【おくやみ】小野寺健さん逝去─カズオ・イシグロさんなど多数の名著を翻訳

小野寺健さんの逝去 カズオ・イシグロ、ジョージ・オーウェルなど翻訳

2018年1月1日、英文学者・翻訳家の小野寺健さんが亡くなったことを朝日新聞・毎日新聞が報じました。享年86歳でした。ご冥福をお祈りします。

朝日新聞「英文学者の小野寺健さん死去 カズオ・イシグロなど翻訳」(2018年1月9日)
毎日新聞「訃報 小野寺健さん86歳=英文学者、横浜市立大名誉教授」(2018年1月9日)

小野寺健(おのでら・たけし)さん(1931年9月19日 – 2018年1月1日)

神奈川県横浜市生まれ。1950年東京大学教養学部入学、1953年文学部英語英文学科進学。1955年に同大学院人文科学研究科英語英文学専修入学、1957年専修終了(文学修士)。のち1968年英国政府留学生としてリーズ大学大学院に留学、Postgraduate Diploma in English課程修了(ディプロマ取得)。1957年茨城大学専任講師を経て、1960年横浜市立大学専任講師。1963年同大学助教授、1976年同大学教授、のちに名誉教授。1996年、横浜市立大学定年退官ののち日本大学文理学部,同大学院教授(研究所)に着任。2001年定年退職により同大非常勤講師に。

専門は英文学で、特に20世紀イギリス小説。2017年にノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロさんをはじめ、オーウェル、ブルックナーなど翻訳多数。エッセイ集もある。

小野寺健さんの代表作

翻訳者としてはカズオ・イシグロさんの『遠い山なみの光』を訳したことで、多くの人が小野寺さんの翻訳にふれているはずです。本書解説部で、原著の日本人名を漢字表記に翻訳したときのことについて、イシグロさんとのやりとりと解釈(特に景子、佐知子、万里子の表記)が言及されています。

また、岩波文庫ではオーウェルの評論を翻訳しています。

他にも多くの翻訳を残していますが、とりわけこの両書の翻訳は多くの人に読まれる不朽の業績となるでしょう。

また小野寺さんは多くのエッセイも残しています。長年の知見を活かしたエッセイは、多くの人に読まれています。

小野寺健さんのおすすめランキング

これからも小野寺健さんの著作と翻訳が多くの人に読まれることを願ってやみません。

参考リンク

日本大学大学院総合社会情報研究科「小野寺健先生」