東京・小石川「Pebbles Books」訪問&久禮亮太さんインタビュー!

Pebbles Books平積み

こんにちは、ブクログ通信です。

昨年『スリップの技法』を記したフリーランス書店員久禮亮太さんが、2018年9月15日に新刊書店「Pebbles Books」をオープンしました。今回ブクログで店舗へおじゃましました!お店の様子をご紹介します。

潜入!Pebbles Books

Pebbles Books看板
Pebbles Books看板

「Pebbles Books」最寄り駅は丸の内線・後楽園駅、都営大江戸線・三田線の春日駅で、両駅から徒歩7-10分ほど。バスを使う場合は、池袋駅東口~上野公園間を通る「都営バス上60」「小石川二丁目」停留所、あるいは文京区コミュニティバス「Bーぐる」「小石川一丁目」停留所から各徒歩3分です(詳しくは【こちら】を参照)。

普通の一軒屋ながら、路面に面したガラス張りの部分から、店内と看板を確認することができます。

1Fは新刊・話題書、文庫、雑誌、実用書、児童書のコーナーです。店内に入ると、すぐに書店の顔となる大きな平台・新刊台が現れます。他のお店ではなかなか見かけない本も並んでいますね。

Pebbles Books新刊台
Pebbles Books新刊台
Pebbles Books文庫本コーナー
Pebbles Books文庫本コーナー

2Fは専門書コーナーで、人文・社会(ビジネス)・自然科学の本と、芸術書が並んでいます。学際的な本がたくさん並んでいますが、それぞれのジャンルで定評のある本、著名研究者の専門書も十分在庫していました。

Pebbles Booksビジネス書コーナー
Pebbles Booksビジネス書コーナー
Pebbles Books人文・自然科学コーナー
Pebbles Books人文・自然科学コーナー

芸術書は、いま話題の美術展や、作家の生誕・没後メモリアルイヤーにまつわる本が目立つように並んでいますね。

Pebbles Books芸術書コーナー
Pebbles Books芸術書コーナー

1F、2Fともにけして広くはない店内ですが、それぞれの壁棚に本がたくさん詰まっているので、思ったより沢山の本が並んでいることがわかります。

店主・久禮亮太さんインタビュー

久禮さんに、Pebbles Booksについてインタビューいたしました。

Pebbles Books店主・久禮亮太さん
Pebbles Books店長・久禮亮太さん

―このお店を開店するに至ったきっかけを教えてくださいますか。

このPebbles Booksの一軒屋は、元々僕が関わっている「神楽坂モノガタリ」をオープンしたときのオーナーが持っている物件だったんです。2年ほど前、オーナーから「もうちょっと専業としての本屋をやりたいんだろう?」と声をかけていただきました。神楽坂モノガタリでの選書は前提として、その一方でもっと新しい試み、やりたいことのため動いてみては、と有り難いご提案を受けました。そして、手始めにということで、ここで空いていた一軒屋を使う許可をいただいたんです。

ただ2年前は『スリップの技法』の執筆に専念していて、場所の許可は頂いていたものの、具体的には動けなかったんですね。本を書き終わって、プロモーションもひと段落して、具体的に動き始めたのが2018年、今年の春先だったんですよ。

―「Pebbles Books」は、久禮さんの以前の勤務先「あゆみブックス小石川店」に近い場所で開店しましたけども、狙ってこの場所に出店したわけではなかったんですね。

そうです。土地勘がある場所を探したわけではないんです。使っていいよ、といわれた物件が小石川だった、ってことですね。幸運かつ、ありがたい限りです。

―いま、久禮さんは神楽坂モノガタリとこのPebbles Booksを掛け持ちしているのですか。

両方に関わっています。もちろん両方フルタイムで働いているわけではありません。Pebbles Booksには渡辺くんという相棒、もう一人のスタッフがいて、僕が1Fの新刊・話題書・文芸書、2Fの人文書や芸術書を担当し、彼が残りのジャンルを主に担当しています。

―オープン以来、客足はいかがですか?

安定していますね。習慣的に来てくださっている方々のお顔が見え始めた、という感じです。やはり近所に住まわれている方が、徐々に店についてきてくださっている感じです。

―このお店は通りから一本入った場所の住宅街にありますね。お近くの方々がいらっしゃっているのですか。

そうです。ここは大通りや駅前に面しているわけではありませんが、店が面している細い道路は、ここにお住まいの方々の「生活道路」なんですよ。当初想定していた以上に、地元の人に支えていただいている、という思いがあります。

―大手スーパーもすぐそばにありますものね。前に勤めていた「あゆみブックス小石川店」のお客様がいらっしゃることもあるんですか。

たくさんの方がおいでくださいます。この店の内装工事期間中に、店の黒板に「あゆみブックス小石川店の店長が!」という開店告知を続けていたからかもしれません。その告知が生活道路にあったことから、多くの方々が目にして、当店に来てくださったんだと思います。

―開店当時と品揃えも変わってきていますね。やはり久禮さん自身が『スリップの技法』で示した、実売を通した顧客とのコミュニケーションが役に立っているのですか。

そうですね。顧客の購買行動を吟味して次の品揃えを決めていくうえで、『スリップの技法』で述べてきたような手法を使っています。

―今後Pebbles Booksはどんなお店になっていくのでしょう。

まず二階の壁面で展示スペースを作りたいと思っています。書籍にまつわる絵画、そして雑貨類を置きたいんですよね。個人の作家さんがたが作品を発表する機会を作りたいな、と。

次に、開店して物流面も落ち着いてきたので、雑誌・コミックをやりたいです。いま地元の方々から定期的に週刊誌やコミックの注文、定期購読を頂いていますし、もっと使い勝手のいいお店でありたいと思います。

これから更にどんどん内装も品揃えも変わっていきますので、すでに一度当店においでいただいた方も、また機会を見つけたときにおいでくださると嬉しいです。


久禮さん、ありがとうございました!ぜひみなさん、Pebbles Booksに足を運んでみてくださいね。

店舗情報

店舗

「Pebbles Books」
住所:東京都文京区小石川3―26―12【GoogleMAP

アクセス:丸の内線の後楽園駅徒歩10分 / 都営大江戸線・三田線春日駅徒歩7分 / 都営バス(上60)「小石川二丁目」徒歩3分 / 文京区コミュニティバス「Bーぐる」「小石川一丁目」徒歩3分
営業時間:13時~22時、日曜のみ10時~19時
定休日:火曜・水曜

参考リンク

Pebbles Books Twitter
久禮亮太 Twitter
久禮書店
「書店員という仕事の面白さを伝えたい─出版不況に対し自分の立場から言えること 久禮亮太さん『スリップの技法』発売記念インタビュー前編」(2017年11月21日)
「人工知能に書店員は負けない─生身の人の実在がある限り、一緒に何かをやりたい 久禮亮太さん『スリップの技法』発売記念インタビュー後編」(2017年11月22日)
「久禮亮太さん×辻山良雄さん×石橋毅史さん「本屋のしごとの伝え方」トークイベントレポート」(2018年1月23日)