第44回大佛次郎賞を高村薫さん、第17回大佛次郎論壇賞を砂原庸介さんが受賞!

大佛次郎賞受賞作・高村薫『土の記』、大佛次郎論壇賞受賞作・砂原庸介さん『分裂と統合の日本政治』

こんにちは、ブクログ通信です。

第44回大佛次郎賞、第17回大佛次郎論壇賞が発表されました!今回のブクログ通信は、両賞の受賞作・受賞者を紹介いたします。

第44回大佛次郎賞 受賞作・受賞者の紹介

大佛次郎賞は朝日新聞社主催の文学賞で、大佛次郎氏の功績を称え1973年に創設されました。形式を問わず、優れた散文作品に贈られる賞です。毎年1~2名が選出され、賞金は200万円となります。

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朝日新聞デジタル「第44回大佛次郎賞 『土の記』――高村薫氏」(2017年12月17日)

受賞作:高村薫さん『土の記』(新潮社)

東京で生まれ育ちメーカー勤務を経て、奈良県の外れの旧家に入り婿して山間部で暮らす72歳の男性。淡々とした、けれど夢か現かも確かでない彼の日常、そして事件が描かれます。著者によれば、「訴えたいこととかストーリーとか、そんなことはどうでもよかった」「私を突き動かしていた原動力は、生の喜びでした」。農作業と災害、人の生死を重ねつつ描いた本作は、非常に高い評価を受けました。

著者:高村薫(たかむら・かおる)さん

1953年大阪市東住吉区生まれ、現在大阪府吹田市在住。国際基督教大学教養学部人文学科(フランス文学専攻)卒業。外資系商社の勤務を経て、作家活動に入る。1990年『黄金を抱いて翔べ』で日本推理サスペンス大賞、1993年『マークスの山』で直木三十五賞、1998年『レディ・ジョーカー』で毎日出版文化賞など、受賞歴多数。『レディ・ジョーカー』を境として、重厚な社会派ミステリーから純文学に転向。更なる活躍を続けている。『土の記』は野間文芸賞も同時受賞。

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第17回大佛次郎論壇賞 受賞作・受賞者の紹介

朝日新聞社主催。よりよい社会の創造を目指し、日本の政治・経済・社会・文化・国際関係等をめぐる優れた論考を顕彰すべく、2001年の新世紀を機に新設されました。新進気鋭の若手研究者に与えられることが多い賞で、賞金は200万円。奨励賞が与えられる年もあり、賞金は100万円となります。

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朝日新聞デジタル「第17回大佛次郎論壇賞 『分裂と統合の日本政治――統治機構改革と政党システムの変容』 砂原庸介氏」(2017年12月18日)

受賞作:第17回大佛次郎論壇賞 砂原庸介さん『分裂と統合の日本政治――統治機構改革と政党システムの変容』(千倉書房)

二大政党制を目指した政治改革が行われたはずなのに実現せず、有力野党が出現しないのは、地方議会の選挙制度が要因なのではないか。国政の選挙制度と地方の選挙制度との組み合わせの問題や地方分権改革の影響を探り、国政と地方政治の関係をあぶりだそうとする一冊。砂原庸介さんご自身の言による本書の狙いは、「sunaharayの日記」の投稿「分裂と統合の日本政治」をご覧ください。

著者:砂原庸介(すなはら・ようすけ)さん

1978年生まれ。大阪市立大学大学院法学研究科、大阪大学大学院法学研究科を経て神戸大学大学院法学研究科教授。ブリティッシュコロンビア大学(カナダ)客員准教授。2013年『大阪』でサントリー学芸賞受賞。ほか、著書に『地方政府の民主主義』、『政党組織の政治学』(共著)、『「政治主導」の教訓』(共著)。

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researchmap 研究者情報 砂原庸介さん

砂原庸介さんホームページ「Website of SUNAHARAY」

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贈呈式は2018年1月31日、東京都千代田区の帝国ホテル東京で行われる予定です。

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朝日新聞社インフォメーション | 大佛次郎賞・大佛次郎論壇賞

大佛次郎記念館

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