12月23日公開映画特集!芥川賞作家・綿矢りささん原作『勝手にふるえてろ』ほか映像化作品に迫る

12月23日公開映画『勝手にふるえてろ』『未成年だけどコドモじゃない』書籍紹介

こんにちは、ブクログ編集部です。

12月23日公開映画のうち3作が、書籍の原作です。今週の注目作は、芥川賞作家・綿矢りささん原作「勝手にふるえてろ」。「未成年だけどコドモじゃない」、「二十六夜待ち」も23日公開です。「ブクログ通信」で映画・原作両方をご紹介!映画を観るまえに、原作のストーリーと一緒に目を通してみてはいかがでしょうか?

12月23日公開 綿矢りささん原作 映画「勝手にふるえてろ」

脳内でずっと片思いをしている相手と、今付き合っているリアル彼氏。その二人、理想と現実、どちらも欲しい─そんなOLヨシカの行き先は?
キャスト: 松岡茉優、渡辺大知、石橋杏奈、北村匠海、趣里
監督:大九明子

原作『勝手にふるえてろ』(文藝春秋)

第27回織田作之助賞大賞候補にもなった本作は、ブクログユーザーにも広く受け入れられています。

想いを告げられなかった片思いの相手ほど、数年経っても心に引っ掛かり、思い出とともに美化され、気付けば記憶の中で”完璧な人”に変貌してたりします。中学時代に片思いをした相手が忘れられず、それ以降OLになった現在まで恋愛経験ナシの主人公・ヨシカ。中学卒業以降一度も会うことなくヨシカの脳内で「理想の王子様」として君臨する”イチ”、全然タイプじゃないけれどヨシカのことを好きと言ってくれる”ニ”。この2人の狭間で揺れ動く決心のつかない主人公は、片思いと妄想を拗らせ過ぎて痛いです。

放浪金魚さんのレビュー

著者の綿矢りささんにとって、『勝手にふるえてろ』は2004年に『蹴りたい背中』で第130回芥川龍之介賞受賞してから4作目。この『勝手にふるえてろ』からはコンスタントに作品を描き続け、どの作品もヒットを飛ばしています。2012年には『かわいそうだね?』で大江健三郎賞を受賞。もはや芥川賞を史上最年少で受賞したアイドル作家と見るひとはいないでしょう。若くして名実兼ね備え、大作家への道を歩み続けています。

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12月23日公開 水波風南さん原作 映画「未成年だけどコドモじゃない」

世間知らずのお嬢様香琳は、成績優秀スポーツ万能、憧れの尚との結婚をプレゼントされる。しかし、尚はそもそも遺産目当てで香琳を好ましく思っていない。まさかの家庭内別居…!彼に振り向いてもらうため、香琳の日々が始まった。そしてまさかの四角関係!?
キャスト:中島健人、平祐奈、知念侑李、山本舞香、高嶋政宏
監督:英勉

原作『未成年だけどコドモじゃない』(小学館)

この映画、Sexy Zone中島健人さん、Hey!Say!JUMP知念侑李さんらジャニーズの男性キャストにも注目が集まっていますね。書籍原作は波乱万丈の結婚ラブコメディーということで、女性ユーザーのかたに読まれている作品です。

そんな超ワガママお嬢様が、16歳の誕生日に父親の一存で突然、結婚することに。当然ダダをこねるけど、お相手は初恋の相手・鶴木先輩。コレは運命の恋――のハズが新婚生活は一筋縄ではいかないようで…名作「今日恋」最後の番外編も同時収録!!

moominvalley26さんのレビュー

著者の水波風南さんは性描写などにふれた作品が多く、大人の女性にも広く読まれる作家のひとりです。作品の映画化は、大ヒット作の『今日、恋をはじめます』に続いて二作目となります。

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12月23日公開 佐伯一麦さん原作 映画「二十六夜待ち」

震災ですべてを失い、福島の叔母に身を寄せた由実は、小さな飲み屋で働くことになる。その店主・杉谷は記憶を失っている。周囲の人々の暖かさの中でも、杉谷は孤独を感じていた。由実と杉谷は、やがて引き寄せ合うように心と体を寄り添わせるようになるが、次第に心も体も、離れていく─。
キャスト: 井浦新、黒川芽以、天衣織女、鈴木晋介、杉山ひこひこ
監督:越川道夫

原作『光の闇』(文藝春秋)

光の闇

著者 : 佐伯一麦

扶桑社

発売日 : 2013年4月24日

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原作は連作短編集『光の闇』で、「二十六夜待ち」はその中の一作です。聴覚、視覚、嗅覚、脚、声、記憶を失ったこと、その「欠損感覚」に問いかける小説です。身体の一部をうしなってからの人生と物語とはなにかを示します。

欠損感覚を持ちながら生活している人々の記録。嗅覚障害の治療をしている知人がいるので、重ね合わせて読んだ。大震災以降の記述も。表紙絵は東北のゆかりの画家のもの。

「かあさん」さんのレビュー

佐伯一麦さんは宮城県仙台市生れ。雑誌記者、電気工など様々な職に就き、作家の道に入りました。私小説の書き手として傑出した業績をあげています。1990年『ショート・サーキット』により第12回野間文芸新人賞、1991年『ア・ルース・ボーイ』により第4回三島由紀夫賞、2004年『鉄塔家族』により第31回大佛次郎賞、2007年『ノルゲ Norge』により第60回野間文芸賞を受賞など受賞多数。東日本大震災で被災してからは、その体験と思索が『光の闇』をはじめ多くの作品に影響を及ぼしています。

佐伯一麦さんの作品一覧

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