2018年本屋大賞は、辻村深月さん『かがみの孤城』に決定!

今年で15回目を迎える「2018年本屋大賞」の結果発表と授賞式が、4月10日に明治記念館にて行われました。今年「いちばん!売りたい本」と全国書店員が選んだ大賞タイトルは、

辻村深月さん『かがみの孤城』です!

おめでとうございます!

「本屋大賞はバトンだと思っています」と受賞コメント

発表式の詳しい様子は、「2018年本屋大賞発表式潜入!辻村深月さん『かがみの孤城』受賞スピーチ、部門賞紹介」(2018年4月11日)の記事をぜひご覧ください。

2018本屋大賞オフィシャルページはこちらから

2018年本屋大賞ついに決定!大賞は辻村深月さん『かがみの孤城』!

「本屋大賞2018」大賞作 辻村深月さん『かがみの孤城』(ポプラ社)
「本屋大賞2018」大賞作 辻村深月さん『かがみの孤城』

内容紹介

いわれのない諍いから学校での居場所をなくし、仲良くなった友達も遠ざかって、自宅に閉じこもっていた中学一年生の少女、こころ。ある日、自室で突然部屋の鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。そこに現れたオオカミの面を被った少女に怖気づき、一度は逃げ出すこころ。しかし、再度鏡の向こうの世界にわたったこころは、6人の男女と出会う。互いの様子からすぐに分かったのは、みんな学校に行っていないであろうこと。

でもなぜこの7人が、なぜこの場所に集められたのか?オオカミの面の少女は言う。「願いの部屋の鍵を探してその部屋に入れば、その人の願いが一つかなう」と。しばらくは7人とも城を遊び場所や暇つぶしに使っていたものの、次第にみな、願いの部屋の鍵を意識するようになる。7人は相互に協力と諍いを繰り返しながら、それぞれの境遇と本音を知ることになる─。そしてすべてが明らかになるとき、物語は一気に加速する。

謎が次々と明かされラストにまで至るなか、読み手はきっと、驚きと感動を禁じえない。

著者:辻村深月(つじむら・みづき)さんについて

1980年山梨県生まれ。千葉大学教育学部卒業。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞を、『鍵のない夢を見る』で第147回直木賞を受賞。

辻村深月さんの作品一覧

直木賞受賞以降も次々と名作を生み出してきた辻村さんですが、その中でも非常に高い評価を受けた『かがみの孤城』がとうとう本屋大賞を獲得しました。辻村深月さん、あらためましておめでとうございます!

本屋大賞ノミネート作の全順位も発表されています。ここまで残った作品ですから、全て定評があり、面白さが保障されている作品ばかりです。それでは、2位以降もご紹介してまいります。

2018年本屋大賞2位 柚月裕子さん『盤上の向日葵』

「本屋大賞2018」2位 柚月裕子さん『盤上の向日葵』
「本屋大賞2018」2位 柚月裕子さん『盤上の向日葵』

内容紹介

さいたま市天木山山中で発見された白骨死体。唯一残された手がかりは初代菊水月作の名駒のみ。それから4ヶ月、叩き上げ刑事・石破と、かつて将棋を志した若手刑事・佐野は真冬の天童市に降り立つ。向かう先は、世紀の一戦が行われようとしている竜昇戦会場。果たしてその先で二人が目撃したものとは!?実業界の寵児で天才棋士――。 男は果たして殺人犯なのか!?

日本推理作家協会賞作家が描く、渾身の将棋ミステリー!

著者:柚月裕子(ゆづき・ゆうこ)さんについて

1968年岩手県生まれ。2008年、『臨床真理』で第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、デビュー。2013年に『検事の本懐』(宝島社)で第15回大藪春彦賞を、2016年に『孤狼の血』(KADOKAWA)で第69回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)、『慈雨』(集英社)で「本の雑誌が選ぶ2016年度ベスト10」第1位を獲得

柚月裕子さんの作品一覧

2018年本屋大賞3位 今村昌弘さん『屍人荘の殺人』

「本屋大賞2018」3位 今村昌弘さん『屍人荘の殺人』
「本屋大賞2018」3位 今村昌弘さん『屍人荘の殺人』

内容紹介

神紅大学ミステリ愛好会に所属する葉村譲と会長の明智恭介は、曰くつきの映画研究会の夏合宿に興味を抱き、同じ大学に在席する美貌の探偵、剣崎比留子と共に紫静荘を訪ねた。“曰く”など気にする風もない部員たちは、肝試しと称し神社に赴くが、想像を絶する異常事態に遭遇し紫静荘に立て籠もることを余儀なくされる。緊張と混乱が続くなか一夜明けると、部員の一人が惨殺死体となって発見される。それは連続殺人の序章に過ぎなかった――。究極の絶望の淵で、葉村は、明智は、そして比留子は、生き残り謎を解き明かせるか!?

奇想と本格が見事に融合する選考員大絶賛の第27回鮎川哲也賞受賞作!

