読書家、大谷翔平!その愛読書とは?新刊『道ひらく、海わたる』『育てる力』を通じて迫る

読書家、大谷翔平、読んできた本

こんにちは、ブクログ通信です。

元・北海道日本ハムファイターズ、現在メジャーリーグ・ベースボールのロサンゼルス・エンゼルスで大活躍を続ける、大谷翔平選手。日々活躍のニュースが伝えられてきます。打っては2日連続ホームラン、投げては2勝目、しかも7回無失点1安打、パーフェクト寸前だったとのこと。エンゼルスの公式InstagramやTwitterでも、その活躍に全世界から大きな賞賛が寄せられています。

ShoKKKKKKKKKKKK Ohtani, ladies and gentlemen 👏👏👏

Los Angeles Angelsさん(@angels)がシェアした投稿 –

しかし、その大谷選手が実は「読書家」だったことはご存知でしょうか?大谷選手は野球関連だけでなく、小説、コミック、ビジネス書まで広く読み、心に留まった言葉をノートに書き留めており、事実、過去さまざまな報道で大谷選手の読んでいる本が紹介されています。

そして大谷選手は北海道教育庁の「北海道子ども読書活動推進」、「読書促進全道キャンペーン」にも、推薦書を挙げながら参加しています。大谷選手が読書を通じた社会貢献の一端に関わっていることはもっと広まってほしい話題ですね。

読書に親しんでいる大谷選手について、その読書習慣に影響を与えた指導者たちのことにふれながら、メディアで取り上げられてきた読書歴をご紹介します。

大谷選手の読書のきっかけとはなにか?

2018年3月に発売された伝記、佐々木亨さんの『道ひらく、海わたる 大谷翔平の素顔』(扶桑社)の中で、お気に入りだったハリーポッター絵本の端が少しでも折れると泣きわめいたり怒ったりする子供だった、というご両親によるエピソードがあります(p.60)。本にまつわるエピソードとして貴重なものですね。

そして大谷選手が高校一年生の時、花巻東高校野球部で書いた「目標達成シート」。そこには読書について、具体的な記述があります。目標は「8球団からドラフトで指名する」ことで、その夢をかなえるための要素としてメンタル、スピード、キレ、体づくりと一緒に、「運」を挙げており、その運を引き寄せるために「本を読む」と記していました(スポニチアネックス「花巻東時代に大谷が立てた目標シート」(2013年2月2日))。

花巻東高校時代に大谷選手が師事した佐々木監督は、野球だけでなくもっと広い視野のもとで部員教育に携わっています。そのことが大谷選手に読書を促したことは明らかで、日本ハムに在籍していた当時の栗山監督が「(……)読書は相当していますよ。(花巻東)高校時代の佐々木(洋)監督に言われているみたいです」と言及していたことからも裏付けられます(デイリー新潮「栗山監督が初めて明かした! 「大谷翔平」謎に包まれた「趣味」「彼女」「クリスマスの夜」」週刊新潮 2018年1月4・11日号掲載)。

栗山監督も相当な読書家。球団にお願いをして、新人が必ず生活することになる球団寮「勇翔寮」寮生に、読書の時間を作ったそう。「視野を広げる一助にしてほしい、という気持ちでした。起床後の体操、食事、読書は、寮生のルーティンとしました。読書は時間にしたらわずか10分。2階のミーティングルームには野球の専門書、小説からビジネス書まで、200~300冊置いてあり、何を読んでも自由です」(現代ビジネス「大谷翔平らが暮らしている 日本ハム「勇翔寮」長所を伸ばす人間教育」(2014年12月13日))。

そして栗山監督が大谷選手に『論語と算盤』など、多くの本を紹介していたことも色々なところで言及されています(栗山英樹『育てる力』宝島社、pp.71-71, p.213, p.233)。

大谷選手本人の素養もあることでしょうが、周囲にいた二人の指導者が読書を推奨していたことが、大谷選手の読書を促進したのかもしれませんね。

大谷選手はなぜ本を読むのか?どう読んでいるのか?

