奇跡のコラボ?第二弾!『小説X』(小学館)⇔『ルビンの壺が割れた』(新潮社)公開往復書簡 宿野かほるさんからお返事が!

こんにちは、ブクログ通信です。

昨年実施した無料で小説の全文を公開し、そのタイトルを公募する、小学館『小説X』企画。12月12日(火)から19日(火)まで実施されたWeb投票の集計から、「小説X」のタイトルに決定し、ました。Web投票は昨年12月19日(火)に無事締め切られ1月9日(火)、タイトルが発表されました。


最優秀タイトル
『あなたをずっと、さがしてた』

蘇部健一『あなたをずっと、さがしてた

皆さんは覚えておいででしょうか?昨年末に蘇部さんが『ルビンの壺』著者宿野かほるさんへ送ったお手紙のことを…..

時間がかかりましたが、ようやく返事が届きました!

『小説X』(小学館)⇔『ルビンの壺が割れた』(新潮社)公開往復書簡

第一信】 蘇部健一さんから宿野かほるさんへ [2017年12月22日]

宿野かほるさんから蘇部健一さんからへのご返事 2018年1月4日

蘇部さま

 宿野かほるです。
 昨年末にメールをいただいたのにもかかわらず、長らくお返事を差し上げないで失礼いたしました。
 作家としての先輩からお褒めのお言葉をいただき、どのようなお返事を差し上げてよいものかわからず、気が付けば、梅の花が咲くころになってしまいました。
 蘇部さまは「感謝」というお言葉を使われましたが、これもまた、わたしが受け取る言葉ではないと存じます。
 といいますのも、ネット上での全文無料公開や帯のコピー募集は、わたしのアイデアではないからです。
 わたしは、ただ編集者の方の言われるままに、すべてをお任せしただけにすぎません。
 ですから、その賛辞は新潮社のみなさんに与えられるべきものです。
 幸いなことに、『ルビンの壺が割れた』は現在、7万部を超えました。
 この数字が本名も顔も出していない覆面でのデビュー作として破格なものであるというのは、わたしでもわかります。
 明らかに実力以上の何かの力が働いたというしかありません。
 失礼ながら蘇部さまのことはよく存じ上げませんでした。
 といいますのも、わたしはそれほど読書家ではなく、またミステリーはほとんど読みません。
 拙著『ルビンの壺が割れた』も、一部ではミステリーと受け取られていますが、わたし自身はミステリーとは思っておりません。
 それにしても、蘇部さまの「無料公開によるタイトル募集」とは、この上なく素敵なアイデアだと思いました。
 「キャッチコピー募集」などよりも、はるかに読者に寄り添ったものです。
 おそらくネットで読まれた読者の方は、半ば作者になった気持ちで、タイトルを考えられたのではないでしょうか。
 その時、読者にとっては、その作品は自分の作品のように思えたのではないでしょうか。
 『小説X』は蘇部さまの代表作になるような気がいたします。
 わたしは多分、一作で消えていく作家です。拙著を面白かったと言ってくださる読者の方もいると聞き、それはとても嬉しいのですが、一方で「これはAIが書いたのではないか」というご意見も寄せられたとも聞いています。
 編集者の方からは「是非、二作目を」と言われていますが、このままやっていく自信などは毛頭ありません。
 蘇部さまのように何年も書き続けておられる方は、本当に凄いと思います。
 自分が書いてみて、初めてその凄さを知らされた思いです。

宿野かほる

蘇部さんの手紙に呼応するように、宿野さんの手紙もなんだか謙虚すぎるような……。
「一作で消えていく作家です」なんて言わず、また新たな作品を書いていただきたいです。

このあとに蘇部さんがどんな返事を書くのかが楽しみではあるのですが、お二人ともお忙しいため、今回で蘇部さんと宿野さんの往復書簡は終わりです。
蘇部さんはもちろん、今回ご協力いただいた宿野さんの新しい作品を、これからも楽しみにしております!            
                

『ルビンの壺が割れた』著者・宿野かほるさんとは?

生年月日、出生地、性別、全て謎の完全覆面作家。ネット上での全文無料公開や帯のコピー募集で話題を浚った『ルビンの壺が割れた』で鮮烈デビュー。第2目への注目が集まっています。

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