著者:今村昌弘(いまむら・まさひろ)さんについて

1985年長崎県生まれ。岡山大学卒。2017年同作で第27回鮎川哲也賞受賞、「このミステリーがすごい!2018年版」国内編1位、「週刊文春2017年ミステリーベスト10 国内編」1位に選ばれ、デビュー作にして前代未聞の三冠を達成。

今村昌弘さんの作品一覧

2018年本屋大賞4位 原田マハさん『たゆたえども沈まず』

「本屋大賞2018」4位 原田マハさん『たゆたえども沈まず』
「本屋大賞2018」4位 原田マハさん『たゆたえども沈まず』

内容紹介

19世紀末、パリ。浮世絵を引っさげて世界に挑んだ画商の林忠正と助手の重吉。日本に憧れ、自分だけの表現を追い求めるゴッホと、孤高の画家たる兄を支えたテオ。四人の魂が共鳴したとき、あの傑作が生まれ落ちた―。原田マハが、ゴッホとともに闘い抜いた新境地、アート小説の最高峰。ここに誕生!

著者:原田マハ(はらだ・まは)さんについて

1962年東京生まれ。関西学院大学文学部日本文学科、早稲田大学第二文学部美術史学専修卒業。馬里邑美術館、伊藤忠商事を経て、森ビル森美術館設立準備室在籍時、ニューヨーク近代美術館に派遣され同館にて勤務。2005年「カフーを待ちわびて」で第1回日本ラブストーリー大賞を受賞し、作家デビュー。2012年に発表したアートミステリ『楽園のカンヴァス』は第25回山本周五郎賞、第5回R・40本屋さん大賞、TBS系「王様のブランチ」BOOKアワードなどを受賞。2016年『暗幕のゲルニカ』が第9回R・40本屋さん大賞受賞・「2017年本屋大賞」6位、2017年『リーチ先生』が第36回新田次郎文学賞を受賞。

原田マハさんの作品一覧

2018年本屋大賞5位 伊坂幸太郎さん『AX アックス』

「本屋大賞2018」5位 伊坂幸太郎さん『AX アックス』
「本屋大賞2018」5位 伊坂幸太郎さん『AX アックス』

内容紹介

伊坂幸太郎史上最強のエンタメ小説<殺し屋シリーズ>『グラスホッパー』『マリアビートル』に連なる、待望の最新作!最強の殺し屋は――恐妻家。物騒な奴がまた現れた!新たなエンタメの可能性を切り開く、娯楽小説の最高峰!

「兜」は超一流の殺し屋だが、家では妻に頭が上がらない。一人息子の克巳もあきれるほどだ。兜がこの仕事を辞めたい、と考えはじめたのは、克巳が生まれた頃だった。引退に必要な金を稼ぐため、仕方なく仕事を続けていたある日、爆弾職人を軽々と始末した兜は、意外な人物から襲撃を受ける。こんな物騒な仕事をしていることは、家族はもちろん、知らない。

書き下ろし2篇を加えた計5篇。シリーズ初の連作集!

著者:伊坂幸太郎(いさか・こうたろう)さんについて

1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で新潮ミステリー倶楽部賞を受賞しデビュー。2004年『アヒルと鴨のコインロッカー』で吉川英治文学新人賞、「死神の精度」で日本推理作家協会賞短編部門、2008年『ゴールデンスランバー』で山本周五郎賞と本屋大賞を、2014年『マリアビートル』が2014大学読書人大賞を受賞。

伊坂幸太郎さんの作品一覧

2018年本屋大賞6位 塩田武士さん『騙し絵の牙』

「本屋大賞2018」6位 塩田武士さん『騙し絵の牙』
「本屋大賞2018」6位 塩田武士さん『騙し絵の牙』

内容紹介

痛いほど圧倒的リアリティ、ウィットに富んだ会話の応酬! 「小説のなか」で大泉洋が動く!

大手出版社で雑誌編集長を務める速水。誰もが彼の言動に惹かれてしまう魅力的な男だ。ある夜、上司の相沢から自身の雑誌の廃刊を匂わされたことをきっかけに、速水は組織に翻弄されていく。すると次第に彼の異常なほどの“執念”が浮かび上がってきて……。斜陽の一途を辿る出版界で牙を剥いた男が、業界全体にメスを入れる!小説を愛するすべての読者へ贈る一冊。

著者:塩田武士(しおた・たけし)さんについて

1979年兵庫県生まれ。関西学院大学社会学部卒。神戸新聞社在職中の2010年『盤上のアルファ』で第5回小説現代長編新人賞を受賞し、デビュー。2012年神戸新聞社を退社。2016年『罪の声』で第7回山田風太郎賞を受賞、「『週刊文春』ミステリーベスト10 2016」で国内部門第1位、「2017年本屋大賞」3位。

