【10月7日オープン!】ホストたちの社交場?歌舞伎町ブックセンター、選書の謎!─柳下恭平さんに聞く

2017年10月7日、東京都新宿区の歌舞伎町に、「歌舞伎町ブックセンター」がオープンします。以前ブクログのTwitterでもこの店の開店をお知らせしたのですが、とても多くの方々からの反響をいただきました。今回ブクログでは特別に、新規オープン前に店舗へおじゃまして様子をうかがいながら、選書のひみつを教えていただきました。

取材・文・撮影/ブクログ通信 編集部 大矢靖之

潜入!「歌舞伎町ブックセンター」

「歌舞伎町ブックセンター」外観

歌舞伎町二丁目、新宿区役所前から区役所通りを進み、新宿バッティングセンター手前で左折。その突き当たり近辺に、「歌舞伎町ブックセンター」がオープンしています。入店してみると、左手に本棚、右手にバーカウンターがありました。元々、ここは「jimushono1kai」というカフェスペースで、そこに併設する形で「歌舞伎町ブックセンター」が誕生したのでした。

ちなみにこのお店は、当初ホストのオーナーにより、ホストのために作った場所として生まれた書店でしたが、一般の方も入店、利用できるお店です。

歌舞伎町ブックセンターの棚

よく見ると、本一冊一冊に「黒」「赤」「ピンク」の帯がまかれていますね。

歌舞伎町ブックセンターの本棚

これはどんな意味があるんでしょう?

今回「歌舞伎町ブックセンター」で選書を担当した、エディトリアル・ジェットセットの柳下恭平さんにお話をうかがいしました。

歌舞伎町ブックセンター、エディトリアル・ジェットセットの柳下恭平さん近影、画像

「LOVE」をテーマに、選書を色で区分けした

─今回の選書についてお話をお伺いします。本の帯にはなにか意味があるんですか?

元々、『LOVE』をテーマに選書を行いました。LOVEというテーマに対して、「黒」「赤」「ピンク」という色を寄せていったんですよ。

たとえば、黒であれば人間の闇や、ドロドロしたもの、性的な欲望をイメージして本を選んでいます。こうして色を使うことで、時代小説やマンガなど、さまざまなジャンルの本を展示することができると思ったんです。隆慶一郎さんはドロドロしたものを書いていたりもしますけど、それも黒の棚に他の本と混ぜ込むことができますよね。

赤は、情熱やストレートな愛、家族愛などの意味をこめています。だから、たとえば原田マハさんと西原理恵子さんを並べることができるんですよね。迷ったんですけど、雨宮まみさんもこちらに並べました。少なくとも黒には入れたくなかったですよね。雨宮さんの書く東京をイメージして並べたんですよ。

 

ピンクは、ピュアな少女性やファンタジー。それから官能的な愛をイメージしました。『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』などを入れましたが、この本は黒にも配置することも試みてるんですね。

「スタッフは書店員でもあり、カフェ店員でもあり、ホストでもある」─営業形態と選書数

─なるほど。本の帯にはそういう意味があったんですね。「歌舞伎町ブックセンター」は本屋でもありますが、バーカウンターもあります。どのような営業形態なんでしょうか?

朝の11時から17時までが完全な本屋さんタイムです。17時からはバータイムになって、19時以降はチャージが発生します。ただし、その時間帯も本を販売していて、本のみ希望の方にはチャージはいただきません。

カフェスペース・カフェバー「jimushono1kai」の営業時間・チャージ

朝11時から17時までの本屋さんタイムは、店員がホストとしてお客様に付かせていただきます。こちらから声をかけて、棚の説明や、本の説明、提案もいたします! 商品知識がまだ足りない子もいて、お客様がたに教えていただくこともあるかと思いますけれどね。スタッフは書店員でもあり、カフェ店員でもあり、ホストでもあるんですね。

いま棚においてある本ですが、すべて僕が最初選書しました。実は、当初3000冊の種類を用意していたんですけど、400冊に減らしたんです。棚にあるすべての本について、従業員が商品知識を持っている状態にしておきたいんです。本が売れたら売れた分を追加発注して足していく予定です。買っていただいた人に、本の感想や好みをさらに聞きながら、より提案していきたい。だから、スタッフ個々人が一番薦めやすい本を置くのがいい。そのためには3000冊という数は多すぎるんですね。接客ができなくなるな、と思ったんです(笑) 従業員のレベルアップに応じて、置いてある本は増やしていきたいですね。お酒やカフェと一緒に、本を愉しんでもらえたらと思います!

─ありがとうございます! 

歌舞伎町ブックセンターの本棚


「歌舞伎町ブックセンター」はホストに本を読んでもらうために始まった本屋ですが、一般の人も当然利用できます。17時までの本屋タイムに訪れるのがよさそうですね。

すでにスタッフさんもそろっていたので、そのうちの一人にお話をうかがいました。もともと他の書店に5年働いていたそうですが、やめてまた書店をやろうと思っていたとき、草彅洋平さんから声をかけてもらって、「よかったら入社してみませんか」と誘ってもらったそうです。

歌舞伎町ブックセンターの本棚、WI-FIの案内

売れた本は、柳下さんや、ここで働いているスタッフがお客様のことを考えながら補充していくそうです。言い換えれば、お客様がたと一緒に本を読み、成長していこうとする書店なのだと思います。これからが楽しみですね!

最後に、左からプロデューサー&カリスマホストの草彅洋平さん、オーナーの手塚マキさん、選書&ホスト書店長の柳下恭平のスリーショットをいただきました。ありがとうございました!

草彅洋平さん、手塚マキさん、柳下恭平さんの近影、画像

店舗情報

店舗

「歌舞伎町ブックセンター」
住所:新宿区歌舞伎町2-28-14【GoogleMAP

アクセス:JR新宿駅東口 徒歩12分 / 東京メトロ新宿三丁目駅徒歩12分 / 西武新宿線西武新宿駅徒歩5分
営業時間:11:00 ~ 17:00(カフェ・書店タイム) 17:00 ~ 5:00(バータイム)

参考リンク

ハフィントンポスト インタビュー1「新宿のラブホ街に書店オープン。ホストが「愛」の本を600冊紹介」【2017年10月03日】

ハフィントンポスト インタビュー2「敵はAmazon、はウソ」本屋さんとホストクラブ、実は儲け方が同じだった」【2017年10月05日】

BOOKSHOP LOVER「「本はコミュニケーションツールである」 ホスト書店員が本を勧める歌舞伎町ブックセンターがオープン!」【2017年10月13日】

(2017年10月16日参考リンク追記)