ではなぜ大谷選手は本を読むのか。大谷選手は読書に有用性を求めている、と言えるかもしれません。先に、運を引き寄せるために本を読むという言及がありましたが、運を味方にするための手段として読書をすること、そしてスランプの時のヒントをも読書に求めていることが示唆されています(児玉光雄『大谷翔平86のメッセージ』三笠書房、p.146, pp.148-149)。

そんな大谷選手はシーズン中の忙しいときでも、時間があれば本を読んでいたそうです。

「そのときにもよりますけど、読めるときは1日で一気にいっちゃいますし、移動の際とか、時間があって眠くないときに読んでいます。1日にどれくらいとかは決めていない。読みたいときに読みたいだけ。お風呂に入っているときに読むことが多いですかね。湿気で本がふやけるのも気になりませんよ」サンスポ「日本ハム・大谷、実は大の読書家『読めるときは1日で一気に』」(2015年1月18日)

それでは、どんな本を読んでいるのでしょうか?まずビジネス書・自己啓発書からあたってみましょう。

読書歴…ビジネス・自己啓発書

『論語と算盤』

先に述べたように、栗山英樹監督が大谷選手に推薦していたことが『育てる力』(宝島社)などから分かります。大谷選手も「難しい」と評したそうですが、この本を読み通すことを年間目標にも挙げていたそうです。

『チーズはどこへ消えた?』

この本は2016年10月2日放送の「Mr.サンデー×HERO’S合体SP」において、大谷翔平選手が「野球関連書のほかに『チーズはどこへ消えた?』を愛読している」と答えたことから話題になりました。

『イーロン・マスクの野望』

北海道教育庁による読書促進全道キャンペーン「グラブを本に持ちかえて2016」で紹介されています。

「人類の新しい環境になる火星への移住を企てる革命家イーロン・マスク氏の野望を描いた本です。宇宙ロケットの打ち上げなど宇宙輸送を事業とする会社を設立。民間事業として初めてロケットの打ち上げに成功します。人生に一度、宇宙に行ってみたい、という思いがさらに強まりました」

その他にも、夕刊フジ「“栗山先生”『二刀流成功論』熱弁『翔平は自分がやると決めたことはやりつづける』白鴎大で特別講義」(2017年11月30日)によれば、中村天風、カーネギー、稲盛和夫など、さまざまな愛読書があります。

読書歴……野球・トレーニングの本

当然、野球についての本も目を通しています。デイリースポーツの「日本ハム大谷 オフは“読書男子”だ」(2015年12月10日)によれば、野球人の刊行する新刊についても目を光らせています。

未徹在

著者 : 栗山英樹

ベストセラーズ

発売日 : 2015年11月21日

ブクログでレビューを見る

Amazonで購入する

また、トレーニングや栄養学の本も熱心に読んでいます。先の記事、夕刊フジ「“栗山先生”『二刀流成功論』熱弁『翔平は自分がやると決めたことはやりつづける』白鴎大で特別講義」によれば、少なくともこの2冊に目を通しているようです。注目したいのは、2冊ともに2017年の近刊ということ。記事の日付とも近いことから、大谷選手は新刊にもだいぶ気を配って読書していることが判明しました。

石井直方の筋肉の科学 ハンディ版

著者 : 石井直方

ベースボール・マガジン社

発売日 : 2017年10月11日

ブクログでレビューを見る

Amazonで購入する

読書歴……文芸書、コミック

サンスポ「日本ハム・大谷、実は大の読書家『読めるときは1日で一気に』」(2015年1月18日)の記事で言及されています。インド人初の大リーガーを誕生させたスポーツ・エージェント、J. B. Bernsteinの逸話をもとにした作品で映画化されました。大谷選手らしいセレクトですね。

大谷選手はコミックも読んでいますが、「ほとんどお風呂用」とのこと。
「【この人の本音聞いちゃいました】日本ハム・大谷翔平投手 ベールに包まれたプライベートを披露! (1/2ページ)」(2015年1月7日)

おそらくここまでに紹介してきた本は、大谷選手が読んできた本のごく一部でしかないと思われます。活躍が続けば続くほど、読書家・大谷選手がいま何を読んでいるのか、知りたくなってしまいますね。

大谷選手のファンや、興味を持った読書人のかたは、ぜひここにある本を手にとって、大谷選手の思いを追体験してみてくださいね。

参考リンク

ロサンゼルス・エンゼルス公式Instagram “Angels”
ロサンゼルス・エンゼルス公式Twitter “Angels”
北海道教育庁生涯学習推進局生涯学習課社会教育・読書推進グループ「読書促進全道キャンペーン」「グラブを本に持ちかえて」2016
日本ハムファイターズ 公式ホームページ
ほんのひきだし「16年前に大ヒットした『チーズはどこへ消えた?』が再びブーム!日ハム・大谷翔平も愛読」(2017年3月6日)