2018年度文庫ベストテン!『本の雑誌』が選ぶオススメ文庫とは―!?

『おすすめ文庫王国2019』ベストテン!

こんにちは、ブクログ通信です。

12月7日、『おすすめ文庫王国2019』が発売されました。書評誌『本の雑誌』が毎年年末に刊行しているシリーズの最新作です。この中で2018年文庫ベストテンが発表されております!

おすすめ文庫王国2019
ブクログでレビューを見る

ブクログ通信で、『おすすめ文庫王国2019』「2018年度文庫ベストテン」をご紹介します。なお、『おすすめ文庫王国2019』ではオールタイムベストテンや、現代文学・恋愛小説・SFなど、ジャンル別ベストテンも多数収録されており、新井素子さん、永江朗さん、北村浩子さん、大森望さんらをはじめ、大変多くの方々が寄稿しています。気になった方は、ぜひ手にとってご覧くださいね。

1位 中村計さん『勝ち過ぎた監督 駒大苫小牧 幻の三連覇』(集英社文庫)

多くの偉業を成し遂げた高校野球監督の栄光と挫折を追った一冊です。2016年に単行本が発売された時、ブクログユーザーのかたがたも大変高い評価を与えていた一冊です。勝ちすぎたことが何をもたらしてしまったのか。野球にとどまらず、多くの示唆を与える人間ドラマとなっています。

2位 霜月蒼さん『アガサ・クリスティー完全攻略』(早川書房)

日本推理作家協会賞&本格ミステリ大賞の2冠に輝いた傑作評論集が文庫化。講談社から発売されたとき、2015年の第15回本格ミステリ大賞(評論・研究部門)、第68回日本推理作家協会賞(評論部門)をそれぞれ受賞。ブクログユーザーからも高い評価を受けました。今回、ハヤカワ文庫から満を持しての文庫化です!

3位 小野寺史宜さん『ホケツ!』(祥伝社文庫)

今年、単行本『ひと』を刊行して高い評価を受けていた小野寺史宜さんが3位を獲得。サッカー部万年補欠の主人公・大地をめぐる青春小説です。単行本の帯では、川崎フロンターレの中村憲剛選手が「表舞台に立てなくても自分の人生を生きることの大切さをこの本は教えてくれる」とコメントしていました。スポーツに関わっていたみなさんに読んでいただきたい作品です。よろしければ「作家の読書道」インタビューもどうぞ。

4位 絲山秋子さん『薄情』(河出書房新社)

薄情 (河出文庫)

著者 : 絲山秋子

河出書房新社

発売日 : 2018年7月5日

ブクログでレビューを見る

Amazonで購入する

第52回谷崎潤一郎賞(2016年)受賞作です。他人と深く関わることを避ける主人公。人間関係、そして人生が変化していく主人公の姿は、多くの共感を集めました。「地方」がおかれる問題、そこに住まい生活することの問題にも光を当てた作品です。希望と絶望、両方が巧みに描かれるさまに、ブクログユーザーも高い評価をしていました。

5位 辻村深月さん『朝が来る』(文藝春秋)

『かがみの孤城』で2018年本屋大賞、そして今年の第6回ブクログ大賞を受賞した辻村さん。『朝が来る』も一昨年の本屋大賞にノミネートされていた作品です。文庫化されたのは嬉しいですね。不妊治療と養子というテーマが、私たちのいびつな性差、そして社会問題を明らかにするだけでなく、ミステリとしても秀逸な作品。辻村ファン以外にもオススメです。

6位 本城雅人さん『ミッドナイト・ジャーナル』(講談社)

第38回吉川英治文学新人賞(2016年)受賞作の文庫化です。過去と現在の幼女誘拐殺人事件を軸に、展開される物語。新聞社、警察、検察、さまざまな立場の人々が互いに絡み合う人間ドラマ。新聞社勤務経験のある著者が描く人間模様について、そのリアリティは高い評価を得ています。

7位 ジョナサン・エイムズさん『ビューティフル・デイ』(早川書房)

元海兵隊員で元FBI捜査官の主人公ジョーが、金槌と拳銃で悪党を蹴散らす物語!レイ・ラムジー監督によって映画化され、第70回カンヌ国際映画祭(2017年)脚本賞&男優賞をW受賞。映画を観た方でも楽しめる作品です。

8位 井戸まさえさん『無戸籍の日本人』(集英社)

戸籍を持たない日本人は1万人ほどいると見なされています。なぜそんなに多いのか?どうして無戸籍になってしまうのか?そのうちの大部分は、民法772条、「離婚後300日以内に生まれた子は前夫の子と推定する」という法律に由来するものだった―。多くの人々にとって他人事ではない問題を示しています。

9位 池内紀さん『ちいさな桃源郷 山の雑誌アルプ傑作選』(中央公論新社)

1958年、串田孫一とその仲間たちが創刊した山の文芸誌『アルプ』。そこに掲載された山にまつわる傑作エッセイをセレクトした一冊です。山村奥深く、そこに住まう人々とその営み、自然のもたらす風景や動植物たちを明らかにします。日本、あるいは自然を深く知るための記録集です。

10位 尾崎真理子さん『ひみつの王国: 評伝 石井桃子』(新潮社)

2008年に逝去、児童文学で圧倒的な功績を残した石井桃子さんについての本格評伝です。戦前・戦後の文学・児童文学史を描くだけでなく、石井さんのパーソナリティと功績を伝える大著となっています。


気になる本はありましたか?これらの作品は、総じてブクログのユーザーからも高い評価を受けています。単行本からの文庫化作が多いので、作品の評価が知りたいかたはぜひブクログで単行本も検索して、評価を見比べてみてくださいね。

『おすすめ文庫王国2019』の選評も、ぜひ読んでみてくださいね!

参考リンク

WEB 本の雑誌
2018年オススメ文庫の第1位は『勝ち過ぎた監督 駒大苫小牧 幻の三連覇』に決定!(「NEWS本の雑誌」)