「キノベス2019」発表!1位は、瀬尾まいこさん『そして、バトンは渡された』!

『本の雑誌』上半期ベスト1、キノベス2019『そして、バトンは渡された』

こんにちは、ブクログ通信です。

12月26日、紀伊國屋書店スタッフの選考によって決定する賞、「キノベス!2019」が発表されました!!「紀伊國屋じんぶん大賞2019」と同日の発表になりました(詳しくは「紀伊國屋じんぶん大賞2019」発表!1位は木庭顕さん『誰のために法は生まれた』!参照)。

キノベスとは?

2003年に始まった「キノベス!」は、過去1年間に出版された新刊(文庫化タイトル除く)を対象に、紀伊國屋書店スタッフが「自分で読んでみて本当に面白い、ぜひ読んでほしい本を選び、お客様におすすめしよう」という企画です。今年は18名の選考委員が、紀伊國屋書店の全スタッフから公募した推薦コメントを熟読し、ベスト30を決定いたしました。

キノベス!2019フェアは、2019年2月1日(金)より、全国の紀伊國屋書店にて一斉開催予定です。スタッフが各作品に寄せたコメントを掲載した小冊子を店頭にて配布いたします。

プレスリリース
「紀伊國屋書店スタッフが全力でおすすめするベスト30「キノベス!2019」を発表」から

キノベスで取り上げられる文芸作品は本屋大賞の有力候補としても選出されることが多く、業界内外から広く注目される賞のひとつです。また、書店が独自で発表しているさまざまな賞の先駆けであり、キノベスを模範として多くの書店賞が誕生した、といっても過言ではありません。今回で16回を迎え、徐々に伝統もできあがってきました。以下、発表されたベスト30をご紹介します。リンク先でブクログユーザーのコメントも確認できますので、ぜひあわせてご覧くださいね。

キノベス ベスト10発表!

キノベス1位 『そして、バトンは渡された』瀬尾まいこ(文藝春秋)

父親が3人、母親が2人いる17歳の少女の物語。家族の形態は、17年間で7回も変わったけれど、全然不幸ではない―。第31回山本周五郎賞候補、『ダ・ヴィンチ』2018年5月号「今月のプラチナ本」、「本の雑誌が選ぶ上半期ベストテン」1位、第6回ブクログ大賞ノミネートなどなど、非常に高い評価を受けていた作品です。本作が、瀬尾まいこさんの最高傑作という声もあるほどでした。

キノベス2位 『ある男』平野啓一郎(文藝春秋)

事故で亡くなった、愛したはずの夫は、まったくの別人だった。平野啓一郎さんが小説家としてデビューしてから20年。私の存在、死生観、そして愛が問われている作品です。ブクログでも非常に高い平均評価を受けていましたが、キノベスでも堂々の2位に。

ある男

著者 : 平野啓一郎

文藝春秋

発売日 : 2018年9月28日

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キノベス3位 『地球星人』村田沙耶香(新潮社)

なにがあってもいきのびること。恋人と誓った魔法少女は、世界=人間工場と対峙する。芥川賞受賞作の『コンビニ人間』受賞後の第一作目で、村田紗耶香さんの世界観がさらに強烈に表現された作品となりました。

キノベス4位 『みえるとか みえないとか』ヨシタケシンスケ(さく) / 伊藤亜紗(そうだん)(アリス館)

宇宙飛行士のぼくが降り立ったのは、なんと目が3つあるひとの星―。『目の見えない人は世界をどう見ているのか』(光文社新書)の著者、伊藤亜紗さんに触発され、ヨシタケシンスケさんがその内容をわかりやすく記しました。多様性の尊重を示す作品として、児童書の読者にとどまらないような高い評価を受けています。

キノベス5位 『アウシュヴィッツの歯科医』ベンジャミン・ジェイコブス(紀伊國屋書店)

1941年、ポーランドで暮らしていた21歳のユダヤ人青年が、ナチス・ドイツの強制収容所へ送られる。歯科医の勉強を始めて1年目の彼が、歯の治療用具箱を持っていたことで、自分と家族の命を救うことになる。奇跡的に生きのびた青年によるノンフィクション作が5位に入りました。