塩田武士さんの作品一覧

2018年本屋大賞7位 今村夏子さん『星の子』

「本屋大賞2018」7位 今村夏子さん『星の子』
「本屋大賞2018」7位 今村夏子さん『星の子』

内容紹介

主人公・林ちひろは中学3年生。出生直後から病弱だったちひろを救いたい一心で、両親は「あやしい宗教」にのめり込んでいき、その信仰は少しずつ家族を崩壊させていく。

著者:今村夏子(いまむら・なつこ)さんについて

1980年2月広島県広島市生まれ。2010年『あたらしい娘』で第26回太宰治賞受賞。『こちらあみ子』と改題、同作と新作中短編『ピクニック』を収めた『こちらあみ子』で2011年に第24回三島由紀夫賞受賞。2016年、新創刊された書肆侃侃房の文芸誌『たべるのがおそい』で2年ぶりとなる新作『あひる』を発表し、第155回芥川龍之介賞候補。同作を収録した短編集『あひる』で第5回河合隼雄物語賞受賞。『星の声』を「小説トリッパー春」号に発表。本作で第157回芥川賞候補、第39回野間文芸新人賞受賞。

今村夏子さんの作品一覧

2018年本屋大賞8位  知念実希人さん『崩れる脳を抱きしめて』

「本屋大賞2018」8位 知念実希人さん『崩れる脳を抱きしめて』
「本屋大賞2018」8位 知念実希人さん『崩れる脳を抱きしめて』

内容紹介

広島から神奈川の病院に実習に来た研修医の碓氷は、脳腫瘍を患う女性・ユカリと出会う。外の世界に怯えるユカリと、過去に苛まれる碓氷。心に傷をもつふたりは次第に心を通わせていく。実習を終え広島に帰った碓氷に、ユカリの死の知らせが届く――。

彼女はなぜ死んだのか? 幻だったのか?

ユカリの足跡を追い、碓氷は横浜山手を彷徨う。そして、明かされる衝撃の真実!?
どんでん返しの伝道師が描く、究極の恋愛×ミステリー!!2度読み必至!

著者:知念実希人(ちねん・みきと)さんについて

1978年沖縄県生まれ。東京慈恵会医科大学卒、日本内科学会認定医。2011年、第4回島田荘司選ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を『レゾン・デートル』で受賞。12年改題『誰がための刃』で作家デビュー。人気の「天久鷹央」シリーズをはじめ、『ブラッドライン』『優しい死神の飼い方』『改貌屋 天才美容外科医・柊貴之の事件カルテ』『あなたのための誘拐』など著書多数。

知念実希人さんの作品一覧

2018年本屋大賞9位  村山早紀さん『百貨の魔法』

「本屋大賞2018」9位 村山早紀さん『百貨の魔法』
「本屋大賞2018」9位 村山早紀さん『百貨の魔法』

内容紹介

時代の波に抗しきれず、「閉店が近いのでは?」と噂が飛び交う星野百貨店。エレベーターガール、新人コンシェルジュ、宝飾品売り場のフロアマネージャー、テナントのスタッフ、創業者の一族らが、それぞれの立場で街の人びとに愛されてきたデパートを守ろうと、今日も売り場に立ちつづける――。百貨店で働く人たちと館内に住むと噂される「白い猫」が織りなす、魔法のような物語!

著者:村山早紀(むらやま・さき)さんについて

1963年長崎県生まれ。活水女子大学文学部日本文学科卒業。1993年『ちいさいえりちゃん』で第15回毎日童話新人賞最優秀賞、第4回椋鳩十児童文学賞を受賞。

村山早紀さんの作品一覧

2018年本屋大賞10位 小川糸さん『キラキラ共和国』

「本屋大賞2018」10位 小川糸さん『キラキラ共和国』
「本屋大賞2018」10位 小川糸さん『キラキラ共和国』

内容紹介

ツバキ文具店は、今日も大繁盛。夫からの詫び状、憧れの文豪からの葉書、大切な人への最後の手紙…。伝えたい思い、聞きたかった言葉、承ります。『ツバキ文具店』待望の続編。

著者:小川糸(おがわ・いと)さんについて

1973年山形県生まれ。デビュー作『食堂かたつむり』が大ベストセラーとなり、2011年にイタリアのバンカレッラ賞、2013年にフランスのウジェニー・ブラジエ小説賞を受賞。同作シリーズ第一作目『ツバキ文具店』は昨年「2017年本屋大賞」4位。

小川糸さんの作品一覧

2018年本屋大賞10位 小川糸さん『キラキラ共和国』

関連リンク

2018年本屋大賞、結果発表迫る!ノミネート10作品を一挙ご紹介![2018年1月18日]
ポプラ社『かがみの孤城』特設サイト


本屋大賞(ほんやたいしょう)とは

「本屋大賞」(ほんやたいしょう)とは2004年に設立された、書店員有志で組織するNPO法人「本屋大賞実行委員会」が運営する文学賞。キャッチコピーは「全国書店員が選んだいちばん! 売りたい本」。一般の文学賞とは異なり作家・文学者は選考に加わらず、「新刊を扱う書店(オンライン書店を含む)の書店員」の投票によってノミネート作品および受賞作が決定される。過去一年の間、参加書店員が読み「面白かった」「お客様にも薦めたい」「自分の店で売りたい」と思った本を選び投票。また「本屋大賞」は発掘部門も設け、過去に出版された本のなかで、時代を超えて残る本や、今読み返しても面白いと書店員が思った本を選ぶ。
http://www.hontai.or.jp/about/index.html