新元号「令和」の典拠は『万葉集』!ブクログからオススメの参考書!

新元号「令和」の典拠は『万葉集』!ブクログからオススメの参考書!

こんにちは、ブクログ通信です。

2019年4月1日、平成にかわる新元号が決定しました。新元号は、「令和」。菅官房長官が墨書を掲げました。この元号について、『万葉集』五巻「梅花の歌」三十二首の序を典拠にしたこともあわせて発表されました。安倍首相は談話のなかで、令和の意味として「人々が美しく心を寄せ合う中で文化が生まれ育つという意味が込められている」と説明。1200年あまり前に編纂された日本最古の歌集であることから、「豊かな国民文化と長い伝統を象徴する国書」と典拠の理由を語りました。

今回ブクログ通信から、その典拠をおさえるための参考書をご紹介します。

おすすめその2 『新版 万葉集 一 現代語訳付き (角川ソフィア文庫)』

新版 万葉集 一 現代語訳付き (角川ソフィア文庫)
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「時に、初春の令月にして、気淑く風和ぐ。梅は鏡前の粉を披く、蘭は珮後の香を薫らす」と、本書385ページに掲載されています。現代語訳は、「折しも、初春の佳き月で、気は清く澄みわたり風はやわらかにそよいでいる」と386ページに示されています。『万葉集』本文を現代語といっしょに読み解ける本として、オススメです。なお、より簡単な『万葉集』要約+解説書として『万葉集 ビギナーズ・クラシックス』(ただし年号にあたる部分は軽く解説でふれるにとどまります)、そして上野誠さんによる『はじめて楽しむ万葉集』もよいでしょう。

おすすめその2 『万葉集(二) (岩波文庫)』

万葉集(二) (岩波文庫)
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こちらでも68ページに収録されています。「時に、初春の令月、気淑しく風和らぐ……」。「あたかも初春のよき月、気は麗らかにして風は穏やかだ」と現代語訳が69ページに示されます。先の角川ソフィア文庫に比べて、文庫二巻目というところで買いにくさを感じますが、訳注が大変多く読み込むのに優れていますので、見比べてみるといいかもしれませんね。なお『原文 万葉集(上)』と併用すると、本格的な勉強をすることができます。

おすすめその3 『万葉集 全訳注原文付(一) 』

中西進さん『万葉集 全訳注原文付(一) (講談社文庫)
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こちらにも「令和」に関する一節が収められています。万葉学の第一人者である中西進博士による仕事で、原典との照応が一目で理解できるよう、原文、読み下し文、全訳、語注をそろえています。初版1978年ということで、現在の目からすると読みにくい箇所があるかもしれませんが、確かな実績のある学者による仕事で、オススメしたい一冊です。ぜひ他の訳注と見比べてみてくださいね。

おすすめその4 『楽しくわかる万葉集 (図解雑学)』

楽しくわかる万葉集 (図解雑学)
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そもそも『万葉集』とは?という人におすすめなのがこちらの入門書。イラストや図解を使って、『万葉集』を全く知らない人でも楽しめるようなつくりになっています。

これから更に「令和」についての論考が発表されると思いますが、さしあたりこれらの本からチェックしてみてはいかがでしょう?一冊目選びの参考にしてみてくださいね。