2017年をふりかえる!本にまつわる10大・重大ニュース(下半期編)

2017年重大ニュース 回顧・ふりかえり下半期

こんにちは、ブクログ通信です。

2017年もまもなく終わり、2018年を迎えます。
2017年をふりかえる!本にまつわる10大・重大ニュース(上半期編)で、2017年の上半期をふりかえりました。
今回は2017年下半期をふりかえってみましょう!

2017年ふりかえり<下半期>

7月9日 神宿る島「沖ノ島」世界文化遺産登録

福岡県の「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群が、ユネスコの世界文化遺産に登録されることが決定。厳しい入島制限に守られてきた島のため約500年間にわたり行われてきた、航海安全を祈願する古代祭祀が行われた跡がほぼ残っていました。大きな注目を集めましたが、観光目的で訪れることが難しいために書籍・写真集を通じて近づくのが一番おすすめです。

7月19日 第157回直木賞・芥川賞発表

7月19日に直木賞・芥川賞の選考会が開かれ、「第157回芥川賞に沼田真佑「影裏(えいり)」(『文学界』5月号)、直木賞に佐藤正午『月の満ち欠け』(岩波書店)に決定しました!」芥川賞受賞作の『影裏』はすぐに単行本化されました。岩波書店の刊行物で、直木賞を受賞した作品は初となります。

7月28日 映画『君の膵臓をたべたい』公開

今年下半期の書籍原作映画で注目を浴びたのは、『君の膵臓をたべたい』でした。映画は大ヒット。そしてヒロインを演じた浜辺美波さんは非常に高い評価を受けて、この映画によって、浜辺さんは第42回報知映画賞新人賞、第30回日刊スポーツ映画大賞新人賞を受賞。映画の高い評価を受けて原作文庫本も飛ぶように売れて、文庫本は年間ベストセラーとなりました。詳しくは後述します。

8月28日 第5回ブクログ大賞発表!

4年ぶりに復活したブクログ大賞が発表されました!

「ブクログ大賞」は、インターネット上の一般読者の声を反映させることを目的に2010年3月に設立された小説、マンガ等の書籍賞です。2013年を最後に休止していましたが今年4年ぶりに復活いたしました。
本大賞では、「小説」「マンガ」にくわえ、「ビジネス書」「エッセイ・ノンフィクション」「人文書」「海外小説」の6部門のノミネート作品から一般投票により、それぞれ大賞1作品を決定したほか、全ジャンルの書籍から好きな作品を自由に投票できる「フリー投票部門」1作品の受賞作品を決定いたしました。

第5回ブクログ大賞発表!恩田陸『蜜蜂と遠雷』、星野源『いのちの車窓から』ほか全7作品!

受賞されたみなさまに、受賞記念インタビューを敢行。ここでしか読めない内容も多いので、ぜひご覧ください。

「読者の頭の中でそれぞれの音を鳴らしてもらうこと」が目標―恩田陸さん『蜜蜂と遠雷』ブクログ大賞受賞インタビュー前編
「観光客」と「家族」を繋ぐはずだった「書かれざる章」とは―東浩紀さん『ゲンロン0 観光客の哲学』ブクログ大賞受賞インタビュー前編
第5回ブクログ大賞ビジネス書部門受賞!中島聡さん『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか』記念インタビュー前編
「あなたの頑張りによって私は励まされる」漫画を─深谷かほるさん『夜廻り猫』ブクログ大賞受賞インタビュー前編
作者も日本での人気に驚く?!アントニオ・G・イトゥルベ『アウシュヴィッツの図書係』訳者小原京子さん担当編集者佐藤香さんブクログ大賞独占インタビュー!
スペイン本国から!『アウシュヴィッツの図書係』作者アントニオ・G・イトゥルベさんブクログ大賞独占インタビュー!

9月20日 安室奈美恵さんが引退を発表

9月16日にデビュー25周年を迎えた安室奈美恵さんが、安室さんの公式サイトを通じて、来年9月16日をもって引退することを発表。大きな驚きをもって迎えられました。すぐに手に入る安室さんの関連書はほとんど発売されていないのですが、ブクログではCD・DVDも登録できますので、そこからオールタイム・ベストアルバム『Finally』をご紹介。発売初週にミリオンセラーを記録しました。

Finally

Dimension Point

発売日 : 2017年11月7日

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9月22日 元SMAP 稲垣吾郎さん、草なぎ剛さん、香取慎吾さん3人が公式ファンサイト「新しい地図」をオープン

2016年にSMAPが解散したのち、メンバーがそれぞれの活動をはじめました。そして9月22日、稲垣吾郎さん、草なぎ剛さん(「なぎ」は、弓へんに剪)、香取慎吾さんがファンサイト「新しい地図」をオープン。それぞれの今後の活躍を予感させる印象的な動画が流れていました。

さらに朝日新聞と東京新聞にも「新しい地図」の新聞広告があり、大変大きな反響がありました。この日を境にして、3人の映像や姿が多くのメディアに流れるようになりました。動画も公開されるようになり、多くの雑誌誌面を飾っています。

10月4日~ ノーベル賞発表!文学者はカズオ・イシグロさん

連日発表されていくノーベル賞受賞者。今年の一大トピックは、カズオ・イシグロさんのノーベル文学賞受賞でした。村上春樹さんが予想されるなか、読み上げられた名前、流れる速報に驚いたかたはとても多かったのではないでしょうか。ブクログ通信でも特報を出し、日本でイシグロさんの翻訳を刊行している早川書房・山口さんにインタビューを行いました。

2017年ノーベル文学賞受賞者、カズオ・イシグロさんの来歴とその代表作をご紹介!【関連リンク集】
ノーベル賞受賞の舞台裏!一瞬で枯れた在庫!?早川書房で起きた大騒動に迫る!カズオ・イシグロ担当編集者山口晶さんインタビュー前編
あらかじめノーベル賞を狙っていたのか?早川書房の出版戦略を聞く カズオ・イシグロ担当編集者山口晶さんインタビュー後編
ノーベル賞授賞式開催!カズオ・イシグロさんの受賞講演、書籍化&Kindle化!