キノベス6位 『文字渦』円城塔(新潮社)

昔、文字は生きていた!文字は古代、漢字の起こりから未来、文字のあの世まで、さまざまに姿を変えて現れる。この「文字小説」は2017年に川端康成文学賞を受賞し、Twitterでも話題になった作品でした。

文字渦

著者 : 円城塔

新潮社

発売日 : 2018年7月31日

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キノベス7位 『さざなみのよる』木皿泉(河出書房新社)

小国ナスミ、享年43。息をひきとった瞬間から、彼女の言葉と存在は、湖に落ちた雫の波紋のように家族や友人、知人へと広がっていく。木皿泉さんの小説第二作目です。

さざなみのよる

著者 : 木皿泉

河出書房新社

発売日 : 2018年4月18日

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キノベス8位 『歌集 滑走路』萩原慎一郎(KADOKAWA)

2017年6月8日に自死した、非正規雇用の著者が残した短歌集。様々なメディアで取り上げられ、多くの人々に感銘を与えました。

キノベス9位 『犬と猫どっちも飼ってると毎日たのしい』松本ひで吉(講談社)

ツイッターで大人気の作品が単行本化!天真爛漫な犬と、ツンデレな猫とのコンビが、犬派も猫派も、読み手の誰もを楽しませてくれます。

キノベス10位 『熱帯』森見登美彦(文藝春秋)

第160回直木賞候補にも挙がった森見さんの最新刊が10位に!1月の選考が楽しみですね。

熱帯

著者 : 森見登美彦

文藝春秋

発売日 : 2018年11月16日

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みなさんが今年読んできた本、読みたい本は見つかりましたか? 以下、11位から30位をご紹介します。

キノベス11~30位

キノベス11位 『骨を弔う』宇佐美まこと(小学館)

キノベス12位 『火のないところに煙は』芦沢央(新潮社)

キノベス13位 『ミステリと言う勿れ』田村由美(小学館)

キノベス14位 『クマとたぬき』帆(KADOKAWA)

キノベス15位 『本を贈る』笠井瑠美子 / 川人寧幸 / 久禮亮太 / 島田潤一郎 / 橋本亮二 / 藤原隆充 / 三田修平 / 牟田都子 / 矢萩多聞 / 若松英輔(三輪舎)

キノベス16位 『最初の悪い男』ミランダ・ジュライ(新潮社)

キノベス17位 『メタモルフォーゼの縁側』鶴谷香央理(KADOKAWA)

キノベス18位 『1ミリの後悔もない、はずがない』一木けい(新潮社)

キノベス19位 『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』新井紀子(東洋経済新報社)

キノベス20位 『ののはな通信』三浦しをん(KADOKAWA)

キノベス21位 『そしてミランダを殺す』ピーター・スワンソン(東京創元社)

キノベス22位 『#名画で学ぶ主婦業』田中久美子(宝島社)

キノベス23位 『弁当屋さんのおもてなし ほかほかごはんと北海鮭かま』喜多みどり(KADOKAWA)

キノベス24位 『マリコ、うまくいくよ』益田ミリ(新潮社)

キノベス25位 『原爆 広島を復興させた人びと』石井光太(集英社)

キノベス26位 『リアルサイズ古生物図鑑 古生代編』土屋健(技術評論社)

キノベス27位 『夢印』浦沢直樹(小学館)

キノベス28位 『日本のヤバい女の子』はらだ有彩(柏書房)

キノベス29位 『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』花田菜々子(河出書房新社)

キノベス30位 『14歳、明日の時間割』鈴木るりか(小学館)

キノベスにランキングした著者・出版社、関係者のみなさまおめでとうございます。「キノベス!2019フェア」は2018年2月1日(木)より全国の紀伊國屋書店で開催。紀伊國屋書店のスタッフコメントが楽しみですね。

関連リンク

紀伊國屋書店スタッフが全力でおすすめするベスト30「キノベス!2019」(2018年12月26日更新)