、ぜひ手にとってみてくださいね。

どうか最初の一冊目が良い出会いでありますように!

参考リンク

しゃばけ倶楽部~バーチャル長崎屋~ | 新潮社