12月 2017年ベストセラーの発表─総合1位『九十歳、何がめでたい』

12月、株式会社トーハンと日本出版販売株式会社(=日販)による2017年ベストセラーの発表がありました。

日本出版販売株式会社「2017年間ベストセラー(集計期間:2016.11.26~2017.11.25)」
株式会社トーハン「2017年 年間ベストセラー発表」

それぞれのランキングで順位が異なる本もありますが、どちらのランキングでも総合1位を獲得したのは、『九十歳、何がめでたい』でした。単行本ランキングでは、直木賞・本屋大賞・ブクログ大賞受賞作の『蜜蜂と遠雷』が日販「単行本フィクション」、トーハン「文芸書」でともに1位。映画化された文庫『君の膵臓をたべたい』も、文庫ランキングともに1位を獲得しました。

12月1日 天皇陛下の生前退位日が決まる

天皇の生前退位の日程が2019年4月30日に決定したと発表されました。昨年から続く天皇陛下の生前退位についてのトピックは、多くの関連書籍と、天皇をテーマにした書籍の刊行に至りました。その中で改めて注目を浴びていた書籍は、天皇の多岐にわたる仕事と行事を網羅してその激務を解説した、2009年発行の『天皇陛下の全仕事』でした。

12月19日 パンダ・シャンシャン一般公開開始

6月12日にパンダ・シャンシャンが誕生して以来、ニュースは段々と大きくなり、一般公開開始直前には新聞・テレビ・ネットすべてで取り上げられて社会現象になりました。これを機に関連本も発売されたこともニュースに。サンスポ「シャンシャン公開間近…パンダ人気、関連本続々 専用コーナー売れ行き」(2017年12月16日)の記事によれば、人気の本は『ベビー パンダ あかパン』とのこと。

ベビー パンダ あかパン

パイインターナショナル

発売日 : 2017年11月20日

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2017年下半期の訃報

日野原さんだけでなく、本に関わる多くの方が亡くなりました。ブクログ通信では下半期から、活躍された方々の功績をしのび著書を紹介すべきと考えて、おくやみの記事を出しています。

7月1日に漫画家の優さん、7月14日にも漫画家のくりた陸さんが逝去。7月11日には、大山のぶ代さんの夫で『娘になった妻、のぶ代へ』を刊行した砂川啓介さんが亡くなりました。

7月18日には聖路加病院長、理事長を勤められ、お茶の間でも親しまれていた日野原重明さんが105歳で逝去。数多くの作品を記しましたが、遺著となったのが『生きていくあなたへ』。死の直前まで続けられたインタビューでした。

9月18日に芥川賞作家、赤染晶子さんが逝去。芥川賞受賞作『乙女の密告』が代表作。若すぎる逝去でした。

10月5日に俳優・小説家のアンヌ・ヴィアゼムスキーさんが逝去されました。2016年に自伝的小説の『彼女のひたむきな12カ月』が発売されたばかりでした。

10月8日に小説家の今井絵美子さんが逝去。「肉体は滅びても作品は遺る……。いつまでも、今井絵美子を愛して下さることを願っています」という言葉を残しています。

10月26日、小児科医の毛利子来さんが逝去。知識もさることながら、母親の弱い立場を尊重した育児論は、多くの人の支えになりました。

同日にはフランス文学研究者にして「クイズダービー」人気回答者、篠沢秀夫さんが逝去。お茶の間で愛された素敵な教授でした。

12月8日には野村克也さんの妻、野村沙知代さんが死去。多くの本を刊行していますが、そのなかでヌード写真集があったことには驚かされます。

12月16日、文化人類学者であり、立命館大学副総長を務めた渡辺公三さんが逝去。レヴィ=ストロースの紹介者として知られます。

12月17日にはドイツ児童文学の翻訳家、上田真而子さんが亡くなりました。エンデ『はてしない物語』の翻訳書は不朽の功績です。

年末の12月23日には直木賞も受賞された歴史小説家、葉室麟さんが逝去。来年は岡田准一さんの主演作、「散り椿」の映画化が控えています。

なお「こぐまちゃん」シリーズで知られる、わかやまけんさんが2015年の7月17日に亡くなられていたことがわかりました。遺族の意向で伏せられていましたが、原画展開催のとき明らかにされました。

ブクログの2017年下半期!

下半期の一大ニュースは、すでにご紹介した第5回ブクログ大賞の開催・発表でした。多彩な受賞者インタビュー、楽しんでいただけましたでしょうか?これからもブクログをどうぞよろしくお願いいたします。


2017年もさまざまな出来事がありました。来年はどうか、たくさんのいいことがありますように!