歴史的快挙!永世七冠・羽生善治さん、国民栄誉賞を受賞─著書代表作の3冊に迫る!

永世7冠羽生善治さんの代表作『決断力』『大局観』『人工知能の核心』

こんにちは、ブクログ通信です。

2017年12月5日、将棋の第30期竜王戦7番勝負の第5局において、羽生善治棋聖が渡辺明竜王を破り「永世七冠」に!羽生さんは将棋界8大タイトルのうち永世称号の規定がない叡王戦をのぞき、名人戦・王位戦・王座戦・棋王戦・王将戦・棋聖戦、そして竜王戦というタイトル7つすべてで永世称号を獲得。歴史的快挙を成し遂げました(詳しくは朝日新聞デジタル「永世七冠 羽生善治」をご覧ください)。

また2018年2月13日に羽生さんは国民栄誉賞を授与されています。棋士として国民栄誉賞を受賞するのは、羽生さんが初めて。「年代が上がっていっても残せるものとか、指せる将棋というのもある。自分なりにできる限りの限界に挑戦していきたい」と語りました(毎日新聞「国民栄誉賞 羽生竜王『限界に挑戦したい』」(2018年2月14日付))。

羽生さんは1970年9月27日生まれの47歳の棋士です。『羽生の頭脳』(日本将棋連盟)を1992年に出版してから、将棋に関する数多くの書籍を執筆してきました。今回のブクログ通信は羽生さんの永世七冠を記念して、ベストセラーになった新書の人気代表作を3作ご紹介。この著作3冊を読めば、羽生さんの思考のエッセンスがつかめます!お薦め本のリストもあわせてご紹介しますので、気になった方はぜひそちらもご覧くださいね。

(2018年2月14日加筆)

著作代表作その1『決断力』─羽生さんがはじめて刊行した新書

2005年に羽生さんが記したはじめての新書で、当時一大ベストセラーになりました。勝負の分かれ目にあるのは集中力と決断力。直観力を磨くにはどうすればよいか。将棋を通じて勝負事・ビジネス全体にまで通じる一般書、自己啓発書として大変多くの人に読まれた一冊です。

非常に多くのブクログユーザーのみなさんが登録している一冊です。どの方も自分の立場に引きつけて読む方が多く、高い評価が目立ちました。

斎藤孝先生の「大人のための読書の全技術」にあった、社会人にお勧めの書籍50冊からのチョイスです。ビジネスに通じる考え方がたくさんあり、著者の教養の広さにただただ驚かされるばかり。
各章末の一段落がどれも印象的でした。

savallstrisさんのレビュー

将棋の一手一手の決断力や、著者自身の心構えが中心に書かれている。どの世界にも通ずることが書かれていて学ぶことが多い。将棋に対する羽生善治の経験談として読むだけでも十分に面白い。経験は必ずしも人を強くするわけではない、つまり経験が常に正しい決断を導くわけではないという考えや、知識を知恵に消化するという考えが印象に残った。

mjtkさんのレビュー

著作代表作その2『大局観 自分と闘って負けない心』─永世七冠を逃したときの回顧

2011年に羽生さんが記した2冊目の新書で、年を重ね、経験をつむことで強化できる大局観について述べられた一冊です。はじまりでは、2008年に行われた第21期竜王戦七番勝負が取り上げられており、羽生さんが敗北し永世竜王と永世七冠を逃したときのことが記されています。先にあげた『決断力』と比べ、円熟期にさしかかってきている羽生さんが、自身の経験をより明確に語った本といえるかもしれません。

大局観 自分と闘って負けない心 (角川oneテーマ21)

著者 : 羽生善治

角川書店(角川グループパブリッシング)

発売日 : 2011年2月10日

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この本もブクログユーザーから高い評価を受けており、色々な場面に役立つ考え方をどう受け止め、感じたかというレビューが多く寄せられていました。

著者は言わずと知れた現役最強の棋士羽生善治氏。氏が自身の経験、将棋界の名人たちの生き方や格言を通して、自身の強さの秘訣と考える「大局観」について述べられたものである。将棋盤上の膨大なパターンを読み切り、勝ちを収める棋士の頭の中身が知りたいという安易な理由で手に取った1冊。棋士というと、対局の中で何十手先の手を“読み”、ロジカルに考え、判断を積み上げ、結果の可能性を探る勝負をすると思われているが、大切なのは「大局を観る力」と氏は考えている。

yshrsgtさんのレビュー

物事を合理的に突き詰めて考えるというよりも、人生の総合力を問われる見地にて選択・判断を下すということである。そのためにはリスクとのつき合い、挑戦する勇気、感情、ミスを犯した場合など人生を鍛える言葉に満ちていて、超一流のアスリートの言葉だけになるほどなあと思える部分は多い。

mkt99さんのレビュー

著作代表作その3『人工知能の核心』─人工知能がプロ棋士を負かす日の予言成就

2017年に執筆された羽生さんの近著。元々、羽生さんといえば1996年『将棋年鑑』「棋士名鑑」の「コンピュータがプロ棋士を負かす日は」というアンケートに対して、その日を「2015年」とほぼ正確に予言していたエピソードが有名です。この本は、NHKスペシャル『天使か悪魔か 羽生善治 人工知能を探る』の取材をもとに、羽生さんが人工知能と向き合いその核心に迫る一冊となっています。一般向けにわかりやすく語られており、人工知能の可能性をあらゆる人に教えてくれる内容です。

2017年出版された本ということで、ブクログに本棚登録している方はまだ少なめですが、その確かな内容は高く評価されています。『人工知能の核心』は、前にあげた2冊より更に高い評価を受けていました。

人工知能の専門家が、その仕組みや産業への影響などを解説したものとは趣が異なり、最強棋士・羽生さんらしい切り口での、人工知能についての考察、人工知能との付き合い方が語り尽くされた、ユニークな一冊である。

コナン.O.さんのレビュー

洞察の深さは将棋だけでなく、人工知能への知識にも転用されている。技術者よりも意味合いを正確に掴み、芯を捉えているように感じる。それでいて一般的な言葉で話してもらえたり、また棋士としての経験や意見を交えて話してもらえることで、人工知能というものがどういうものなのかを感覚的に掴みやすいようになっていると感じた。

machidyoさんのレビュー

もちろん、羽生さんのおすすめ本はまだまだあります。羽生さんの出版している本は大きく分けて、一般のかた向けの啓蒙書と、専門的な将棋の解説書の2種類です。文庫・新書で手に取りやすいものが多く、どれも特徴があります。以下のリンク先から羽生さんの関係書をチェックできますので、これはと思う本をぜひ見つけてくださいね。

羽生善治さんのおすすめランキング

参考リンク

Wikipedia「羽生善治」
日本将棋連盟 羽生善治 プロフィール
朝日新聞デジタル「永世七冠 羽生善治」